地方史とか郷土史とか民俗関係をやっておられる方は「足でかせげ」が生命。そのことは研究する方々では常識のことだろう。民俗学の柳田国男先生も「文献にたよるな」ということを言っておられる。自分で見、聞きし実態を体感することが下地になってるものは強い。時に文献は為政者の都合のよいようにまとめられたりする。
研究とはちょい違うが、かの日本地図の間宮林蔵もあの時代に「わらじ」をはいて日本のすみずみまで歩き実地した。
私の作ってる昔話の元は、私の祖父の時代に取材された昔話の一遍である。うすい紙に謄写版で印刷されている。活字印刷の前段階のものだ。ところどころに祖父の名前が見え、形として見えない唯一の祖父の形である。
わたしは歩かないでそれを使っている。