回顧と展望

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雨に咲く

2021年06月20日 12時35分02秒 | 日記

雨に咲く花、と言っても別に雨が降ったから咲くわけではない。咲いているところに雨が降ったということなのだが、言葉としては雨に咲く、と言った方が雰囲気がある。昨日受けたワクチンの、接種したところのかすかな痛みを感じながら雨が上がったばかりの庭に出てみると、雨の滴をたたえたバラがいくつか咲いていた。数日前、町内会の回覧板をお隣に届けた時にその家の庭の薄暗がりの中から漂ってきたバラの香りに、もうその季節は来たのだという思いがしたのだが、それがしばらく見ないうちに我が家の庭の薔薇も咲き始めていた。

その隣の家では今、幼稚園に通っている男の子が庭いじりをしている母親の横で逆立ちの練習をしている。自分も初めて逆立ちが出来た時には、そこに見える世界が大きく回転した新鮮な感じを持ったことを思い出す(逆立ちだから当たり前か・・・)

先日、電話で日本通のロンドンの友人と話をした際、日本でのワクチン接種が遅れているようだが、感染拡大にならないか、と聞かれた。それには、心配がないとは言えないが、日本は何事にも慎重(臆病?)な国だから、始めるまでにはどうしても時間がかかる、しかし体制が整って一旦始まったら接種のスピードは速いと思う、それにロックダウンが続き感染者が460万人、死者が12万人を超えるイギリスとは危機感というか緊張感が違うので、国民の意識をイギリスと比較しても、と答えておいた。そんな日本だが、昨日時点で接種回数が3000万回を超えた、という。G7の中では依然最小であるが、既にカナダに肉薄しており、イタリア・フランスの7割くらいまで来ている。

この数字、日経新聞では政府発表を早く伝えているがNHK の数字はいつも一日遅れ。NHKには、こういった情報を正確なことはもちろんだが迅速に報道する体制が出来ていないのか。国民の不安を払しょくするのが国営放送の使命の一つだとすればあまりに怠慢と言わざるを得ない。いつも遅れている数字を報道しているようで、ことさら日本が後れを取っているという印象を与えることになるだろう。

今年春に胆管癌を宣告された少し年上の知人が、今は毎週化学療法を受けている。血管がすぐそばを通っていて切除手術が出来ないそうだ。医者からは何もしなければ余命1年と言われて本人は内心覚悟を決めているように見える。今のところ、この化学療法は順調に進んでいるようだから、寛解する可能性はあると思うのだが、この前会った時、そこにはきれいな花畑があって、それを見て奥方に、思い出になるからこの景色を背景に私の写真を撮っておいてくれ、と言っていたのには胸が痛んだ。

 

コメント (3)
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