難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

長野県に難聴児支援センター

2007年06月05日 20時18分37秒 | 福祉サービス
070603_1749~001.jpg長野県に難聴児支援センターが開設されたという。

早期に発見された難聴児に対する情報と支援のネットワークが作られた意義は大きい。

親の不安の解消とその子供がどういう教育を受けるかも含めて、子供のコミュニケーションの可能性が広がるからだ。

もう一つは、成功すれば障害者自立支援法のライフステージにわたる支援のうち、乳幼児期の支援モデルになるかも知れないことだ
教育、医療、福祉などの分野にまたがる支援を行政がどのように連携させたかを知りたい。


ラビット 記
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難病相談・難聴児支援センター 県と信大が松本に開設
長野日報

療育支援員として常駐するろう学校教諭が、県内で毎年20人ほど見つかる難聴児に対応し、人工内耳手術や補聴器装着後の言語発達を支援する。
専門医と言語聴覚士の派遣で受け皿を広げ、新生児の聴覚検査や治療に関する 医療機関紹介、出張支援も進める。 ...
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=7318





聴覚障害アカデミー 聴覚障害者専門家養成オンライン講座

2007年06月05日 18時41分11秒 | エンパワメント

調布の花1サンフランシスコの風さんから、新しい情報が届いた。

ラビット 記




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ラビットさん、
前にも申したかもしれませんが、
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/5357335.html
HLAAでは聴覚障害専門スペシャリストを養成するために上記のようなオンライン講座を開設しています。
難聴者でも健聴者でも誰でも関心のある人が受講できるものです。
http://www.hearingloss.org/docs/AcademyProgramOverview2006.pdf

プログラム概要(Program Overview)を見ると、
1)入門
2)心理精神面のサポート
3)技術面のサポート
4)法律、アドボカシー、照会サービス
(これに社会啓蒙のアウトリーチを入れたい)
の4本立てになっております。

アカデミー設立に関わった人を見るとHLAAの理事長をはじめ、上記1)-4)の分野の専門家が2人ずついますね。トライキン、ハーヴェイ両教授はもちろん2)を担当しています。


つつじの花4ブログの「精神対話士」の話は興味深く読みました。さしずめ「ピアカウンセラー」のようなものかと察しました。
わたしの夢は日本にもこういう難聴者の全生活に関わる全ての分野のサポートを提供してくれるワン・ストップ総合センターができることです。
徳島の方の例じゃありませんが、「聴覚障害者支援センター」なる施設ができてもビデオの貸し出しと手話通訳者養成しかしないんじゃ、名前負けですよね。
S先生がおっしゃるSTや先日のLACEプログラムなどは3)の分野になりますね。わたしの担当は2)の心理精神面でのサポートです。最近話題になってるセルフエスティームをいかに向上させるかです。

難聴者のエンパワメントというのは上の4分野全てが網羅できてこそ成り立つと思います。あちこちつぎはぎのパッチワーク、いやもしかして今の状況は縫い目もないばらばらのパッチかな? それじゃ100年かかっても難聴者の総合的なエンパワメントはできないでしょう。。。

難聴者の素晴らしいキルトをみなで合同制作しよう!


難聴者のセルフエスティームと聴覚障害総合センター

2007年06月05日 12時30分33秒 | エンパワメント

ランキュラスサンフランシスコの風さんのメールの続きです。

難聴児、難聴者のセルフエスティームについての知見は、アメリカで聴覚障害者カウンセリングを学んだ当事者ならではのものだ。
今後とも、大いに情報や知見を提供して欲しい。

難聴者のエンパワメントは、自己を励ましあうセルフヘルプ・グループと個人・小グループを対象にしたカウンセリング、社会啓発を行うアウトリーチ活動を一体的に行う必要があると提言されている。
これは、日本の聴覚障害者情報提供施設にない視点で新鮮だ。
昨年訪れた、難聴者のためのニューヨークリーグがまさにそうした機能を有している。

ラビット 記
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クライアントのセルフエスティームを客観的にきちんと評価しようと、アメリカの精神保健界は頑張っていますが、わたしには必ずしも計れない、ふつふつと沸き起こる生きる意欲みたいな感じもあると思っています。そこまで行くと宗教とか精神性の問題になりますからちょっとずれますけどね。
難聴関係では、ブログにも紹介しましたが、やはりギャローデット大学カウンセリング部部長のAllen E.Sussman教授が元祖です(Characteristics of a Well-Adjusted Deaf Person)。
今はMichael Harvey先生なんかも聴覚障害者対象のメンタルヘルス読本を出したりしています。ちゃんとしたセルフエスティームの評価法までのせていたかどうかまではちょっと覚えていません。
聾・難聴の子どものセルフエスティームを高めるため「I'm Deaf andIt's Okay」という子供向けの本(Lorraine Aseltine著)があります。他にも類似書
はたくさんあるとおもいます。

日本(を含むアジア)では、F先生がおっしゃるように、文化・歴史的に個人主義が育たなかったので、そもそもセルフエスティームの「標準値」が存在せず、ましてやそのサブグループである難聴者の自己観を計ろうとするようなものはないのは当然かもしれません。


辻堂のコスモス難聴者一人一人のエンパワメントはその難聴者の住む社会の全個人のエンパワメントと手に手をとり進めていかねばならないでしょう。それには一般社会への働きかけも重要です。
いずれにしても難聴者には互いを励ますセルフヘルプグループ、個人・小グループによるカウンセリング、それと一般社会を啓蒙するアウトリーチ活動を全部しているワン・ストップセンターのような場所が必要ですね。

F先生にもしかしたら役立つサイト名を下にあげました。グーグルするとでてきます。
1)Psychotherapy with Deaf Clients from Diverse Groups: Chapter One
2)Proceedings of the First World Conference on Mental Health and Deafness - Keynote
Address: Dr. Allen E. Sussman
(Part II の1と8がもっとも重要と思います)
3)Building a Strong Foundation: Our Children's Self-esteem by Janet DesGeroges
(www.handsandvoices.org/articles/early_intervention/foundation)
4) Culturally Affirmative Psychotherapy with Deaf Persons by Michael Harvey
5) Psychotherapy with Deaf and Hard-of-Hearing Persons: A Systemic Model by Michael Harvey

4)と5)は書籍です。
勉強不足で学術論文などには目を通していませんが、もしもっと突っ込んだ論文とかをお探しの向きはサンフランシスコ市立図書館に聴覚障害書籍部門があるのでそこへいって(会社から歩いて5分)司書の助けを借ります。

今日のところはこの辺で失礼します。



聴覚障害者の年金の確認 要約筆記など通訳の保障を

2007年06月05日 10時42分57秒 | 生活

鉢植えの花カミーナ年金問題は、聴覚障害者にとっても大切な問題だ。
自分の年金について、役所の窓口で問い合わせる場合、きちんと筆談してくれるか、要約筆記者や手話通訳など通訳の派遣をしてもらわないとならない。きちんと応対してもらうことは保険料を払っている国民に対する義務だ。

国民年金、厚生年金、健康保険などなど役所によって窓口が異なり、課の名称もまちまちだ。
聴覚障害者は皆が必ずしも年金の知識もあるわけではない。こうした時は通訳も知識が求められる。

問題は、この窓口の通訳の負担は障害福祉予算で良いのかということだ。これは、コミュニケーション支援事業の予算というよりは自治体か社会保険庁の責任なので国の予算が充てられるべきだ。

障害者自立支援法第二条第二項と第三項には以下のように記されている。
第二条 市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、この法律の実施に関し、次に掲げる責務を有する。

二  障害者等の福祉に関し、必要な情報の提供を行い、並びに相談に応じ、必要な調査及び指導を行い、並びにこれらに付随する業務を行うこと。
三  意思疎通について支援が必要な障害者等が障害福祉サービスを円滑に利用することができるよう必要な便宜を供与すること、障害者等に対する虐待の防止及びその早期発見のために関係機関と連絡調整を行うことその他障害者等の権利の擁護のために必要な援助を行うこと。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/02/tp0214-1c1.html

ラビット 記