難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

障害者権利条約がマスコミで頻出

2007年12月09日 23時18分53秒 | PHSから
071209_2056~001.jpg071203_1657~001.jpg「障害者権利条約」が、障害者から社会に発信されるようになり、マスコミもそうした動きを取りあげ始めている。

今までの国内施策の遅れ、社会の理解の遅れもあり、権利条約がそれらを変えるきっかけになると期待されているのは理解できる。しかし、「障害者」という
概念すら、今の法体系とかなり異なる。身体的、知的、精神的障害が長期にわたり固定されているというのが一般的だが、条約では妊婦もエイズの感染者も
「障害を持つ人」だ。

障害者側が、条約の内容をしっかり理解し、社会の種々の問題をどう変えていくのか関係者も含めて、大きな合意が必要だ。
社会の理解がなければ、国内法の整備もいびつなものになるのではないかと懸念する。

ホテルや旅館の聴覚障害者の情報保障のための取組みに、権利条約のことを業界側に説明するにしても、「権利」、「義務」と言っても
すぐには受け入れるのが難しい。頭で理解しても、費用の負担とかサービスの内容となると二の足を踏んで、その適用範囲を極力狭めようとするだろう。聞こ
えない人へのサービスは、国際標準になること、障害を持たない人へのサービスにもなること、顧客満足度を高めることにつながること、国に設備導入、改善
の補助金制度を作らせることを共同で呼びかける等の運動を展開すること等が考えられる。


ラビット 記
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>
> 手話は「言語」である
> 読売新聞
> そうした歴史と運動を経て、国連で昨年末に採択された
> 「障害者権利条約」で、「手話も言語の一つである」こ
> とが明記された。運動にかかわってきた者には画期的だ
> った。 ...
> http://hokuriku.yomiuri.co.jp/hoksub4/hokutaka/ho_taka_071202.htm
>

> 働く意欲尊重する社会を
> 公明新聞
> 障害者権利条約は、新しい権利を定めるのではなく、す
> べての人に保障される普遍的な人権を障害者の観点から
> 定めた点に特徴があり、教育や健康、労働などの誰もが
> 有する ...
> http://www.komei.or.jp/news/2007/1203/10233.html
>

> 「権利条約をもとに障害者差別撤廃を」
> キャリアブレイン
> 国連の「障害者権利条約」に日本が今年署名したことを
> 受けて、障害者団体などは12月1日、「障害者権利条約
> 採択の次にくるもの」をテーマとする「障害者政策研究
> 全国 ...
> http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=13363
>

> 自立支援法見直し案「評価できるが、その場しのぎとも」
> キャリアブレイン
> また、サービスの限度を規定する「障害程度区分」を見
> 直すとしていることについては、「個別のニーズに応じ
> てサービスを提供すべきとする障害者権利条約の考え方
> からも ...
> http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=13422
>

> 補助犬法改正 障害者の自立のバネに
> 信濃毎日新聞
> 改正法が成立した先月28日、竹前さんは会見で「国連の
> 障害者権利条約に近い内容が盛られ、感謝している」と
> 喜びを語った。
> 障害者差別を禁じ、社会参加を促す障害者 ...
> http://www.shinmai.co.jp/news/20071203/KT071130ETI090002000022.htm





人工内耳の音入れ後4日目

2007年12月09日 08時07分29秒 | 人工内耳
071202_1757~002.jpg人工内耳の音入れで退院してから、会社に二日間出勤して、補聴器と人工内耳で仕事をしていた。
仕事の上の簡単な会話や電話の受け答えは右耳の補聴器ですませている。
左耳は人工内耳を付けたままだがピーピーピッピッとうるさい。右耳で何を言っているのか聞こうとしている時に邪魔に思ったりする。


4日目で体験したこと。
午後から、地元の中途失聴・難聴者向け手話講習会で、聞こえとコミュニケーションに付いて、話しをした。手話の習得程度もまちまちなので、ホワイトボードを配って、私の質問に手元のホワイトボードで答えてもらう。自分の回答が聞こえや手話がまちまちな他の受講生にも分かる、自分も他の受講生の回答が分
かることで、皆が分かることがコミュニケーションということを中心に話しをした。
話している間は、人工内耳はピピーキッキッとしきりに「鳴いている」。


手話講習会で磁気ループを使っていたので、他の人の話している声をループで聞いてみたら、「聞こえる」。人工内耳のコントローラーの上矢印と下矢印のボタンを両方押すとTの表示になり、磁気ループの音を拾うようになる。

夜テレビのドラマを字幕放送で見ていると、字幕と出演者の口の動きで「聞こえる」。かすかに分かるという程度だが、ピッピッピー、キッキッチリチリとカン高く聞こえているのが言葉に聞こえるのは驚いた。

パソコンのキーボードを打つカチャカチャというのは、二日前はピッピッと聞こえていたのが今日はカチャカチャと聞こえる。
車を運転しているとピッピーガガーと聞こえているだけが、カーナビが「ピピーピッピッ」と違って聞こえたので何かと思ったらカーナビが「間もなく左方向に曲がります、先方を右方向に曲がります」と言っているのに人工内耳が反応したことが分かった。

音読テープ(朗読テープ)の代わりに落語のCDを買って聞いてみたが、補聴器側でも良く分からない。人工内耳でもピピキーキーと聞こえるだけだった。¥1250.

※「聞こえる」というのは、まだ聞こえたように分かるまたはそれらしく聞こえるという意味。 


ラビット 記



人工内耳の音入れ後3日目。

2007年12月09日 07時52分55秒 | 人工内耳
071202_1755~001.jpg人工内耳3日目で体験したこと。
自分の声は、聞こえるように感じる。頭の中を伝わって脳に蓄積されたデータのせいかと思ったが、医師によると発声が言語野に直接フィードバックして聞こえるように感じているためだろうと言う。これは、まだ良く分からない。

通勤途上、歌を歌ってみた。少し、音程とは言えないが抑揚が感じるように「聞こえる」。「千の風になって」は分からず、「Hey Jude」と「君といつまでも」はよく分かった。どちらも高校生時代に流行っていた歌でよく頭に刷り込まれているらしい。

夜は、ろう者と一緒の会議に人工内耳装着後初めて参加した。私の人工内耳を見て、「やったの?」という人もいた。難聴者のことを理解しているろう者の顔がちょっと疎遠に感じたのは気のせいか。普段は聞こえる手話通訳と一緒に仕事をしている人だがよく聞こえない難聴者が人工内耳をしただけで自分と違う世界の人に感じてしまうのだろうか。

このろう者とは、もう少し話し合ってみたい。聞こえる方がよいという価値観ではなく、全ての聴覚障害を持つ人がそれぞれのコミュニケーション方法、様式にあった形で権利が保障されるべきという価値観をお互いが持つようにしたい。

2007年12月7日の人工内耳の装用時間。8:00から3:00まで19時間。

ラビット 記