難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

中途失聴・難聴者協会の予算要望(2)

2008年07月11日 10時12分19秒 | 福祉サービス
2 中途失聴・難聴者対象のコミュニケーション学習支援事業に関する要望
 当協会は地域の中途失聴・難聴者の組織と共に、地域での中途失聴・難聴者に対するコミュニケーション学習支援の改善を訴えています。しかし、中途失聴・難聴者のコミュニケーション学習に対する支援はほとんど実施されていない状況にあります。そのような中、東京都で現在実施いただいている中途失聴・難聴者対象のコミュニケーション学習支援の役割はきわめて大きなものがあります。東京都の中途失聴・難聴者対象のコミュニケーション学習支援の継続・拡充を改めてお願いします。

(1)中途失聴・難聴者対象の手話講習会をこれまで通り継続実施してください。
 前年度と同様の要望です。中途失聴・難聴者対象の手話講習会を30年以上にわたり実施いただいていることに感謝いたします。中途失聴・難聴者が自分自身のコミュニケーション手段として手話を学び、手話によるコミュニケーションが出来るようになることの意味は計り知れないものがあります。しかし、現在地域で実施されている手話講習会の多くはきこえる人が対象で手話通訳者の養成が中心となっており、中途失聴・難聴者が自らのコミュニケーション手段を学ぶ場とはなっておりません。中途失聴・難聴者が手話を学ぶためには、要約筆記などの聞こえのためのサポートが必要です。又、中途障害からの立ち直りのためには同じ障害を持ったもののピアー・サポートが欠かせません。高齢化社会の進展で、高齢難聴者も増えてきております。東京都中途失聴・難聴者手話講習会はこのニーズに対応いただいている非常に大切な講習会です。今後も東京都主催の中途失聴・難聴者手話講習会を継続・拡充いただくようお願いいたします。

(2)中途失聴・難聴者手話講習会の指導者養成を実施してください。
 前述のとおり、中途失聴・難聴者対象の手話講習会は、聞える人を対象とした、又通訳養成を目的とした手話講習会と異なった配慮が必要です。私たちに学習しやすい手話の講義と共に、講師・助手によるピアーカウンセリングが必要です。又、講師・助手のロール・モデルとしての重要性もあります。東京都の中途失聴・難聴者の手話講習会の充実、又地域での中途失聴・難聴者対象の手話講習会実施の基盤整備として、現在の東京都手話通訳者等養成講習会の指導者クラスに中途失聴・難聴者対象の手話講習会指導者養成コースを設けてください。

(3)中途失聴・難聴者対象の読話講習会などのコミュニケーション学習支援事業を充実してください。
 前年度と同様の要望です。手話学習と同様、中途失聴・難聴者にとって重要な読話によるコミュニケーション学習、補聴器の活用、ITリテラシー向上のための講習会は、学習ニーズは多いにもかかわらず地域での事業実施はなかなか進展しておりません。特に読話講習会は講師の確保など地域での実施が困難な面があります。現在東京都で実施いただいている読話講習会を今後も継続いただく様お願いします。
 その他補聴器の活用、ITリテラシー向上のための講習会実施についても、東京都の広域事業としての実施のための予算化をお願いいたします。
(続く)


ラビット 記



中途失聴・難聴者協会の予算要望項目(1)

2008年07月11日 10時10分50秒 | 福祉サービス
2009年度予算についての懇談会」要望

特定非営利活動法人 東京都中途失聴・難聴者協会

1 障害者施策への当事者参加に関する要望
  昨年、一昨年と同様の要望です。障害者自立支援法は、障害福祉計画の策定にあたって、市町村においては住民意見を反映するため必要な措置を講ずること、また都道府県においては障害者施策推進協議会の意見を聞くことを規定しております。残念ながら私たち中途失聴・難聴者の代表は、東京都障害者施策推進協議会に委員を出せておらず、東京都の障害福祉計画に意見を出す場を持っておりません。又、今年度予定されている「障害者の生活実態」調査の検討委員会にも参加が出来ていません。国連障害者権利条約にも規定されている通り、障害者に関する施策の策定には障害当事者の参加が非常に大切と考えます。つきましては、東京都の障害者施策の策定の場への私たちの参加、意見表明について最大限のご配慮をお願いします。

※手話を母語とするろう者と日本語を話せる難聴者、中途失聴者とでは違う障害という認識を持っていますか。

※同じ聴覚障害でありながら、お互いに話せない障害を持つことから、コミュニケーション方法の学習、障害受容に対する強烈な要求を持っていることを理解していますか。
(続く)


ラビット 記


都予算交渉と社会教育論レポート2回目

2008年07月11日 07時31分47秒 | 福祉サービス
080710-190326.jpg昨夜の東京都予算交渉は、初戦はまだ具体的打開を見いだすには至らなかった。

しかし、私たちの熱意と迫力のある訴えにより、福祉課長が必要があれば再度懇談の場を設けたいと言われたので、今後の折衝に含みを残すところとなった。
選挙の近い与党議員と制度を止めたい当局との駆け引き、真の難聴者のためのコミュニケーション支援制度の実現を目指す我々。
まだまだ運動は続く。

カナダにいる間にレポートを出さなければならなかったのが帰国してすぐに出すからと締め切り延長したのが昨日、休む間もなく次のレポートの締め切りが15日。朝4時半に起きて取りかかっている。

レポートの最後を見ると参考図書を読破しなければならない見たいで一夜漬けみたいにはならないのが厳しい。


ラビット 記




先に支援法ありきではない難聴者の現実が先←帰国後の家政学概論のレポート

2008年07月10日 09時15分27秒 | 福祉サービス
080710-063604.jpg国際会議直前にも社会福祉概論のレポートを学校に届けたがまた締め切り当日に書き上げるはめになって、学校まで渡してきた。
今日が東京都と協会の「懇談会」なので、対策を考えながら、レポートを書いていたのだ。

東京都との「懇談会」は難聴者、中途失聴者施策の充実を求める場としてかれこれ38年間続いてきた。東京都は今回初めて要約筆記の費用の負担を断ってきた。
その理由が東京都との懇談の場が政治にあたるので、東京都が定めたグループ派遣の規定に反するからというから噴飯ものだ。
第一、自治体は障害を持つ都民の要望を聞いて施策を作る義務がある。その聴覚障害を持つ都民の意見を要約筆記を付けないでどうするというのだ。
障害者自立支援法に東京都が要約筆記を派遣してはいけないとかましてや東京都が支援法外の費用弁償することは何ら問題がない。実際に、先週行われた別の障害者団体との懇談の場には要約筆記が付いて、東京都が用意している。

これで、東京にオリンピックを招致して、エコとバリアブリーがうたい文句というのはたちの悪い冗談だ。世界に恥曝しになる。


ラビット 記




西部カナダろう者・難聴者支援センターの外景

2008年07月08日 18時29分36秒 | 生活
080704-151023.jpg金曜日の午後に、見学してきた、「西部カナダろう者・難聴者支援センター」の外景。
昔は修道院の寮として使われていた建物を改築して使っている。
中は、小さな部屋がたくさん並んでいるのはそういうことだったのだ。
京都にあった聴言センターもやはり企業の従業員の寮を譲渡されて始まったのを思い出した。

大通りから静かな普通の住宅街の中に建っている。
こういう立地は、いかにも地域の中にとけ込んでいると思った。


ラビット 記
帰国後の成田エキスプレスから。




カナダにも、難聴支援センターのモデルが。

2008年07月08日 00時23分52秒 | 生活
国際会議の会場でたまたまスタッフの隣に座った方が「西部ろう者と難聴者のための施設」の職員だったので、彼女を通じて、施設を見学することが出来た。

1956年に出来た、WIDHH(Westeran Institute for The Deaf and Hard of Hearing)の特徴は幅広い支援サービス画用意されていることだ。通訳派遣サービスはコミュニティインタプリティング(地域生活通訳派遣)と医療通訳派遣サービスに分かれているが政府や地方の補助金があるので無料で受けられる。
カウンセリング・サービスと連携した雇用、就労支援、カウンセリング、複数のオージオロジストによる聴力検査と聴覚相談サービス、情報、各種機器の展示と提供を通じて、ろう、難聴者の自立の支援を図るとパンフレットにある。
雇用支援は、エクセルなどの一定のコンピューター・スキル、社会的なマナなどの習得をした後、スーパーバイザーの役割を持つ人が企業に同行し、仕事の内容などを説明し、雇用された後もコーチングもするということだ。

様々な支援サービスが一箇所で受けられるワンストップ・サービスだ。日本の聴覚障害者情報提供施設よりも幅広いサービスを提供する地域密着型の支援センターだ。ヒアリング(サービス)センターのモデルがカナダにもあった。

バンクーバーやカルガリーも含めた西部カナダ最大の労、難聴者支援施設と看板にあった。職員は30人もいる。案内してくれたカウンセラーはギャローデッド大で学んだろう者だ。通訳サービスのコーディネーター担当者もろう者だった。
受付の背後の壁には約1万人のクライアントのカルテがあって、驚いた。

経営は、詳しくは聞けなかったがNPOなので政府や地方政府の補助金や寄付などで運営できているとのことだ。

実際に見学できたのは大いに幸運だった。


ラビット 記


成人のための人工内耳リハビリテーション(2)

2008年07月07日 16時15分46秒 | 人工内耳
子供の人工内耳リハビリテーションは体系的なプログラムが開発されているのに対し、成人の人工内耳のリハビリテーションが進んでいない理由は、人工内耳をした人の年齢が幅広いことが、失聴してからの時期がまちまちなこと、残存している聴覚の状況などが、関係している。

スピーチでは、リハビリテーションプログラムの種類とか、それぞれの内容と特徴が説明された。
音読や家族や友人との会話をすることなどの聴覚リハビリテーションから、電話を聞く方法までの方法がある。

英語の字幕とパワーポイントのスクリーンが部屋の両サイドだったので、両方見ながら理解するのが困難だった。
後で、スピーチテキストとパワーポイントファイルを送ってもらうことにした。翻訳の許可を頂いたら、適切な方法で公開したいと思う。

人工内耳のリハビリテーションについては、確かに、自分の経験の範囲では不十分と思う。手術する前に手術のリスクや聞こえるまでに時間がかかることは説明されるが、その後のどのような方法で、どのくらいの時間をかけて人工内耳を使えるようにしていくのかのプログラム全体像が示されないこと、その時々の不安や調整についても具体的なフォローはないので、不安に感じてしまう。

病院によって、そのプログラムの有無や内容が差があるだろう。患者側からはその情報を事前に得ることは難しい。


ラビット 記


成人のための人工内耳リハビリテーション

2008年07月07日 04時26分01秒 | 人工内耳
7月4日、国際会議2日目、人工内耳のワークショップが開かれた。今回の会議参加の二つ目の目的がこのセッションを聞くことだった。

報告者は、ドナ・ソーキンさん。コクレア・アメリカの消費者担当副社長。全米難聴者協会SHHHの理事長を7年間務めた後、グラハム・ベル協会の理事長3年間、その後現職に。全米はもちろん、世界中で著名な難聴者の一人だ。16年前に人工内耳N22を装用して、最近新しい機種に交換したとのことだ。

90分間、パワーポイントのスライドを使って、ノンストップで話していたのは圧巻だった。
報告の内容は、子供のための人工内耳のリハビリテーションのプログラムはいろいろ開発され、普及しているが、成人のリハビリテーションプログラムは普及が遅れている。

以下続く


社会福祉の学習 レポートの投函と配達?

2008年07月01日 13時01分01秒 | PHSから
080628-111321.jpg0学校入り口80701-073006.jpg社会福祉概論、老人福祉論に続いて、今日が締切りの地域福祉論は人工内耳友の会の東京大会の日曜の朝に書き終え、駅前のポストに投函した。続いて、今日締切りのもう一つのコミュニティ論のレポートを朝までかかって終わった。

今日、投函すると明日着となって間に合わないので、出勤前に車で学校まで届けた。
未だ学校が開いていなかったが、受付の方に渡すと切手が無駄になっちゃうと受け取ってくれたので、他にもいるのかも知れない。

コミュニティ論のテキストは、この前のスクーリングで講義された奥田道大立教大学名誉教授が執筆されたものだ。
このテキストは、自分が若い頃に1週間で書き上げたものだと説明されていたので、奥付けをみると確かに20年前のだ。
しかし、内容は都市の変遷がどのように起こるのか、地域の行政と住民がどのような関係を持っているかで変化の内容も変わるとかいまに通じる問題も解説されている。

社会福祉になぜコミュニティ論が必要なのかよく分からなかったが、都市化の課程で、人口の減少、スラム化、公共施設の老朽化と機能不全などが起こると聞き、なるほど福祉コミュニティを実現するには都市の状況と無関係ではないし、逆に地域住民は都市化の影響を強く、受けていると納得した。

自分の居住地は、織物の街として栄え、絹の道が講習と横浜の間に出来、千人同心の街としての文化も残っている。一方、高齢化が進みながら、学園都市として人口の5分の1に及ぶ学生が集中する若い人が大井町でもある。郊外は団地が昭和50年代から開発され、一部は空洞化しているが新たにマンションや団地が引き続き建設もされている。
こうしたことを期して、提出した。

後は、7月5日締め切りの家政学概論がある。明日、成田からバンクーバーに出発するので、成田空港で書き上げるか、現地に着いてから投函するか。


ラビット 記