摂津国老朗おじさんのスローな日々

関西の四季を楽しむ老朗おじさんがゆるゆると瞑想しながら、植物観察と徘徊のスローな日々を楽しんでいます。

京都三尾(栂ノ尾、槇ノ尾、高雄)の秋

2022年10月31日 | 関西の四季

見出し画像は空海の硯石とされる大きな石。高雄 神護寺に至る長い階段の続く参道脇にあったで。


11月の第二木曜日、京都の三尾に行ってきた。デュークエイセスの唄「女ひとり」で知られた栂ノ尾、高山寺のあるとこやで。紅葉シーズンとあって京都駅前から臨時便のバスが出ている。立命館大学➡御室仁和寺➡周山街道経由のバスの終点、栂ノ尾で降りた。紅葉のグラデーションが見事木の葉に陽が当たるところは真っ赤に紅葉し、日陰の葉はまだ緑がみずみずしい状態。全山紅葉となるよりも朱・赤・橙・黄・黄緑・緑と変化するグラデーションが感動的に美しかった。すぐ下の中央の写真は槇ノ尾 西明寺の本堂に至る橋。左の写真は清滝川に架かる橋を見おろしているところ。
  

昼食後、高雄にたどり着いたら、三尾のゆるキャラ、高雄紅葉ちゃんが出迎えてくれた。仏教大学の学生さんと高雄保勝会のコラボで誕生したと言う。高雄の神護寺境内は広々として、犬の散歩をさせている人もいる開放的な雰囲気が嬉しかった。 ここでも紫がかった赤から緑までのグラデーションが見ものだった。言葉に置き換えるとしたら、紫➡赤紫➡緋色➡赤➡朱➡橙➡黄色➡黄緑➡緑かなあ。 色を表す言葉が正しくは実際にどのような色を指しているのか、俺にはいまいち自信がない。これだけ豊かな色彩に囲まれていながら、それを表す言葉が不自由だと思うね。なぜなら我々の使っている日本語では、明らかに緑の信号を青信号と言ったり、黒々と艶やかな髪をみどりの髪と言ったりするもんな。
そんなわけで色については言葉に自信が持てないでいる。せっかくきれいな紅葉を見た後でも、拙い表現で済ませるしかできないもんな 「高雄のもみじキレイやったで。ほんま良かったわ」なんてね。そこに写真を多用したブログやインスタの意味もあるのかも知れないけどね。
   

逆光の中で光り輝く紅葉。何て美しい。誰か上手に巧い言葉で表現して 

三尾を歩いて奈良公園のように鹿と出会うことはなかったけれど、シカによる食害は相当なものだと気付かされた。皐月(さつき)のように小さな木は喰われるために大きくなれないでいた。大きくなった木も樹皮を喰われないように網タイツのような金網を巻き付けられていた左の写真。喰われていなかったのは有毒の馬酔木ぐらいかな右の写真。
 

我らがリーダー斎藤先生によると清滝川の河原には鹿の足跡が一杯だったそうだ。獣害の懸念を除けば全体として良い印象の高雄 神護寺だった。最後にお見送りしてくれたのは迫力の鬼瓦と清滝川の水鏡に映った紅葉。ちなみに神護寺に鬼瓦1枚寄贈するにはたいへんなおカネがいるらしい。我々庶民の家の貧弱な瓦の百倍以上の重量と手間がかかっていそうだからね。
 

栂ノ尾から高雄 神護寺まで この日歩いたコースは 高雄保勝会の略地図を見ると良く判る。バス停などに置いてあったので、この地図を手にしながら歩いている人もおおぜいいた。ご参考までに。


次号では三尾で出会った紅葉以外の植物について話そう。乞うご期待

 

 





9月、雨の大原を歩いた

2022年10月31日 | 関西の四季

見出し画像はシュウカイドウ。多年生草本球根植物。湿地を好み繁殖力旺盛。大原の小径沿いに、いかにも小さな花が可憐に咲いて、花盛りだった。
三千院の東、川沿いの坂を上がった所に来迎院があり、更に川を遡(さかのぼ)っていくと音無の滝がある。地図を見てね。

  
9月、雨の大原を歩いた。日本列島全体が雨雲に覆われた一日だったようだね。
雲の画像、天気図ともに気象人による。
 
午前中は三千院の後の山の音無しの滝まで歩いた。

雨の音無しの滝 ここまで歩くのも結構ハードに感じたりして。歳には勝てないね。
午前中は酷い雨だった。

動画の最後、滝の下に出現したのは我らがリーダー斎藤先生。
動画中の地図は大原観光保勝会のもの。これが位置関係や距離感がつかみやすくて親切な良い地図だと思う。

お昼ご飯にしたら雨も止み、寂光院のある向かいの山の方もくっきりと良く見えた。そのあと突然、雨が降り出した。実光院では雨を好む苔やシダ類、ノキシノブ、サギソウなどが生き生きと精気を取り戻していた。



池に浮かぶ水苔と   ハイゴケ?
ゼンマイ               うろこゴケ?   杉苔
       

コウホネの実   水苔の仲間かな?
   
苔の種類は多くて、面白そうだがとても奥が深くて難しそう
コウホネは水中の地下茎が骨のように見えたからそう名付けられたとか

   日当たりの良い湿地を好むサギソウ                 鉢植えにすると恰好いい  
        
 
山野草として栽培に挑戦する人も多いらしいがけっこう難しいらしい。
自生地のサギソウの盗掘被害が多いらしいけど、園芸ルートでも大量に流通しているらしいからそちらから入手したほうが良い…何しろ環境省指定の準絶滅危惧種。多くの自治体が絶滅危惧種に指定、採集を禁じている。東京世田谷区では「区の花」に指定。
栽培は実光院さんのような玄人肌の方にお任せして我々はひたすら鑑賞するにとどめたほうが良さそうである。

 


保護猫も野良猫もよっといで

2022年10月26日 | 日記の補足

3年と何ヶ月か前に飼っていた柴犬が無くなった。
老人には犬の散歩がたいへん負担になる…と言う子どもたちの声に、猫を飼うことにした。でもね。猫の世話も結構たいへんなんだよ。犬は忠実で、夜の間はしっかり寝ている。それに反して猫はわがままで、夜中に騒いで飼い主を叩き起こしたりするねんで。
これがそのわがまま猫ラム。昼間は寝てばかりしている。夜中には必ず起き出して来て「いっしょにあそぼっ」と催促する。

これはたまらん。夜中の遊び相手にと、もう一匹野良猫を飼うことにした。ところが…またまたこれが当て外れ。警戒心旺盛で部屋の隅にうずくまって出てこない。先住民の猫が遊びに誘っても隠れてしまう始末。今となっては、二匹の猫が仲良くなるのを気長に待つしかないんだよね。
そんなこんなで、犬は良かったなあと思っている。先日も、知人が飼い始めた犬を京都まで見に行ったりして「柴犬はいいなあ」と郷愁に浸っている。

【2022年保護猫も野良猫も血統書付きもよっといで】
動きまわる犬の後に出てくる猫が、物陰にうずくまっていたころの元野良猫のジイジ。
警戒心100%全開の大きな目をしてるのがわかる?
最近では次第に家猫の暮らしに慣れて、人間との友好関係を持ち始めたけどね。


 

 

 

 

 


今となっては夏の太陽が懐かしい

2022年10月22日 | 関西の四季

10月も半ばを過ぎると朝夕は急に冷え込んできたね。うっかり薄着のままでいたら、クシャミをしたり鼻水を垂らしたりして、コロナ禍の昨今、「人びとの冷たい視線」にさらされる。
耐えに堪えた暑さの夏だったが、今となっては向日葵や太陽が懐かしい。
見出し写真は万博公園。 向日葵フェスティバルのモネの向日葵。
モネの絵を何枚も見たわけではないけれど、私の頭の中のモネのイメージとピッタリ合ったので大いに感心したものだった。


マティスの向日葵も一見した雰囲気がまさにマティス!感性豊かな人が品種改良を重ねて、マティスのイメージにピッタリの向日葵を作ったんだろうな。


何年ぶりかに観たミソハギ。真夏の水辺を探せば見つけやすいみたいだ。
カミキリムシにやられ、一時期弱っていたカリンも見事に復活。今年はたくさん実をつけた。涼しくなった今ではすっかり花を落とした百日紅もこの頃は元気だったな。

毎年、秋から冬に切り戻しと植え替えをして我が家のベランダの女王格となったブーゲンビリア。見事に咲き誇った。世話をすれば必ずそれに応えてくれる忠実な女王だ。


同じく我が家のベランダで、次々と実をつけたオクラは真夏の太陽の恵み。早めに収穫しないと、すぐに巨大化して食べられないほど固くなったりした。


今年はオクラ、胡瓜、ナスのほかに冥加もたくさん採れた。久しぶりに植え付けたサツマイモも無事根付いたようで収穫が楽しみだ。



秋の七草

2022年10月20日 | 関西の四季

 長くて暑い夏がやっと終わった。公園の木陰にタマスダレの群落が姿を見せると、わが街にも秋が来たという気になる。しかし今年はタマスダレが咲いた後も、しつこく暑かったよなあ。見出し写真はそのタマスダレ。8月26日撮影。
 ここで秋の七草についてひとこと。昔から言われている秋の七草には猛暑・酷暑の頃から咲きはじめるのもあって、少し違和感と言うか、ずれを感じるよな。季節の上で8月から10月を秋というのは、衣服の調節やエアコンの設定から見た季節とは違ってくるので、つい抵抗を感じてしまう。極寒の1月を新春、雪のチラつく寒い2月を早春と言ってもちっとも抵抗を感じないのにな。進行する地球温暖化と夏の猛暑に苛立っているのかもしれない。
1.まずはオミナエシ。万博公園の一角に「夏の花八景」という名称とは裏腹に少々うら寂しいところがある。そこの「夏風テラス」と言うところに毎年オミナエシが人知れず盛大に咲く。今年の真夏8月上旬のこと、汗まみれになって行ったら期待通り咲いていた。それでも秋の七草と言う。

2.次はクズ(葛)。クズは繁殖力旺盛で線路わきや堤防その他で夏の間、大いにはびこる。花は8月9月の秋に咲くとウィキペディア(Wikipedia)にあった。ウィキペディアの記事にも日本古来の秋の七草と言うことばに遠慮した気配があるな。私の印象ではうだるような暑さの夏に元気のいい奴だけどね。この写真を撮ったのも8月上旬だった。琵琶湖の見える空き地に元気一杯蔓延(はびこ)っていた。花弁がマメ科の花らしい形をしている。

3.ナデシコ 清少納言に「草の花はなでしこ」と称えられた。ナデシコジャパンなど女子サッカーチームの名に付けられたりして、日本女性の枕詞にもなっていて誠にめでたい。昔から馴染みのなるカワラナデシコの他、セキチクなど四季咲きのものも多くて、今では秋の七草と言われてもピンとこないな。我が家のプランターでナデシコが綺麗に咲いたのも5月中旬ごろやったな。大阪の夏の猛暑を乗り切ることが出来なかったので、残念ながら秋の七草どころではなかった。近頃の温暖化現象で、秋には枯れてしまうこともしばしばある。

4.ハギ。ハギを秋の七草と言うのは花期とも良く合い、その名にふさわしい。どことなく繊細な感じがありながらも、強く逞しい。ハギの中でも元気の良い奴は真夏からでも咲いていることがある。この写真は9月16日に京都府宇治市の三室戸寺で撮った。三室戸寺は梅雨時の紫陽花、真夏の百日紅も綺麗なところやったな。もう一度行ってみたい。花の寺と呼ぶにふさわしい。

5.キキョウ 秋の七草の中でもキキョウには高貴な雰囲気がある。しかも丈夫で今日のような逆境にあっても季節を間違えない。明智光秀の紋所だったというのも良い。悲運の智将の清々しさを感じる。写真のは我が家の鉢。9月になってからは毎日、咲いている。


6.フジバカマ クズやハギと同様に野草並みの生命力を誇り、放置していても毎年同じところに顔を出し、同じ季節に花を付ける。キク科の多年草。しぶといイネ科の野草をも駆逐して縄張りを広げる勢いを見せる。頼もしい奴。

7.ススキ 奈良県の曽爾高原は今頃ススキが見頃やろな。行ってみたいな。ご近所神崎川の河川敷はススキがいつのまにか無くなって、同じイネ科でもセイバンモロコシのような奴が我が物顔に蔓延(はびこ)っている。たくましい奴だとは思うのだが、あまりにも蔓延りすぎて小憎らしい。悪いけど愛情を感じない。ススキが風に群れるさまの方が風情があるもんな。わが街ではそのススキと出会うことが困難になっている。少し寂しい。
写真は三室戸寺付近の路上で出会ったススキ。