今週も青春18切符の旅は続く。何しろ9月10日限りでこの切符は使えなくなるからだ。
9月9日は朝早く大阪を立って、丹波路快速に乗り福知山線経由(丹波篠山廻り)で舞鶴へ。1日あたり2,410円で、何回でも途中下車可なのが嬉しい青春18切符。何故って、こんな場合通例、普通列車は目的地まで直通では言ってくれないもんな。この日も丹波路快速の終点福知山駅で、次の舞鶴線東舞鶴行が出るまでは約50分あったので、ウォーキング目的の途中下車。明智光秀の居城だったことで知られる福知山城を見に行った。行きは徒歩約25分。帰りはタイミングよく駅までのバスに乗った。途中下車を上手くやるにはバスの時間をこまめにチェックすることが肝要。
旨い具合に、東舞鶴行の電車がやって来た。舞鶴線も小浜線もとうの昔に電化されていたんだね。遠い昔、家族旅行で丹後・若狭を旅したときは東海道・北陸線以外はすべてディーゼルかSLやったけどな。あれから60年以上経っているもんな。
京都・亀岡廻りと比べて尼崎・福知山廻りとどちらが早く舞鶴に付くのか。今のダイヤではどちらとも言えないのが現実。上の路線図を見てもわかるやろ。
さて、目的地の舞鶴について。見出し写真は舞鶴市役所。俺にとって舞鶴はかつて興安丸や白山丸などの引き揚げ船が入って来た港である。ラジオニュースで聞いた引き揚げ者たちとそれを迎える家族の悲喜こもごもの様子は「尋ね人」で肉親を捜すNHK放送と共に今も耳に残っている。敗戦とそれに続く離散の悲劇は未だ生々しい記憶中にある。そんな「岸壁の母」でイメージされる舞鶴へ行ってみたいと思ったのだ。
当初はまず東舞鶴駅前でバスに乗り、引き揚げ記念館へ行く予定だった。ところが、世俗的な凡人の俺は急に日本海の岩ガキとサザエが食べたくなって、学習を放棄して予定変更。先に西舞鶴で下車し、舞鶴港とれとれセンターへ行くことにした。
有難いことに列車とバスが上手く繋がっていて、舞鶴港とれとれセンターまでは順調に行けた。バス代200円。ここで鯖寿司、サザエ、岩ガキと海の幸を堪能した。
次に舞鶴に来たときもここには必ず来よう。
お腹いっぱいになった後、バスとJRを使って東舞鶴地区へ移動。赤レンガパーク付近を散歩した。海上自衛隊のでっかい護衛艦に威圧される思いがして、港めぐり遊覧船にも乗らず、赤レンガ博物館にも行かずに早々に引き上げて来た。今にして思えば、時間をうまくやりくりすれば遊覧船に乗れないこともなかったのだ。次回は港めぐりにも挑戦しよう。
赤レンガパークは旧海軍舞鶴鎮守府が開かれたころに海軍が建設したレンガ建造物の名残りである。引き揚げ船で知られた舞鶴は海軍のおかげで潤った街でもあったのだ。
炎天下のウオーキングにも疲れたので、今回は引き揚げ記念館へ行くのは取り止め。次回この地へ来たときのお楽しみに取っておくことにした。特急まいづる10号(14:28発京都行)に乗ってさっさと帰ろうかとも思ったが、それではコスパの優れた旅をするという今回のもう一つの趣旨にも反するので、1時間後の普通列車(15:22分発綾部行)まで待合室で時間待ちした。テレビもパソコンもないので図書館代わりの待合室は、手持ちの本「司馬遼太郎の時代」(中公新書)に集中できて良かった。
今回の青春18切符の旅はJR利用分で3,080円分お得だった。昨年運転免許を返上した俺の旅は、もっぱら地球環境にやさしい電車とバスに頼っているのである。