摂津国老朗おじさんのスローな日々

関西の四季を楽しむ老朗おじさんがゆるゆると瞑想しながら、植物観察と徘徊のスローな日々を楽しんでいます。

巣ごもり&ときどきミニ散歩

2020年05月28日 | 関西の四季

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてずーっと巣ごもりしてきた。
巣ごもりの友は図書館で借りて生きた本が一番安上がり。特にドストエフスキーが長くて手間がかかって今の時期にうってつけ。見出しページは「カラマーゾフの兄弟」のミステリーカット版。頭木弘樹著。原作のミステリー部分をエッセンスにしたみたいで読みやすくて面白い。
  

亀山郁夫訳の「カラマーゾフの兄弟」を読んだ後に読んで、新解釈みたいで面白かったな。逐語訳のような本も良いけれど、大胆に訳者の解釈や脚色を加えたいわば現代風新解釈みたいな作品がもっと世に出てもいいと思うね。黒岩涙香の「ああ無情」とか「巌窟王」などはそれだけで名作やったんと違うか。「カラマーゾフの妹」は高野史緒著でこれも斬新な現代風解釈でワクワクしたな。

「カラマーゾフの兄弟」の次は「悪霊」を読もうと意気込んでいたら、非常事態宣言に次いで図書館が閉館になり、長期にわたって貸し出しさえもままならなくなり出鼻を挫かれてしまった。カフカの「ペスト」とかも読みたかったけど入手困難。DVDの「ベニスに死す」も予約順番待ちが膨大でどうにもならない。
そんな時には松本清張。清張さんの文庫本は今でも古書店、新刊書店を問わず健在だから手に入れやすくて助かった。「点と線」「砂の器」etc…取り上げているテーマは、どれも今の日本とほとんど変わってへんのや。「点と線」に出てくる課長補佐が死に追いやられる運命には泣かされるな。
何というか…汚職とごまかし。権力の私物化。汚濁に満ちた中央官庁。疫病と偏見の蔓延する中で翻弄される無力な個々の人間…何十年も昔の「砂の器」に登場した疫病の親子連れの姿も…コロナに脅える人びとの前に大きな課題を抱えて、まさに今の現代の人間と二重写しみたいな迫力があるなあ。
悩みが大き過ぎるような気がする時には寝る前に「絶望名言」を読んだらよい。きわめて深い絶望は…かえって深い落ち着きと安らぎをもたらす。推理小説や国会中継の毒気にあてられてすぎて眠れなくなりそうになったら…「絶望名言」をひも解こう。
閑話休題。ここで四月から五月の花を見る。
氏神さんの境内に咲く八重桜。


氏神さんの石畳に咲くキュウリグサ。初夏の訪れを告げる可憐な野草。葉っぱを揉むと胡瓜のような匂いがするらしいで。

河原を吹く風に揺れるポピー。


同じく風に揺れる矢車草


オリーブの白い花が咲いた
 ➡ 定家カヅラの可憐な花も➡ 芍薬の美しくも儚(はかな)い花
                芍薬は豪華だけれど花期が短く誠に儚い
   

ある日のこと、不要不急でなくて火急非常の重要な用事が出来て特急列車に乗る羽目になった。
さて駅も自粛ムードたっぷりで駅弁などどこにも売っていなかった。そこでドライブスルーのお弁当を買って昼食代わりにした。
これが意外!見た目も食べた味もなかなかのものだった。

車窓から見える麦秋と田植えの風景もなかなか風情があった。

東京一極集中のいびつな日本。その中で北陸新幹線が敦賀や京都に伸びてくることは、関西のためになるのか?ますます東京一極集中を激化することになるんと違うかな。ふと思った。


こんな時代のあり様も、身の回りの思い通りにならないことからも眼をそむけずに、しっかり目を凝らして視ていればいつか良い方向に解決することもあるやろう。過度に落ち込んだりせずにしっかり一歩一歩身の回りのいろんなことを観察しよう…と思った。