ラニーニャ現象が観測されたとかで、今年から来年にかけての冬は寒くなりそうだといわれている。木枯らし一号はとうの昔、10月23日に吹いたしね。それでもぽかぽかと暖かい冬日和の中で四季咲きのバラは元気に咲いている。シャクナゲなどはさっさと春の準備に取り掛かり、蕾を膨らませている。
見出し写真は冬のハナワラビ。フツーの蕨(わらび)とは違って、春先ではなく冬にこんな姿を見せるので寒蕨(かんわらび)とも言うらしいで。
高野山壇上伽藍の木陰では、11月初旬からツルリンドウ(リンドウ科多年草)が赤い実を付けていた。
木陰の中はシダ植物や地衣類にとって暮らしやすい環境らしいね。
11月の高野山で見たシダ植物、冬のハナワラビ(ただしワラビによく似ているけれど食用になるワラビの仲間ではない。干して煎じて漢方薬に使われる腹痛や下痢に効く←参照:岡山県倉敷市の重井薬用植物園のHPより)、
そのお隣は地衣類のサルオガセ、ウメノキゴケ
ウメノ木ゴケは空気の清浄さを示す植物でもある。都会で廃棄ガスの漂うようなところでは出現しない。サナトリウムの立地にも適しているような適度に湿気があって空気が清浄なところがウメノキゴケのお気に入りである。
ウメノゴケの出現しない街のど真ん中けど,季節風の吹く日など思いのほか清浄感のある大阪の夕暮れ。しばし見惚(みと)れて、上町台地などが昔から夕陽の名所だったのもうなずける。
空気の澄んだ秋は天体を見るのに適した良い季節。11月8日は月と金星が大接近。見かけの上だけど良い眺めだった。左は俺が震える手でスマホを支えながら撮った写真。右はネット上に公開されたアストロアーツの写真。やっぱりプロは違うな。雲泥の差とはこのことやな。脱帽。次回の月と金星の大接近のときには三脚を用意して更なる質の向上を目指します。
右からStela Theater Liteで見ることのできる11月8日午後6時ごろの大阪の夜空。肉眼では月と金星のほかには木製ぐらいしかわからなかったけど、「あれは土星だったのか」とか南斗六星のあるあたりに金星が見えているのかとか、南の島か信州の山上に行った時のように星がきれいに見えて、感動した。これをITによる疑似体験というのかな。その隣は国立天文台のNAOJニュースのサイトより見た月と金星の接近の様子。西の空低く夏の女王・さそり座のアンタレスが沈もうとしているのが見えて楽しい。さて今日11月19日は大きな部分月食が見られるかもしれない。そのことを報じている国立天文台のNAOJニュースのサイト。このサイトは天文ファンにはお勧め。
天の星を見たら、次は地に咲く花。11月上旬まで元気だった千日紅。
シオンか、ノコンギクかヨメナか。俺には違いが判らない。要するに野菊。
その隣はサフランモドキ。ヒガンバナ科の花らしい。
11月も3日を過ぎると万博公園のコスモスも寂しげになっていた。今年はハナミズキの紅葉が鮮やかで美しい。
たわわに実った柚子。今年は豊作。
コロナ禍も次第に収まる気配。テレビでやかましく言わないから多分、大阪の医療崩壊も何とか回避できたのかな?もうええやろ。じゅうぶん我慢した。昨日11月4日、巣ごもりをやめて、高野山に出かけた。趣味が植物観察のメンバーにもずっと会っていなかったから、もう寝寝込んでるやろうと思われてたかもしれない。南海電車に乗るのも2年ぶりかな。
久しぶりに遠出をしたら何もかも新鮮で元気が出てきた。見出し写真は壇上伽藍の笛を吹く天女。(と思う)
南海電車発売のデジタル切符がかなりお得だった。前夜スマホで買い込んではみたがQRコードの読み取りがやや苦手なので電車やバスの改札を無事通れるのか、ひやひやの初体験やった。無事、電車➡ ケーブルカー➡ バスと乗り継いで、女人堂前で高野山のマスコットこうやくんと会えた時は懐かしさと達成感とで思わず笑顔が出た。すっくと立つ高野槇も懐かしかった。シャクナゲが花のつぼみを付けてもう来年の春に備えていた。豆ツゲの葉っぱは小さくて可愛いい。「嫁の皿」と言われていたそうで、その言葉にはえげつない意地の悪さが感じられるけれども、実際の豆ツゲはひたすら可愛らしかった。
金剛峰寺前から壇上伽藍へ行く道の紅葉は今年一番乗りの出来栄え。色といい艶といい、人びとのマナーといい、どれも素晴らしかった。この穏やかな時間がいつまでも続いてほしいと思った。コロナ禍よさらば!
青い空。白い雲。真っ赤なもみじ。馬酔木の葉の緑。人びとの賑わい。
壇上伽藍の中で横笛を吹く天女。天井の調べが聞こえてきそう。天女も仏さまも今どきのテレビタレントみたいに痩せてはいない。ゆったりとふくよかなのがええなあ。