あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

おすそ分け

2010-06-04 | 日記
最近、物をもらうことが多くなった。
先ずは先々週、家に長くおいてあったほうじ茶を飲みきった次の日、妻が知人からほうじ茶をもらってきた。
ボクは普段は緑茶を飲むが、それが無くなるとほうじ茶や玄米茶を飲む。
去年実家から送ってもらった新茶が無くなり、ほうじ茶を飲んでいて、無くなったとたんに人からもらう。
こういう偶然がある時は、自分が良い状態である時と考えている。
さらに同じタイミングで妻が緑茶をもらってきた。
類は友を呼ぶ、ではないが先週は知人から新茶が送られてきた。静岡の八十八夜の新茶である。
さらにさらに実家から新茶がどっさり送られてきた。
うちの父は「安いお茶をたくさん送ってくれ」と頼むと高いお茶をどっさり送ってくる。そういう人だ。
おかげでうちの食材庫のお茶コーナーはかなり充実した。
ありがたや、ありがたや。

昨日はYさんが卵と自家製パンを持ってきてくれた。
卵は放し飼いの鳥の産みたてである。
卵も切れてきてそろそろ買おうかな、と思っていたところだ。
さっそくもらったばかりのお茶をご馳走した。
「美味しい!最近、お茶が美味しいと思う年代になりました」
彼女はボクと同世代だ。
「それなら、お茶を持っていって。たくさん貰ったから」
「わあ、うれしい。聖さん、お茶がらはどうしてます?」
「どうしてるって・・・普通にコンポストに入れてるけど」
「私はパンを作るのに、少し混ぜたりするんですよ。そうするとちょっと香りが良くなるんです」
「ああ、じゃあ是非とも使ってください」
お茶もこういう使われ方をされたらうれしいだろう。
お昼ご飯は出来たて納豆と産みたて卵の卵かけご飯。マズイわけがない。
「くーっ、ウマイ!」感動を1人で噛みしめる。
人からいただいた物を自分の所だけで独占せず、喜ぶ人にも分け与える。
大地からの物はみんなで。そうやってエネルギーは廻る。
おすそわけ。良い言葉だ。

ボクは人から物をもらうことが好きだ。
ブラウニーは自分で撃ってきた鹿肉をくれるし、レネの家からはクルミとか自家製ドレッシングをもらう。
先日は友人からウニをどっさり貰って豪華なウニ丼にした。
アイバンが自分で潜って獲ってきた伊勢エビやアワビを貰った事もあった。
ウマイ物ばかりだ。
家に招かれて食事をご馳走になることもある。
物だけでない。気とか愛と言った目に見えない物をもらうこともある。
人から貰うことも好きだが、人にあげることはもっと好きだ。
自分が作ったものが喜ばれると、どんどんあげてしまう。
見返りは期待しない。
人に何かを期待をすれば、そうならなかった時に傷つくのは自分である。
それなら最初から何も期待しなければ傷つくこともない。
シンプルじゃないか。
それよりも喜ぶ笑顔、特に子供が喜ぶ顔。
これだけで充分であり、これこそが一番大切なことだ。
こういうことをやってると、不思議に『イヤなヤツ』が寄ってこない。
「もらっちゃった。しめしめ。得したな」とか「自分には必要ないけどタダなら貰う」というような人がボクの周りにはいない。
それより、素直にシンプルに喜んでくれる人にボクは囲まれている。

ギブアンドテイクという言葉がある。
広辞苑にはこう書いてある。
『(与え、そして、取るの意)公平なやりとり。自分から相手に利益を与え、その代わりに自分も相手から利益を得ること。譲り合うこと。歩み寄り。初めは主に貿易に言った。』
これはエネルギー(物やお金だってエネルギーの一種である)の交互通行である。
二人もしくは二つの集団の間で行われる物だ。
お互いに納得した上で、与えそして受け取る。
二人だったらシンプルでいいだろうが、考えてごらん、三人もしくは三つの集団になったらどうだろう。?
損得勘定が働いて結構難しくなると思う。
まして四人、五人、百人となっていったら?
無理です。

確かに貿易が始まった頃にギブアンドテイクというのは必要だったのだと思う。だがその時代は終わった。
『その代わりに』この言葉がくせ者だ。見返りを期待している。
エネルギー(物でも金でも気でも)は人から人へ廻さなければならない。
もちろん頂き物のお礼をするのは当然のことだが、与えてくれた人にだけお返しをすれば良いって事ではない。
次の人へ廻し、さらにそこから次へ、そして次へ。自分の知らない所までも。
感謝の気持ちと共にエネルギーは廻る。
そしてそのエネルギーはいろいろな形で自分の所へ還ってくる。
還ってきたらまた廻す。この繰り返しだ。

自分の所だけでなく、その喜びを人と分かち合う、おすそ分け。
日本語ってなんて美しいんだろう。
コメント (2)
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