旬の魚
2018-06-03 | 食
秋から冬へ向かう時期である。
木の葉っぱが黄葉して落ちたり、日が短くなったりして季節の移り変わりを人は知る。
僕の場合はさらに胃袋でも知る。
今年はフィジョアがよく実をつけた年だ。
我が家のフィジョアもいくつか実をつけたし、友達の家からもたくさんもらった。
犬の散歩の途中では落ちているフィジョアを拾って来る。
ちなみにフィジョアとは南米原産のフルーツで、寒さに強いのでニュージーランドでも育つ。
日本では見た事が無い。
味はバナナとパイナップルの間というようなものだ。
他にいい例えを知らない。
卵ぐらいの大きさで色は緑色。
皮をむくと中はクリーム色で、熟すと中心はゼリー状になる。
甘さと酸っぱさが程よくバランスされ、僕の大好きなフルーツである。
この実が旬なのもこの時期、店に出回るのも2~3ヶ月ぐらいのものだ。
前回に作ったパン粉を冷凍保存しておいたのでそれで白身魚のフライでもしようかと魚屋に出向いた。
お目当てはホキという魚である。
日本にも輸出していて、日本の弁当屋でよくある、のり弁に乗っかっている白身魚のフライ。
あれがホキである。
身は柔らかく、塩焼きや酒粕漬けにしたが身が崩れてしまいダメだった。
ホキはフライに限る。
魚屋でホキがあるか聞いた。
「ホキが好きならこいつはどうだ?この時期だけしか捕れない魚だよ。味はホキにそっくりだから旨いぜ」
見るとハケと書いてあり値段はホキより多少高め、身もホキより一回り大きい。
そうかあ、物は試しだし買ってみるか。
後は何か青魚はあるかな。
おおお、鯖があるぞ!
ショーケースの中には鯖が2匹、目も黒くて新鮮そうだ。
白身魚のフライもいいが、鯖フライも捨てがたいぞ。
新鮮なヤツならしめ鯖にすれば1週間ぐらいもつな。
そうだ、鯖の味噌煮も忘れてはいかん。
これなら鯖尽くしだ、と興奮して2匹も買ってしまった。
鯖の生き腐れという言葉があるぐらい、鯖は鮮度が落ちるのが速い。
帰ってすぐに調理を始める。
鯖特有の模様が美しい。
先ずは3枚に下ろし、背骨やしっぽのアラの部分は塩をまぶす。
塩にまぶすと臭みが抜けると、土井勝の本に載っていた。
捌いてみたら、とても新鮮で身がコリコリしてる。
これなら刺身でも食えるな。
刺身用、味噌煮用、フライ用、しめ鯖用に切り分ける。
しめ鯖はまず塩をたっぷり降り時間をかけ水分を抜く。
塩は当然ながら海の塩。
ここでケチって精製塩など使ったらダメだ。
塩は数ある調味料の中でも一番大切なものなのだ。
3時間ぐらいおいて、塩を綺麗に洗い流し、水分をきれいにふき取る。ここがポイント。
あとは三杯酢に浸し、昆布ではさむ。昆布締めである。
アラはやはり洗い流し水気をふき取り、水から昆布と大根と一緒に煮て汁を作る。
味付けは塩のみ、香り付けに頂き物のユズを少々。
味噌煮はだし汁に下味をつけ煮出したところに切り身をぶち込む。
味噌は後から入れるのがコツ。
なんで鯖と味噌ってこんなに相性がいいんだろう。
同じ青魚でも鯵、鰯、秋刀魚、とは違う独特の味がしょうがを効かせた味噌だれに絶妙に合う。
ああ、日本人に生まれてよかったあ。
火を通すものは翌日以降でもいいが、刺身は鮮度が命。
その日の晩飯は澄まし汁と鯖の刺身と味噌煮。
身はコリコリとして、何といっても脂が乗ってる。
ニュージーランドでも秋鯖は旨いのだなあ。
これぞ旬の味。
青魚の脂にはDHAだかNHKだかGHQだか忘れたが、なにか良いものが含まれるという。
旬のものを食っていれば病気にもならない。
野菜でも魚でも肉でも、旬の物には科学云々でなく人間を健康にする何かがあると思う。
娘も旨い旨いと食う。
子供が健康的で本当に旨い物、それも自分で作ったものをモリモリ食うのを見るのは嬉しいものだし、それが親の役目でもある。
その翌日はフライの日。
鯖の尻尾に近い部分、そして魚屋のオヤジお勧めのハケ。
衣をつけるしばらく前に塩を降り、でてきた水分を綺麗にふき取って衣をつける。
一緒に揚げるのは玉ねぎのフライ。
さてそうやって揚がり、気になるなるお味は。
鯖は想像通りの味。熱々が旨く、冷めたら魚臭さが出るかもしれん。
でもやはりウマイぞ。
そしてハケ。
これは絶品だ。
ホキをもっと上品にしたような味である。
そうか、これがハケか。
今まで売っているのを見た事はあり手は出なかったのだが、魚屋のオヤジの言葉に従ってよかった。
やるなオヤジ。
どうやら季節の魚らしいし、次の機会もハケがあるかな。
こうやって食生活は広がっていく。
さてしめ鯖である。
刺身で味わうのと違う味わいがある。
天然塩で締めただまろやかな塩味、そして酢と昆布につけこんだ風味、そこに脂の乗った秋鯖。
養殖物ではない天然物の旨みがそこにある。
庭の温室のシソがそろそろ終わりかけなので、花穂を摘んでしめ鯖の上にぱらり。
もうたまりませんな。
さらにさらに、贅沢に厚めに切って焙ってしまおう。
旨い物を食う為には人間色々な知恵が廻るものだ。
ガスバーナーで表面を焦がすが、厚く切ってあるので中は生のまま。
これがもう、絶品中の絶品。
ああ、日本酒が欲しくなるな。
こんな時に、全黒の蔵が近くにあったらいいのに。
自分で造った物を自分でウマイウマイと食って、我ながら幸せ者だなと思う秋の宵なのだ。
木の葉っぱが黄葉して落ちたり、日が短くなったりして季節の移り変わりを人は知る。
僕の場合はさらに胃袋でも知る。
今年はフィジョアがよく実をつけた年だ。
我が家のフィジョアもいくつか実をつけたし、友達の家からもたくさんもらった。
犬の散歩の途中では落ちているフィジョアを拾って来る。
ちなみにフィジョアとは南米原産のフルーツで、寒さに強いのでニュージーランドでも育つ。
日本では見た事が無い。
味はバナナとパイナップルの間というようなものだ。
他にいい例えを知らない。
卵ぐらいの大きさで色は緑色。
皮をむくと中はクリーム色で、熟すと中心はゼリー状になる。
甘さと酸っぱさが程よくバランスされ、僕の大好きなフルーツである。
この実が旬なのもこの時期、店に出回るのも2~3ヶ月ぐらいのものだ。
前回に作ったパン粉を冷凍保存しておいたのでそれで白身魚のフライでもしようかと魚屋に出向いた。
お目当てはホキという魚である。
日本にも輸出していて、日本の弁当屋でよくある、のり弁に乗っかっている白身魚のフライ。
あれがホキである。
身は柔らかく、塩焼きや酒粕漬けにしたが身が崩れてしまいダメだった。
ホキはフライに限る。
魚屋でホキがあるか聞いた。
「ホキが好きならこいつはどうだ?この時期だけしか捕れない魚だよ。味はホキにそっくりだから旨いぜ」
見るとハケと書いてあり値段はホキより多少高め、身もホキより一回り大きい。
そうかあ、物は試しだし買ってみるか。
後は何か青魚はあるかな。
おおお、鯖があるぞ!
ショーケースの中には鯖が2匹、目も黒くて新鮮そうだ。
白身魚のフライもいいが、鯖フライも捨てがたいぞ。
新鮮なヤツならしめ鯖にすれば1週間ぐらいもつな。
そうだ、鯖の味噌煮も忘れてはいかん。
これなら鯖尽くしだ、と興奮して2匹も買ってしまった。
鯖の生き腐れという言葉があるぐらい、鯖は鮮度が落ちるのが速い。
帰ってすぐに調理を始める。
鯖特有の模様が美しい。
先ずは3枚に下ろし、背骨やしっぽのアラの部分は塩をまぶす。
塩にまぶすと臭みが抜けると、土井勝の本に載っていた。
捌いてみたら、とても新鮮で身がコリコリしてる。
これなら刺身でも食えるな。
刺身用、味噌煮用、フライ用、しめ鯖用に切り分ける。
しめ鯖はまず塩をたっぷり降り時間をかけ水分を抜く。
塩は当然ながら海の塩。
ここでケチって精製塩など使ったらダメだ。
塩は数ある調味料の中でも一番大切なものなのだ。
3時間ぐらいおいて、塩を綺麗に洗い流し、水分をきれいにふき取る。ここがポイント。
あとは三杯酢に浸し、昆布ではさむ。昆布締めである。
アラはやはり洗い流し水気をふき取り、水から昆布と大根と一緒に煮て汁を作る。
味付けは塩のみ、香り付けに頂き物のユズを少々。
味噌煮はだし汁に下味をつけ煮出したところに切り身をぶち込む。
味噌は後から入れるのがコツ。
なんで鯖と味噌ってこんなに相性がいいんだろう。
同じ青魚でも鯵、鰯、秋刀魚、とは違う独特の味がしょうがを効かせた味噌だれに絶妙に合う。
ああ、日本人に生まれてよかったあ。
火を通すものは翌日以降でもいいが、刺身は鮮度が命。
その日の晩飯は澄まし汁と鯖の刺身と味噌煮。
身はコリコリとして、何といっても脂が乗ってる。
ニュージーランドでも秋鯖は旨いのだなあ。
これぞ旬の味。
青魚の脂にはDHAだかNHKだかGHQだか忘れたが、なにか良いものが含まれるという。
旬のものを食っていれば病気にもならない。
野菜でも魚でも肉でも、旬の物には科学云々でなく人間を健康にする何かがあると思う。
娘も旨い旨いと食う。
子供が健康的で本当に旨い物、それも自分で作ったものをモリモリ食うのを見るのは嬉しいものだし、それが親の役目でもある。
その翌日はフライの日。
鯖の尻尾に近い部分、そして魚屋のオヤジお勧めのハケ。
衣をつけるしばらく前に塩を降り、でてきた水分を綺麗にふき取って衣をつける。
一緒に揚げるのは玉ねぎのフライ。
さてそうやって揚がり、気になるなるお味は。
鯖は想像通りの味。熱々が旨く、冷めたら魚臭さが出るかもしれん。
でもやはりウマイぞ。
そしてハケ。
これは絶品だ。
ホキをもっと上品にしたような味である。
そうか、これがハケか。
今まで売っているのを見た事はあり手は出なかったのだが、魚屋のオヤジの言葉に従ってよかった。
やるなオヤジ。
どうやら季節の魚らしいし、次の機会もハケがあるかな。
こうやって食生活は広がっていく。
さてしめ鯖である。
刺身で味わうのと違う味わいがある。
天然塩で締めただまろやかな塩味、そして酢と昆布につけこんだ風味、そこに脂の乗った秋鯖。
養殖物ではない天然物の旨みがそこにある。
庭の温室のシソがそろそろ終わりかけなので、花穂を摘んでしめ鯖の上にぱらり。
もうたまりませんな。
さらにさらに、贅沢に厚めに切って焙ってしまおう。
旨い物を食う為には人間色々な知恵が廻るものだ。
ガスバーナーで表面を焦がすが、厚く切ってあるので中は生のまま。
これがもう、絶品中の絶品。
ああ、日本酒が欲しくなるな。
こんな時に、全黒の蔵が近くにあったらいいのに。
自分で造った物を自分でウマイウマイと食って、我ながら幸せ者だなと思う秋の宵なのだ。
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