彦根城博物館では、2009年10月1日から26日まで『井伊直弼の茶の湯―好みの道具―』という展示が行われています。
10月3日はそのギャラリートークがありましたので、聴講に行きました。
井伊直弼と茶の湯をテーマにした展示は今までに何度も行われていますので、その度々に直弼の茶の湯感に触れる機会がありますし、管理人の手許には直弼が著した『茶湯一会集』の陰影を纏めた本もありますから、学ぼうと思えばいつでも学べる物の筈なのですが、茶の精神は一言では表せないだけに難しいもですね。
「そもそも各流派の違いはなんやねん!」とそこから頭を抱えています。今回一つ分かった事は石州流は一派を立ち上げるのには結構寛大に許可をしていた。との事でした(大名茶ですから、お殿様のレベルに合わせたのかもしれませんが…)。
そう考えると、井伊直弼の宗観流は思った以上に簡単にできた物だったのか、ならば直弼の茶の湯の腕はどのくらい?との疑問も浮かんできました。
さて、そんな?がたくさん飛ぶ茶道具の展示は、井伊直弼が自らの手で作った道具や、作らせた道具、自分の和歌や思想と合わせた道具、そして見立ての道具など多分野に渡って展示されていました。
この展示の中で、「直弼の茶の湯の腕」の疑問に答えが出せるような展示が『月次茶器』と言われる12の棗でした。これは藤原定家の鳥と花を歌った12か月の和歌を各月ごとにデザインされた物なのですが、それを直弼が注文して作ったのが8代目中村宗哲という名工なのだそうです。
デザインは一般的によく使われた物で直弼のオリジナリティは無いそうなのですが、塗や色・形などの細かい注文を直弼が行っていて、「名工にそこまでの注文をして作らせるだけの見識を直弼が持っていた証拠となる」そうで、特に塗りは注目すると違いが分かる物が数点あります。
また、日光の栗山桶を使った見立て道具をたくさん作って所縁の人に渡していたそうです。多くの人に配ることで、受け取った人との美意識が共有し、それは流派の美意識を広げ伝える結果にも繋がるのだとか…
自ら作成する事で茶人に思いを馳せるのも大切な茶人の心得であり、道具を組み合わせる事でもまた想いを伝える事になる。
たかが茶道具、されど茶道具…
茶道の長い歴史を知るスタートが始まったのかもしれません。
その最初は、自ら手を加えた茶道具を手にとって眺める直弼を想像することであり、展示の中から直弼と想いが重ねられるような見学者好みの道具を見つける事のようです。
写真は『月次茶器』から10月の物をアップしました。
10月3日はそのギャラリートークがありましたので、聴講に行きました。
井伊直弼と茶の湯をテーマにした展示は今までに何度も行われていますので、その度々に直弼の茶の湯感に触れる機会がありますし、管理人の手許には直弼が著した『茶湯一会集』の陰影を纏めた本もありますから、学ぼうと思えばいつでも学べる物の筈なのですが、茶の精神は一言では表せないだけに難しいもですね。
「そもそも各流派の違いはなんやねん!」とそこから頭を抱えています。今回一つ分かった事は石州流は一派を立ち上げるのには結構寛大に許可をしていた。との事でした(大名茶ですから、お殿様のレベルに合わせたのかもしれませんが…)。
そう考えると、井伊直弼の宗観流は思った以上に簡単にできた物だったのか、ならば直弼の茶の湯の腕はどのくらい?との疑問も浮かんできました。
さて、そんな?がたくさん飛ぶ茶道具の展示は、井伊直弼が自らの手で作った道具や、作らせた道具、自分の和歌や思想と合わせた道具、そして見立ての道具など多分野に渡って展示されていました。
この展示の中で、「直弼の茶の湯の腕」の疑問に答えが出せるような展示が『月次茶器』と言われる12の棗でした。これは藤原定家の鳥と花を歌った12か月の和歌を各月ごとにデザインされた物なのですが、それを直弼が注文して作ったのが8代目中村宗哲という名工なのだそうです。
デザインは一般的によく使われた物で直弼のオリジナリティは無いそうなのですが、塗や色・形などの細かい注文を直弼が行っていて、「名工にそこまでの注文をして作らせるだけの見識を直弼が持っていた証拠となる」そうで、特に塗りは注目すると違いが分かる物が数点あります。
また、日光の栗山桶を使った見立て道具をたくさん作って所縁の人に渡していたそうです。多くの人に配ることで、受け取った人との美意識が共有し、それは流派の美意識を広げ伝える結果にも繋がるのだとか…
自ら作成する事で茶人に思いを馳せるのも大切な茶人の心得であり、道具を組み合わせる事でもまた想いを伝える事になる。
たかが茶道具、されど茶道具…
茶道の長い歴史を知るスタートが始まったのかもしれません。
その最初は、自ら手を加えた茶道具を手にとって眺める直弼を想像することであり、展示の中から直弼と想いが重ねられるような見学者好みの道具を見つける事のようです。
写真は『月次茶器』から10月の物をアップしました。