そらいろのたね
作: 中川 李枝子
絵: 大村 百合子
出版社: 福音館書店
*そのあいだも そらいろのたねは、やすまず おおきくなっていきました。
「おや、すてき! ぼくのうちがあるぞ!」と、ぶたも きました。
「ゆうじくん、ほんとうに いい うちだね!」
まどに、ひよこと ねこと ぶたの、うれしそうな かおが ならびました。
ゆうじは、野原で模型飛行機を飛ばしていましたが、出会ったキツネにせがまれてキツネの宝物である「そらいろのたね」と交換します。
ゆうじは庭の真ん中に種を埋めて水をかけ、画用紙にクレヨンで『そらいろのたね』と書いて立てました。
そらいろの種を埋めた所からは、小さなそらいろの家が出てきました。
ゆうじは喜んで「おおきくなあれ、おおきくなあれ」と言いながら水をかけます。
そらいろの家は少しずつ大きくなって、次から次とお客さんがやってきます。
最初はひよこで次は猫、それからブタで、ゆうじもゆうじの友達も遊びにきました。
そらいろの家はもっともっと大きくなって、とうとう象の家族もやってきました。
そらいろの家は、お城のようにりっぱになりました。
町中の子供と森中の動物も後から後からやってきます。
そらいろの種を模型飛行機と交換したキツネもやってきてびっくりしましたが、それがそらいろの種からはえてきたものだと知ると、もっとびっくりしました。
と、キツネは突然交換したものをまた元に戻そうと言い出し、家の中のみんなを追い出そうと大声を上げました。
*「おーい、このうちは ぼくのうちだからね。 だまって はいらないでよー。 みんな でていっておくれー」
*どあが あいて、こどもが ひゃくにん、どうぶつが ひゃっぴき、とりが ひゃっぱ でてきました。
キツネはそらいろの家の中に入ると、誰も入れないようにドアの鍵を閉め、窓も残らず閉めました。
すると、そらいろの家はどんどん大きくなっていき、ついには大きく揺れたかと思うとバラバラになって、崩れ落ちてしまいました。
気がつくと、そらいろの家はどこにもなく、『そらいろのたね』と書いた画用紙だけが立っており、そしてその横に目を回したキツネが伸びていました。
(*は引用部分です)
先日紹介した「ぐりとぐら」の作家のコンビによる、とてもメルヘンチックな作品です。
テーマを探せば、欲張りのいましめとも受け取れますが、段々大きくなるそらいろの家に合わせて、お客さんも大きくなったり大勢になったりするのを、理屈や教訓抜きに楽しむことにしましょう。
愛すべきキツネくんの欲張りの結末は、誰でもがくすっとしてしまうこと間違いなしです。
このラストを生かすには、キツネが家の中のみんなを追い出そうとする時の台詞がポイントで、読み聞かせの時には気分を込めることが大切です。
小さいお子さんがいる方で、この本を手にした方はぜひお試し下さい。
作: 中川 李枝子
絵: 大村 百合子
出版社: 福音館書店
*そのあいだも そらいろのたねは、やすまず おおきくなっていきました。
「おや、すてき! ぼくのうちがあるぞ!」と、ぶたも きました。
「ゆうじくん、ほんとうに いい うちだね!」
まどに、ひよこと ねこと ぶたの、うれしそうな かおが ならびました。
ゆうじは、野原で模型飛行機を飛ばしていましたが、出会ったキツネにせがまれてキツネの宝物である「そらいろのたね」と交換します。
ゆうじは庭の真ん中に種を埋めて水をかけ、画用紙にクレヨンで『そらいろのたね』と書いて立てました。
そらいろの種を埋めた所からは、小さなそらいろの家が出てきました。
ゆうじは喜んで「おおきくなあれ、おおきくなあれ」と言いながら水をかけます。
そらいろの家は少しずつ大きくなって、次から次とお客さんがやってきます。
最初はひよこで次は猫、それからブタで、ゆうじもゆうじの友達も遊びにきました。
そらいろの家はもっともっと大きくなって、とうとう象の家族もやってきました。
そらいろの家は、お城のようにりっぱになりました。
町中の子供と森中の動物も後から後からやってきます。
そらいろの種を模型飛行機と交換したキツネもやってきてびっくりしましたが、それがそらいろの種からはえてきたものだと知ると、もっとびっくりしました。
と、キツネは突然交換したものをまた元に戻そうと言い出し、家の中のみんなを追い出そうと大声を上げました。
*「おーい、このうちは ぼくのうちだからね。 だまって はいらないでよー。 みんな でていっておくれー」
*どあが あいて、こどもが ひゃくにん、どうぶつが ひゃっぴき、とりが ひゃっぱ でてきました。
キツネはそらいろの家の中に入ると、誰も入れないようにドアの鍵を閉め、窓も残らず閉めました。
すると、そらいろの家はどんどん大きくなっていき、ついには大きく揺れたかと思うとバラバラになって、崩れ落ちてしまいました。
気がつくと、そらいろの家はどこにもなく、『そらいろのたね』と書いた画用紙だけが立っており、そしてその横に目を回したキツネが伸びていました。
(*は引用部分です)
先日紹介した「ぐりとぐら」の作家のコンビによる、とてもメルヘンチックな作品です。
テーマを探せば、欲張りのいましめとも受け取れますが、段々大きくなるそらいろの家に合わせて、お客さんも大きくなったり大勢になったりするのを、理屈や教訓抜きに楽しむことにしましょう。
愛すべきキツネくんの欲張りの結末は、誰でもがくすっとしてしまうこと間違いなしです。
このラストを生かすには、キツネが家の中のみんなを追い出そうとする時の台詞がポイントで、読み聞かせの時には気分を込めることが大切です。
小さいお子さんがいる方で、この本を手にした方はぜひお試し下さい。