ヒロシの日記

たくさんの人たちの幸福を願いつつ、常に自然な生き方を望む私の日記です。

しろくまちゃんのほっとけーき

2009-01-06 23:09:19 | 日記
しろくまちゃんのほっとけーき
作: わかやま けん
出版社: こぐま社



*ぽたあん
どろどろ
ぴちぴち
ぷつぷつ
やけたかな
まあだまだ
しゅっ
ぺたん
ふくふく
くんくん
ぽいっ
はい できあがり


有名な幼児向きのシリーズ絵本ですが、手にしたのは初めてで、「ちびくろさんぼ」、「ちびごりらのちびちび」と一緒にご近所のおかさんが借して下さった1冊です。 

筋書きは、主人公のしろくまちゃん(女の子?)がおかあさんと一緒になって、ホットーケーキを作り、それをご近所のこぐまちゃん(男の子?)と美味しく食べて、後かたずけも一緒にするという、実に単純なものです。

この作品が普通の物語とちょっと違うところは、最初のシーンがいきなりホットケーキ作りの準備からである点です。
画面にはおかあさんがいますので、おかあさんと一緒に作っていることは誰でも分かります。
しかし普通にあってもおかしくない、おかあさんの「さあ いっしょにつくりましょうね」がないのです。
そして道具のひとつひとつや、上に引用した焼けるシーンは、言葉だけでなく絵でもって実に丁寧に描かれています。

このようにして、この絵本は言葉が全くなくてもその絵から内容は殆ど伝わってしまうのですが、何故か画面からは登場するくまたちの感情を受け取ることはありません。
それは、最後のページで「おいしかったね」と書いてあってもです。

比較の対象としては不適当かも知れませんが、レオ・レオニのデザイン的なネズミやカエルが、その横にある言葉で生き生きとしてくるのとは大違いです。

大人も楽しめるような絵本を手にした後で、手にするにはちょっとためらう絵本かもしれませんが、それでもこの作品は年を追うごとに版を重ねてきました。
それはまだ言葉を十分に理解できない子供であっても引き付けられる、生活の楽しさや興味がそこにあるからでしょう。
この絵本の読者層を考えればそれだけで十分であって、この物語の登場人物に感情を込めることはあまり意味がないことなのだと思いました。

コメント
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