とん ことり
作: 筒井 頼子
絵: 林 明子
「そのとき、
とん ことり
げんかんのほうで、ちいさな ちいさな おとがしました。」
幼いかなえは、山の見える街に一家で引っ越してきましたが、そこはかなえにとって知らないものばかりでした。
越して来たばかりで友達のいないかなえは、引っ越しの片づけが終わらない部屋でひとり寂しい思いをしています。
そんな時ドアの郵便受けに誰かが何かを投げ込む音が「とん ことり」と響くのでした。
林明子さんのことを書けばひと山ありますが、今回は書評(?)だけにとどめましょう。
引っ越しは大人の都合によるものですが、子供は今までの友達と別れることになります。
忙しくしている大人の傍で子供たちが寂しくしていることを大人たちは忘れてしまいがちなのです。
しかしこの作品には「それは仕方がないことと」思わせないだけの迫力があります。
それは林さんの描く少女の質感のなまなましさに、読者である私が圧倒されて、現実の娘達の
幼かった頃に投影してしまったからでしょう。
そしてこの話にはもうひとつのテーマである「ともだち」があります。
投げ入れた野の花が象徴するように素直に気持ちを伝えること、そして思ったことを
真っ直ぐに行動に移すことの大切さを教えてくれるのだと思います。
林さんの他の絵本のことは、又別の日に書くことにします。
作: 筒井 頼子
絵: 林 明子
「そのとき、
とん ことり
げんかんのほうで、ちいさな ちいさな おとがしました。」
幼いかなえは、山の見える街に一家で引っ越してきましたが、そこはかなえにとって知らないものばかりでした。
越して来たばかりで友達のいないかなえは、引っ越しの片づけが終わらない部屋でひとり寂しい思いをしています。
そんな時ドアの郵便受けに誰かが何かを投げ込む音が「とん ことり」と響くのでした。
林明子さんのことを書けばひと山ありますが、今回は書評(?)だけにとどめましょう。
引っ越しは大人の都合によるものですが、子供は今までの友達と別れることになります。
忙しくしている大人の傍で子供たちが寂しくしていることを大人たちは忘れてしまいがちなのです。
しかしこの作品には「それは仕方がないことと」思わせないだけの迫力があります。
それは林さんの描く少女の質感のなまなましさに、読者である私が圧倒されて、現実の娘達の
幼かった頃に投影してしまったからでしょう。
そしてこの話にはもうひとつのテーマである「ともだち」があります。
投げ入れた野の花が象徴するように素直に気持ちを伝えること、そして思ったことを
真っ直ぐに行動に移すことの大切さを教えてくれるのだと思います。
林さんの他の絵本のことは、又別の日に書くことにします。