人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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次世代へつなぐ地域の鉄道——国交省検討会提言を批判する(緑風出版)
地域における鉄道の復権─持続可能な社会への展望(緑風出版)
原発を止める55の方法(宝島社)

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規制緩和が生んだJR事故(国鉄闘争共闘会議パンフレット「国鉄分割民営化20年の検証」掲載)
ローカル鉄道に国・自治体・住民はどう向き合うべきか(月刊『住民と自治』 2022年8月号掲載)
核のない未来を願って 松井英介遺稿・追悼集(緑風出版)

●安全問題研究会が、JRグループ再国有化をめざし日本鉄道公団法案を決定!

●安全問題研究会政策ビラ・パンフレット
こんなにおかしい!ニッポンの鉄道政策
私たちは根室線をなくしてはならないと考えます
国は今こそ貨物列車迂回対策を!

最近の鉄道雑誌について

2007-06-25 22:43:34 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
月刊「レイル・マガジン」誌の特集が「1300トン貨物列車 関門・瀬野八を行く」だったので、今月は迷わずレイル・マガジンを買った。
鉄道雑誌も最近は月刊だけで10種類近くも出ており、全部買っているとキリがないので1ヶ月1種類と決めているが、私は最近レイル・マガジンを買うことが多い。

私の以前の愛読誌は鉄道ジャーナルだったが、種村直樹さんが事実上切られてから魅力がなくなり、ほとんど買わなくなった。種村さんも、脳出血で倒れて以降は以前ほど文章に精彩がなくなったと評され、毀誉褒貶が相半ばするようになったが、新聞記者上がりだけあって、それでも一定水準は保っているように思う。
改めて思うのは、私が鉄道ジャーナルを選択する上でいかに種村さんの記事に負っていたかということである。種村さんのいなくなった鉄道ジャーナルは鉄道ジャーナルでなくなったような気がするのだ。

鉄道ジャーナル社の告知によると、春夏秋冬の年4回発売だった「旅と鉄道」が来月から月刊化するらしい。もともと春と秋には増刊号を出していたから年6回発行だったのを倍にするだけだ、という見方もできるかもしれない。だが、そうでなくとも鉄道誌の中で書店からの返本率が高く、少ないスタッフが何でも切り盛りするため労働条件も劣悪という状況の中ではひとつの大きな賭けだろう。

「電車男」や「特急田中3号」など鉄道オタクがテレビドラマにまで登場し、イベントSL運転の際は鉄道ファンを押しのける勢いで家族連れが押しかけることが多くなったせいか、最近私は「鉄道ファンって増えているのかな?」と聞かれることがたまにある。
そんなとき私は「今までの我々の感覚では鉄の定義に入らなかったようなライトなファンは増えていると思うけど、コアな鉄道オタクは若い人の新規参入がなく、高齢化している」と答えるようにしている。
この私の感覚は、多くの鉄道オタクの共感を得られると思う。全駅下車に取り組んでいたり、腕木式信号機にしか興味がなかったり、廃線跡調査をするような鉄道オタクは若くても30~40代で、20代になるとガクンと減る。私の周囲でも、そういうコアな鉄道オタクで20代は2人だけ。30代が最若年層と言ってもいい状況にある。

今増えているのは従来の鉄道オタクの定義には入らなかったようなライトな人たちだろう。旅行するときは鉄道利用を必ず組み入れ、列車の写真を撮ったり駅弁を食べたりするのが好き、というレベルでは従来は鉄と認めてもらえないことが多かった(ただし女性はこのレベルに達したら鉄と認定されることが多かった)。
鉄道ファンの定義なんて時代とともに変わるから、鉄道趣味界の大多数が彼らのような層まで含めて鉄道ファンと定義するなら、それはそれでかまわないと思う。むしろ、誰だって初心者の頃があったのだから、鉄道ファンの「分母」が増えることは、その中からコアな鉄道ファンに成長して鉄道を一生の趣味にする人も増えることにつながるはずであり、喜ぶべきことかもしれないからだ。

鉄道ジャーナル社がこのような最近の趣味界の動向をきちんとマーケティングした上で、ライトな鉄道ファンをコアな鉄道オタクに育てようという野心を持って旅と鉄道の月刊化に踏み切るのであれば、新たな需要を開拓できるかもしれない(記事のマンネリ化は覆いがたいものがあるが)。
だが一方で、既存の雑誌が苦しいから他を月刊化、という動機で望むのであれば、鉄道ジャーナル社はこの世界で存亡をかけた戦いにならざるを得ないだろう。
私が旅と鉄道の月刊化を「賭け」と表現したのは、大体このような意味からである。

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