人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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JR尼崎事故、政府の最終報告を遺族が批判

2007-06-29 01:27:12 | 鉄道・公共交通/安全問題
JR尼崎事故で政府の最終報告を遺族が批判(読売新聞)

2005年のJR尼崎事故で、いよいよ国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の最終報告が出たようだ。
報告書の内容はまだ調査委のサイトに載っていないため当ブログ管理人は入手していないが、報道によれば、中間報告から大きく変化はないようで、基本的にはJR西日本の「日勤教育」などの企業体質を厳しく問う内容になっているらしい。

ただ、この間のJR西日本の対応は遺族の新たな怒りを呼んでおり、今年4月、事故2周年の際のマスコミ報道をみても、JR西日本は袋叩き状態だった。
それはそうだろう。あれだけの事故を起こしておいて、「引責辞任」したはずの幹部たちがこっそり子会社に天下りし、遺族にそれを指摘されると「適材適所の人事」などと開き直ったのだ。遺族でなくてもはらわたが煮えくりかえるし、まして遺族であればこれに怒らない方がおかしい。

今回の報告書を見て、「現場にATSがあれば事故は起きなかった。悔やんでも悔やみきれない」とJR西日本は述べたそうだ。
赤信号を無視した場合のみ列車を止める旧型ATS(ATS-S型)は設置されているから、ここで言うATSとは速度照査型ATSのことを意味するわけだが、国鉄が民営化されてJRになるとき、政府(当時の運輸省)は大手私鉄に速度照査型ATSの設置を義務づけていた通達(1967年制定)を廃止した。JRへの速度照査型ATSの設置義務づけを回避するためだったとされているが、このために、大手私鉄が速度照査型ATSの整備を終えた後も、JRだけが未整備のまま残ったのである。

私は、個人的には、この通達を廃止していなければ尼崎事故は起きなかった可能性が高いと考えているだけに、安全のもっとも根幹部分で規制を緩和した政府の責任も大きいと思う。だが、調査委員会も政府機関である以上、自分で自分の非を認めるとは考えられない。
私たちが本当の意味で鉄道の安全を守りたいと考えるなら、事故調査委員会のあり方も含めて議論し、考え直すきっかけにしなければならないと思う。政府からも独立した権限を持ち、安全政策がおかしいと判断すれば政府にも意見ができる米国国家運輸安全委員会のような組織に改編する必要があるのではないだろうか。

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