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安全運行に尽くした機長を即日解雇~スカイマーク

2010-03-10 23:59:21 | 鉄道・公共交通/交通政策
<スカイマーク>機長交代不適切 国交省が会長らに厳重注意(毎日新聞)

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 国土交通省は9日、スカイマーク(本社・東京)の井手隆司会長と西久保慎一社長が機長の安全上の判断を否定し、別の機長に交代させ運航したのは不適切だったとして、同社に厳重注意した。

 国交省などによると2月5日、羽田発福岡行き017便(ボーイング737-800型、乗客177人)の外国人機長(52)は、客室乗務員のチーフの声が風邪でかすれていたため緊急時の呼び掛けが困難と判断、本社にチーフの交代を求めた。これに対し、社長と安全統括管理者の会長は交代させずに飛ぶよう求めたが、機長は拒否。このため自宅待機していた別の外国人機長を呼び出し、この機長がチーフの声に問題ないと判断して1時間遅れで出発した。同社は交代を求めた機長を同日付で契約解除した。

 同社では航空法に基づく運航規定で、安全の最終判断は機長がすると定めている。国交省は「会長らの行為は安全運航体制を脅かしかねない」と指摘し、安全管理体制を見直すよう求めた。機長2人の判断に問題はなかったとしている。国交省で文書を受け取った会長と社長は何もコメントしなかった。【平井桂月】
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率直に言って、いくら運賃が格安でも、もう二度とスカイマークには乗れないし、こんな会社に1つしかない自分の命を預ける気にはとてもなれない。いくら立派な社内規定を整備しても、経営者に遵法意識がない会社では絵に描いた餅だということがわかる格好の事例なのではないだろうか。

強大な権限を持つかに見える機長が一介の労働者に過ぎないということも浮き彫りとなった。こんなことを言ってはなんだが、会長や社長がいなくても飛行機は飛ぶが、機長がいなければ飛行機は飛ばないのだから、その機長を大切にしない会長と社長に航空業をやる資格はないと当ブログは考える。

それにしても、スカイマークは以前にも、機長のやりくりが付かなくなって運休に追い込まれる便が出て騒ぎになった。こうした騒ぎが度々起こるのも、ギリギリの乗務員数で余裕のない運行体制を敷いているからである。さらにその余裕のない運行体制の原因を探っていくと、格安運賃にたどり着く。要するに、格安運賃→利益率低下→コスト(人件費)削減→乗務員の離職率上昇・定着率低下→余裕のない運行体制→○○という循環である。○○に入る文字はもうご想像の通りである。○○に「事故」という文字を入れる日が来なくてすむよう祈るばかりである。

最後に、航空行政のあり方に触れておこう。こうした事態を招いた背景には、政府による航空自由化・運賃自由化がある。格安運賃も結構だが、上に示したような循環が余裕のない運行体制の背景にあることを認めた上で、そろそろこうした自由化政策を見直す時期に来ているのではないだろうか。

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