安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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福島県で震度5弱

2010-03-14 21:50:49 | 気象・地震
2010年3月14日17時08分頃に福島県沖で発生した地震について(気象庁報道発表)

福島県沖を震源とする地震で、太平洋に面した楢葉町で震度5弱を観測した。地震の規模はM6.7(暫定値)。M7.9だった阪神大震災の40分の1程度のエネルギーである。発震機構解(地震のメカニズム)は西北西-東南東方向の逆断層型だが、リンク先の報道発表に「太平洋プレートと陸のプレートの境界付近で発生した地震」とある通り、プレート境界型地震である。震央は、想定される宮城県沖地震の想定震源域より若干南に外れているものの、きわめて近い。総合的に見て、近い将来起きるとされている宮城県沖地震の長期的前兆活動のひとつといえよう。

ところで、福島県沖を震源とするプレート境界型地震の発生は、2008年7月24日付け過去ログで取り上げたもの以来、1年8ヶ月ぶりであり、地震の規模もほぼ前回と同じである。プレート境界型地震の場合、プレートの沈み込みに伴う境界の歪みによって蓄積したエネルギーを、今回のような中規模地震によって時折、発散しながら本震へ向かって進行していくが、なんだかここ数年、中規模地震の発生間隔が短くなってきているような気がする。これは、プレートの沈み込みによるエネルギーの蓄積が短期間のうちに進んでいることを示すものであり、周期性を持ったプレート境界型地震としての宮城県沖地震の発生時期を考える場合、きわめて深刻な事態といえる。

「想定される宮城県沖地震が10年以内に発生する確率は7割」という予測が2009年1月に公表されているが、M6.6~6.7級のプレート境界型地震が2年間で2回発生したことで、三陸沖地震の発生確率はこれまでの予想よりもある程度高まったと見なければならないのではないか。発生時期も、同じプレート境界型地震である東海地震よりは早いような気がする。

現状を見る限りでは、宮城県沖地震まであと10年の猶予はないと思う。福島第1、第2、女川の各原発のあり方を含め、東北地方ではそろそろ緊急時への備えをしたほうがいい。

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カテゴリ再編のお知らせ

2010-03-13 21:32:13 | 運営方針・お知らせ
管理人より、カテゴリ再編についてお知らせです。

新カテゴリとして「航空問題・空の安全」を設置しました。見ての通りですが、航空機の安全問題及び航空行政、航空会社の経営問題全般をここで扱います。

従来、航空問題は公共交通の一環ということで鉄道カテゴリの中で取り扱ってきましたが、最近は日航問題など、航空問題を取り上げることが増え、鉄道カテゴリで扱うことが次第に不自然になってきました。日常の生活輸送が存在する陸上交通機関に対し、航空は生活輸送が(離島便・貨物を除き)ほとんど存在しないという点でも異なっており、いずれは独立カテゴリに移行しなければならないという考えを持っていました。

今回、スカイマークの安全問題が表面化したことを機会に、航空を独立カテゴリとすることとしました。これに伴い、「鉄道(安全問題)」及び「鉄道・交通政策」カテゴリに置いていた航空関係記事をこのカテゴリに移動しました。

なお、鉄道と異なり、管理人は航空を趣味の対象とはしていないため、航空に関する趣味ネタは基本的に当ブログでは取り扱いません。また、航空機については素人であり、鉄道のような立ち入った技術的論評は困難ですので、その点はご承知おきください。

この結果、当ブログのカテゴリ数は、1つ増えて14となります。

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これはさすがに衝撃的だ…

2010-03-12 23:47:38 | 鉄道・公共交通/安全問題
操縦室内、機長も記念撮影 進行方向に背 スカイマーク(朝日新聞)

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 スカイマークの副操縦士が操縦室内で記念撮影を繰り返していた問題で、乗客を乗せた運航中、進行方向に背を向けた機長らを撮影した写真があることがわかった。前原誠司国土交通相が12日、閣議後の記者会見で写真を公開した。見張りを怠っており、航空法に違反する。同省は11日から同社に対する立ち入り検査を始めており、関与した乗員だけではなく、会社に対する行政処分も検討する。

 公開された写真は、国土交通省が同社から提出させた十数枚のうちの2枚。1枚は副操縦士席に座った客室乗務員が機長とピースサインで写っている。もう1枚は副操縦士と機長が客室乗務員を挟んで写っている。前原国交相は「(いずれの写真も)全員こっち(後方)を向いている。運航中です。お客さんが乗っている機内で、こういうことが起きるのは言語道断。許されざる行為だ」と述べた。

 スカイマークの説明では、30代の副操縦士は昨年4月から今年2月にかけて、飛行中、計5回にわたって操縦室で機長や客室乗務員らと記念撮影を繰り返していた。

 航空法は、運航中の操縦者に見張りの義務を課している。国交省は、機長と副操縦士の2人とも前方や計器を見ていない状態は「ありえない」としている。2001年の米同時テロ以降、操縦室への出入りは厳しく制限された。客室乗務員は業務上、操縦室に入ることは認められているが、操縦席に座ることは想定されていない。同省の島村淳運航課長は「法律以前の問題。安定飛行中でも、客室乗務員を座らせれば、操縦桿(かん)や計器などに触れて危険が生じかねない」と指摘している。

 スカイマークは「主導した」とされる副操縦士を諭旨退職に、一緒に写った機長3人を出勤停止、客室乗務員7人を減給処分とした。だが、同省は「社内処分で済む問題ではない」との受け止めだ。会社として安全への取り組みや教育、指導、コンプライアンスの体制に根本的な問題があるとみて調査を進める。

 同社の安全体制を巡っては、風邪で大きな声が出せない客室乗務員を「非常時の誘導に支障がある」と判断した機長が交代させようとしたのに、西久保慎一社長と井手隆司会長が認めず、逆に機長を交代させて運航を強行していた問題も発覚。同省が9日に厳重注意したばかりだ。

 連続して安全にかかわる問題が明らかになったことについて、前原国交相は「(スカイマークは)利益至上主義と言わざるを得ない」と指摘。羽田空港の4本目の滑走路のオープンに向けてスカイマークなど新興の会社に一定の発着枠を割り当ててきたが、将来的な見直しの可能性にまで言及した。

 スカイマークは「事実関係を確認後、再発防止策を検討したい」としている。(佐々木学)
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記事の中身もさることながら、衝撃的なのはこの写真だ。全員が後ろを向き、誰も前方を見ていない。さすがに私もショックを受けた。写真の威力を感じるのはこういうときだ。

これが遊園地での記念撮影だったら、別にどうということはない。機内だったとしても、空港で駐機中だったのなら、まぁ許そう。しかし、この写真が撮影されたのは、上空を飛行中の航空機の中だったのである。

時速900km前後で飛行している航空機は、1分間で15km、4秒間に1km進む。これがどれだけ速いかはいうまでもないだろう。数百人の乗客の命を預かる機長、副操縦士が、そろいも揃って前方から目を離し、記念撮影に興ずるなど信じられない。「たかが数秒」の話ではなく、仮に2人が揃って10秒間前方から目を離したら、無監視状態で2.5kmも進んでしまう。乗務員に、あまりにもそのことへの自覚、さらには高速で進む交通機関への「恐れ」「畏敬」の念がなさ過ぎる。

もちろん飛行機は自動操縦だし、接近警報があるし、航空管制も受けているから大丈夫ではあるのだろう。しかし、あまりにも職業倫理が崩壊してしまっている。日航以上の大手術がこの会社には必要である。

当サイト管理人は、この際、「スカイマークボイコット宣言」をする。どんなに運賃が安かろうとも命には代えられないからだ。

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安全運行に尽くした機長を即日解雇~スカイマーク

2010-03-10 23:59:21 | 鉄道・公共交通/交通政策
<スカイマーク>機長交代不適切 国交省が会長らに厳重注意(毎日新聞)

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 国土交通省は9日、スカイマーク(本社・東京)の井手隆司会長と西久保慎一社長が機長の安全上の判断を否定し、別の機長に交代させ運航したのは不適切だったとして、同社に厳重注意した。

 国交省などによると2月5日、羽田発福岡行き017便(ボーイング737-800型、乗客177人)の外国人機長(52)は、客室乗務員のチーフの声が風邪でかすれていたため緊急時の呼び掛けが困難と判断、本社にチーフの交代を求めた。これに対し、社長と安全統括管理者の会長は交代させずに飛ぶよう求めたが、機長は拒否。このため自宅待機していた別の外国人機長を呼び出し、この機長がチーフの声に問題ないと判断して1時間遅れで出発した。同社は交代を求めた機長を同日付で契約解除した。

 同社では航空法に基づく運航規定で、安全の最終判断は機長がすると定めている。国交省は「会長らの行為は安全運航体制を脅かしかねない」と指摘し、安全管理体制を見直すよう求めた。機長2人の判断に問題はなかったとしている。国交省で文書を受け取った会長と社長は何もコメントしなかった。【平井桂月】
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率直に言って、いくら運賃が格安でも、もう二度とスカイマークには乗れないし、こんな会社に1つしかない自分の命を預ける気にはとてもなれない。いくら立派な社内規定を整備しても、経営者に遵法意識がない会社では絵に描いた餅だということがわかる格好の事例なのではないだろうか。

強大な権限を持つかに見える機長が一介の労働者に過ぎないということも浮き彫りとなった。こんなことを言ってはなんだが、会長や社長がいなくても飛行機は飛ぶが、機長がいなければ飛行機は飛ばないのだから、その機長を大切にしない会長と社長に航空業をやる資格はないと当ブログは考える。

それにしても、スカイマークは以前にも、機長のやりくりが付かなくなって運休に追い込まれる便が出て騒ぎになった。こうした騒ぎが度々起こるのも、ギリギリの乗務員数で余裕のない運行体制を敷いているからである。さらにその余裕のない運行体制の原因を探っていくと、格安運賃にたどり着く。要するに、格安運賃→利益率低下→コスト(人件費)削減→乗務員の離職率上昇・定着率低下→余裕のない運行体制→○○という循環である。○○に入る文字はもうご想像の通りである。○○に「事故」という文字を入れる日が来なくてすむよう祈るばかりである。

最後に、航空行政のあり方に触れておこう。こうした事態を招いた背景には、政府による航空自由化・運賃自由化がある。格安運賃も結構だが、上に示したような循環が余裕のない運行体制の背景にあることを認めた上で、そろそろこうした自由化政策を見直す時期に来ているのではないだろうか。

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国交省も解決に抵抗~JR不採用問題

2010-03-09 23:28:55 | 鉄道・公共交通/交通政策
国交相「4党和解案通りは困難」JR不採用問題(北海道新聞)

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 1987年の国鉄分割・民営化に伴う国労組合員らのJR不採用問題で、与党3党と公明党がまとめた和解案について、前原誠司国土交通相は9日の閣議後記者会見で、そのままでの実行は困難との見解を示した。

 前原氏は「裁判所の判断よりかなり金額的に上積みされていて、はい分かりました、と言える内容でない」と述べた。

 4党側は当初、和解案を4日に提出するとしていたが、前原氏は「具体的な申し出はない」とした上で、受け取ってから内容を精査したいとしている。

 昨年3月の東京高裁判決は、約300人について、慰謝料など1人当たり550万円の損害賠償を認定した。

 一方、関係者によると、4党の和解案は、約900人に1人当たり2950万円の賠償金を支払う内容。不採用者が設立した事業会社への約18億円の支援金も含めた解決金の総額は計287億円に上る。
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裁判所の認定額がそもそも低すぎて解決できる水準ではない、というのが当ブログの基本的立場である。それを高いなどといわれては、そもそも当事者は23年間も何のために闘ってきたのか。

国土交通省は、これまでも鉄道・運輸機構と一緒になってこの問題の解決を妨害しており、この問題を巡る最大の「抵抗勢力」だ。そんな国土交通省の官僚に踊らされ、彼らの利益代表者と化した前原大臣の姿勢は断じて許し難い。こんな時こそ政権交代の原点に立ち返り、「政治主導」でしっかり解決してもらいたい。

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JR不採用問題「しっかり対処」平野官房長官(福島民報)

 平野博文官房長官は9日午後の参院予算委員会で、国鉄分割・民営化に伴う国労組合員らのJR不採用問題について「人道的な観点から、与党が前向きに解決しようと取り組んでいる。政府として、しっかり対処していきたい」と強調した。

 社民党の又市征治氏への答弁。
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一方、政府からはこうした発言も上がっている。政府のスポークスマンと所管大臣の間の「閣内不一致」がここでも露呈してきている。

この問題に関しては、解決案を取りまとめた与党3党と公明党が政治的指導力を発揮すべきだと考える。鉄道・運輸機構には解決能力などまるでなく、解決能力を持つ国土交通省には解決の意思がないからだ。

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日比谷線事故から10年

2010-03-08 22:58:23 | 鉄道・公共交通/安全問題
「もう10年、まだ10年」=17歳息子失った父-日比谷線事故(時事通信)

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 「もう10年、でも、まだ10年なんです」。69人が死傷した地下鉄日比谷線脱線事故。長男で当時17歳の高校2年信介さんを亡くした富久邦彦さん(63)=横浜市西区=が取材に応じ、「世間にとって10年は一つの区切りかもしれないが、遺族に時間の節目はない」と思いを語った。
 2000年3月8日。高校の期末試験の最終日。1限目の試験はなく、2限目の英語に合わせ、少し遅めの電車に。午前9時1分、上り6両目。カーブで脱線した下り電車と衝突。即死だった。
 「もう少し待ってろよ」。月命日には、現場近くの慰霊碑を夫婦で訪れる。120回になった。17年8カ月の短過ぎる生涯。一緒にいるのが当然だった家族。「事故後、1年は何も手に付かなかった。一日一日が長かった」という富久さん。「ひょいっと、帰ってくるのでは」から「いないのが当然」となるのに4年もの歳月を要した。
 「納骨はできない。寂しがるだろうから」。自宅2階の仏壇には、骨つぼが写真と並ぶ。「短い人生なので、向こうには知り合いはいない。暗い地面の中で一人でいるのはかわいそう。家族の誰かと一緒の墓に入れます」と笑う。
 都内屈指の進学校の麻布高校に通う一方、プロボクサーを目指しジムに通うなど文武両道だった信介さん。事故後、本も出版されたほか、「富久信介」の名は、同校の奨学金制度やボクシングの大会に残った。「事故の示談金を有効に使い、後に続く若い人たちの役に立つことが、信介の命を無駄にしないことにつながると信じている」。
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<日比谷線>事故から10年 遺族ら冥福祈る(毎日新聞)

 乗客5人が死亡、64人が負傷した00年3月の営団地下鉄(現東京メトロ)日比谷線脱線・衝突事故から10年を迎えた8日、東京都目黒区の事故現場近くの慰霊碑で、遺族や同社役員が犠牲者の冥福を祈った。午後には前原誠司国土交通相が慰霊に訪れた。

 東京メトロは梅崎寿社長など役員4人が訪れ、事故が起きた午前9時1分に黙とうし献花。梅崎社長は「二度と事故を起こさぬよう、安全運行に全力を尽くしたい」と話した。

 東京メトロによると、昨年、治療を終えた重傷者1人と示談が成立し、補償交渉はすべて終えたという。

 碑には犠牲者の名前が刻まれているが、1遺族が拒否したために4人分。合同慰霊の形式はとらず、社員らが訪れては献花し、慰霊碑に手を合わせていた。

 亡くなった南日本新聞社員、槙保代さん(当時37歳)のいとこで埼玉県富士見市の主婦、平久美子さん(37)は「来るのが怖くてこれまで足を運べなかった。地下鉄の音を聞くだけでつらかった。お姉ちゃん(槙さん)と同じ年齢になり『やっと来られたよ』と伝えました」と話した。【平井桂月】
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日比谷線事故から10年経った。10年ひと昔と言われるが、ついにひと昔前の出来事になったのだ。

とはいえ、最後の負傷者との示談交渉は昨年、やっとまとまったという。加害企業への複雑な遺族感情に加え、長引く治療で治療費の算定が容易にできないことなど、いろいろな背景がありそうだ。死傷者69人の事故で示談に10年かかるのだから、尼崎事故など、私が生きているうちに全員と示談が終わらないかもしれない。

事故前日の3月7日、たまたま所用で都内にいたにもかかわらず、時間の都合もあり慰霊碑へ行けなかった。この事故の慰霊碑には行ったことがなく、場所も確認していないものの、中目黒駅の近くだということはわかっている。事故の日をすでに過ぎてしまったが、次回の東京訪問時に場所を確認の上、慰霊碑に行ってみようと思っている。

なお、この事故は、私が安全問題に取り組むきっかけとなった、いわば安全問題の原点である。私とこの事故との関わりは、昨年の3月8日付エントリの中に書いているので、興味のある方はぜひ。

改めて、5名の犠牲者のご冥福をお祈りするとともに、負傷者の方にもお見舞いを申し上げる。営団地下鉄60年の歴史上、唯一の死亡事故となったこの事故が繰り返されないよう、当ブログは引き続き安全への提言を行っていきたい。

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JR北海道の身勝手な主張を許すな!

2010-03-06 23:48:58 | 鉄道・公共交通/交通政策
不採用者の雇用は困難 JR北海道社長(北海道新聞)

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 国鉄分割・民営化に伴う国労組合員らのJR不採用問題で、中島尚俊JR北海道社長は5日、国土交通省で北海道新聞の取材に対し、JR各社で200人の雇用確保を求めた与党和解案について「裁判で決着している話」と述べ、不採用者の受け入れは困難との見方を示した。

 不採用問題では、2003年12月に「使用者としてJRに不当労働行為の責任はない」との最高裁判決が出ている。

 さらに中島社長は「ぎりぎりの経営をやっており、要員も効率化している」と経営の厳しさを強調。国鉄分割・民営化で道内職員の相当数が民間企業や道外のJRへ移ったことから「多くの人が、鉄道を捨てるか北海道を捨てるかしてきた経緯をお考えいただきたい」と理解を求めた。
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結論から先に言えば、当ブログがこのような自分勝手な主張に「理解を示す」ことは1万年後もあり得ない。中島社長の主張は、全てが完璧に間違っている。

まず裁判で決着云々については、そうなるように国鉄改革法23条という「解雇合法化法」が作られたというだけのことである。裁判所から国鉄法務担当に天下っていた江見弘武氏が、JRに責任が及ばないよう、この法律を作った。「名簿作成(=解雇者選定)は旧国鉄が行い、全員が国鉄清算事業団に移った後、新会社への採用候補者名簿に載っている職員だけが希望に応じて各社に振り分けられる」という枠組みが作られたのである。この時点で、新会社への採用候補者名簿に載っていなかった人は、「雇用対策事業」が終わる1990年3月限り解雇の運命が待っていた。

この法律作成を主導した江見氏は、今、「解雇のA級戦犯」である葛西敬之氏(JR東海会長)に請われてJR東海の役員になっている。ついでに言えば、彼をお手盛り人事で役員に迎えた葛西会長は、被解雇者の生活も地方の人たちの実情も顧みることなく、リニアに湯水のごとく金を投じる一方で、名松線を切り捨てようとしている。これがJRという企業の実態である。

次に「ぎりぎりの経営をやっており、要員も効率化している」について。最近、北海道では事故やトラブルが相次いでいる。2009年1月15日には江差線で下請業者の信号配線ミスにより、赤が表示されるべきところに黄が表示され、あわや追突という事態が起きた。2009年2月16日には特急「スーパーおおぞら12号」からのブレーキ部品脱落、さらに2009年3月21日にも江差線でレール破断が発生している。さらに、2009年12月28日夜、富良野線で普通列車と除雪列車が衝突した事故が記憶に新しいところだ。

中島社長に当ブログは問う。こうした一連の事故・トラブルはご自身が誇らしげに自慢する、その要員合理化が原因ではないのか。人減らし、行き過ぎた外注化、技術伝承の失敗がもたらした事故の検証もせず、ごまかしておきながら、「合理化したのだから被解雇者の受け入れができない」とはどういうことか。寝ぼけているなら北海道の冷たい水で顔を洗い、ついでに辞表を書け。

最後に、「多くの人が、鉄道を捨てるか北海道を捨てるかしてきた経緯をお考えいただきたい」という中島社長の主張について。かつて、これと同じような主張を、私はどこかで聞いたことがある。

『私たちの仲間が7万人から10万人、3本柱や広域異動を含めて努力をしてきた。血を流し、汗を流し、涙を流してきたのである。それらの仲間の苦労からも、このような政治家と国労幹部などとの間で政治決着という名における国鉄回帰の動向を、私は認めるわけにはいかないということである』(亀井静香運輸相(当時)による1047名問題解決のあっせん案が示されたことに関連して、95年6月のJR総連大会で行われた福原福太郎委員長の挨拶)

『今さら体の悪い人、両親に問題のある人は北海道と言い、後は本州3社で採るなどという馬鹿な話は休み休みにしろと言いたい。私は井戸掘りを一生懸命やってきた人と水を飲みたい。…井戸を掘る苦労というものがある。お前は働いたか。実際に我々の仲間は傷ついた。私は傷ついた仲間を大切にする。1047名は1人も採るわけにはいかないのが結論だ』(95年6月、松崎明・JR東労組委員長(当時)の講演)

ヤクザまがいの言葉遣いで、労働組合の委員長が「お前は働いたか」と問い、自分と考え方を異にする元仲間に向かって「1人も来るな」と言う。いまだにこういう連中に支配されているのがJR北海道である。仮にそうでなかったとしても、被解雇者たちもまた23年間のなかで、血を流し、汗を流し、涙を流してきた。107人が死亡する大事故がJRで起こっても安全を追及することもなく、JRでぬくぬくとしてきたJR総連の連中なんかよりよほど多くの血と涙を流してきたのだ。

もし彼らが、「自分たちの流してきた血と涙は正しく、他人の流した血と涙は正しくない」という理由で被解雇者の復帰に反対するなら、彼らは労働組合の看板など今すぐ下ろして解散すべきだ。こんな連中の身勝手な振る舞いを、公共交通の職場においてこれ以上許し続けることは、私にはできない。

JR東日本、北海道には、こうした魑魅魍魎が跋扈し続けている。指導部が被解雇者を地元JRに戻したいと考えるなら、こうした連中との闘いに勝たねばならない。そしてそれは、「責任を取るべき組織は国鉄の業務を引き継いでおらず、国鉄の業務を引き継いだ会社は法的に免責される」という枠組みを作った国鉄改革法23条との闘いでもある。1人でも被解雇者がJRに戻るなら、「解雇合法化法」に大きな風穴を開けることができる。

指導部にとって、ここが最大の頑張りどころである。失敗したら腹を切る覚悟をもって、銃弾の雨の中を倒れても倒れても一糸乱れず進み続ける闘いが必要である。

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JR不採用問題・さらに続き

2010-03-05 23:30:44 | 鉄道・公共交通/交通政策
4党の和解案文書が国策批判 JR不採用問題で(北海道新聞)

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 国鉄分割・民営化に伴う国労組合員ら1047人のJR不採用問題で、与党3党と公明党がまとめた和解案の付属文書に、JRの職員募集や採用手続きを定めた国鉄改革法や当時の政府、行政の対応を厳しく批判する内容が含まれていることが2日、分かった。

 不採用問題を「前代未聞の規模による不当労働行為」と断罪、当時の国策を否定する異例の内容。4党はこの文書を含め計約287億円の解決金とJRへの雇用確保などを柱とした和解案を近く国土交通省に提出、申し入れる。

 文書は分割・民営化の過程で(1)国鉄が国労組合員らをどう喝して組織を切り崩し、約20万人の国労が1年あまりの間に4万4千人に激減した(2)国鉄改革に賛成した労組員や国労脱退者らが極めて高い採用率だったのに対し、国労組合員らの採用率は著しく低かった―ことを挙げ、「あからさまな採用差別がなされた」と断定。

 「国鉄が採用候補者の名簿作成、JRが採用」と権限を分けた国鉄改革法23条の仕組みがこれまで法的救済を困難にした原因とし「このような法律を提案した内閣、可決した立法府、不当労働行為が起こらないよう適切な権限行使を指導しなかった行政当局に責任がある」と当時の政府などを批判。不採用問題について「政治解決でしかなし得ない」と結んでいる。
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確かに、与党の政治文書が過去の政府の行為をここまで厳しく批判するというのは異例のことなのかもしれない。だが、日本が真の民主主義国家ならそうしたこともあっていい。何より、この人たちを「政府の職場」だった国鉄から特別法まで作って追い出したことが、今に至る「リストラやり放題社会」の幕開けになったのだから。昨年夏の政権交代は、こうした社会を作り上げてきた自民党政治への決別だった。自民党政治への決別から出発した新政権が、決別を誓った過去の政治を批判することにいささかの矛盾もない。

逆に、こうした内容が盛り込まれなければ、また2000年の「4党合意」当時のように政治決着が遠のく恐れもある。あの混乱からここまで来るのに10年かかった。もしまた解決が混乱で遠のけば、10年後に持ち越され、その時、職場に復帰できる者はいないだろう。

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JR不採用問題 雇用要請200人に圧縮 与党など和解案(北海道新聞)

 旧国鉄分割・民営化に伴い、国労組合員ら1047人がJRに不採用となった問題で、与党3党と公明党の和解案の全容が3日、明らかになった。JR各社に要請する雇用人数を素案では約230人としていたが、各社の経営状態などを考慮し、200人に絞った。4党は4日、国土交通省に申し入れる方針だ。

 和解案は、国鉄と清算事業団の債務を引き継いだ独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」による計287億円の解決金が柱。対象は係争中の原告約910人(道内約440人)で、年金に当たる生活補償金と解決金合わせて1人当たり計2950万円を支払うよう求めている。

 雇用を要請するのは、原告の希望の多いJR北海道、九州が中心になる。対象は55歳以下の組合員で、経営基盤が弱く株式を上場していないJR北海道、九州、四国の3社とJR貨物が採用した場合、雇用助成金を3年間支払う。

 原告側は雇用希望者を最低でも200人以上としており、ぎりぎり受け入れ可能な数字とみている。

 このほか、不採用者が設立した事業会社18社に各1億円の支援金も盛り込んでいる。

 原告側と合意に至ればJR不採用問題は23年ぶりの解決となる。和解案では「人道問題として早急に解決することが必要」としたうえで、政治決着に向けて「JR各社が道義的・社会的責任を重く受け止める」よう要請している。

 JR北海道は「国から正式な話はまだなく、回答できる状況にない」としている。
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この問題を解決する上で、年金回復や解決金も大切な要求ではある。しかし、最も大切なのは雇用である。雇用に関しては、これ以上は決して譲歩してはならない。

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引き続き、JR不採用問題

2010-03-04 22:16:13 | 鉄道・公共交通/交通政策
ここ数日、JR不採用問題を集中的に取り上げている。「もっと鉄道趣味的なことも書いてほしい」という読者の方もいるに違いないが、もう少しご辛抱願いたい。国鉄時代から鉄道趣味を続ける者にとって、この問題を避けて通ることはできないからである。

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JR不採用に287億円の解決金 与党・公明が素案(朝日新聞)

 1987年の国鉄分割・民営化に反対した国鉄労働組合(国労)の組合員ら1047人がJRに採用されなかった問題をめぐり、与党3党と公明党の実務担当者が3日、政治決着に向けた素案をまとめた。4党担当者は4日、前原誠司国土交通相に素案を提出し、政府の最終解決案を月内にもまとめるよう求める。

 戦後最大の労働問題とされるJR不採用問題では、組合員側が解雇の無効などを求めて訴訟を続けている。4党案は弁護士を通じて組合員側にも示されている。政府の最終解決案が4党案に沿う内容ならば訴訟を取り下げる見通しで、24年目の政治決着となる可能性が出てきた。

 4党案によると、国鉄清算事業団による旧国鉄職員への年金支払い業務などを引き継いだ独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の特例業務勘定の剰余金を活用し、解決金として1人当たり平均1650万円、生活補償金として1人当たり平均1300万円など、総額287億円を支払う。

 また、雇用対策として政府がJR北海道やJR九州などに約200人の雇用を要請するほか、JR関連企業などにも雇用を求める。JR不採用者がこれまでに設立した18事業体に平均1億円の支援金を支払うことも盛り込んだ。

 政治解決にあたり、4党案は「JRは道義的、社会的責任を重く受け止める」と明記。また、「政治的合意に基づきすべての裁判は和解する」とも記して係争中の裁判和解を条件に挙げた。

 4党の実務担当者は昨年末から10回近くの会合を重ね、素案を取りまとめた。与党関係者によると、組合員側は「路頭に迷わない内容」として1人当たり平均3300万円を求めていたが、平均年齢が50代後半と高齢化し、政権交代を契機とした政治決着に歩み寄ってきたという。

 鳩山由紀夫首相は2月初旬の参院決算委員会で、この問題について「人道的立場から解決を急がねばならない」と答えている。
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昨日のエントリで取り上げた解決案の内容を、朝日新聞がさらに詳しく取り上げている。

鉄道・運輸機構にそんな巨額の金があるのか、という疑問を持つ方もあるかもしれないが、結論から言えば金はある。同機構は、実に1.3兆円もの剰余金を抱え込んでいる。287億円払うとしても、剰余金全体からすれば2%ちょっとの額だ。

しかも、独立行政法人の剰余金を原資とするため、政府予算の組み替えは必要がなく、鉄道・運輸機構の剰余金処分について、主務省である国土交通省が認可すればよい。早ければ来年度予算の成立を待たず、今年度中に支出することも可能だろう。

当事者の年齢を考えると、この問題もそろそろ解決をしなければならない時期に来ている。政府、当事者でよく協議して、石にかじりついてもこの水準での解決を目指すべきだ。

当ブログ管理人は、実際のところ、「解決金と年金相当額の支払いだけで、雇用は相当厳しい」と見ていたから、55歳未満の希望者について、政府がJR各社に雇用を要請するというのは予想された以上の成果と見ることもできる。ただ、あくまで予定されているのは雇用に向けた「要請」に過ぎない。この枠組みでは、JR各社が応じるかどうか予断を許さず、当ブログは、解決のためにあくまで雇用は政府からJRへの斡旋に近い形を取らなければならないと考える。

JR北海道・四国・九州・貨物の4社は、鉄道・運輸機構を通じて政府が100%の株式を保有する特殊会社であり、立場上、政府から要請があれば断れない立場にはあるといえよう。政府の100%保有子会社である日本郵政の西川善文・前社長に対して、亀井静香・郵政担当相が辞任を促したように、もしJR4社が要請に応じなければ、政府はいくらでも「指導力」を発揮できる立場にある。

そもそも国鉄「改革」当時、東日本・東海・西日本の本州3社は、希望退職者が予想より多すぎて定員割れとなったため、国労など分割民営化に反対していた組合員も多くが採用された。その結果、被解雇者の多くが北海道と九州に集中することになった。この人たちの名誉のために述べておくが、彼らは決して能力が低かったため不採用となったのではない。何らかの理由(おそらく家庭の事情等)で本州への広域採用に応じられなかった人が多かったといえる。マスコミに踊らされ、物事の一側面だけ捉えて彼らを怠け者と批判する人も相変わらずいるが、官民問わず、長い人生、サラリーマンをやっていると、子どもの教育、親の介護などで広域転勤ができない時期というのは誰しもある。被解雇者の中には、たまたまその時期が国鉄「改革」の時期に当たったために解雇となってしまった人もいる。そういう人も含め、十把一絡げにして機械的に解雇処分を発令したのが23年前の「改革」だった。そうした政策の犠牲になった人たちを政府が救済することは、決して間違っていない。

一方、被解雇者受け入れが現実になれば、北海道・九州の2社は今まで以上に厳しい経営を強いられることになるだろう。だがそれは、この両社がこれまでに当然支払うべきであったコストを払わずに来たという、ただそれだけのことだ。株式会社になったからといって、企業が社会的責任を果たさなくてよいということにはならない。株式会社には株式会社なりの責任の果たし方、過去の問題に関する責任の取り方というものがあるはずである。四国・貨物も含めた4社が、政府からの要請があれば「大人の対応」をするよう当ブログは望む。

最後に蛇足かもしれないが、四国や九州で希望者全員の受け入れが困難を来すようであれば、JR西日本での受け入れを模索してはどうかと思う。山陽新幹線の関係で、JR西日本には福岡県内にも職場がある(小倉・博多駅、新幹線博多総合車両所など)。佐賀、熊本あたりの被解雇者の中には、西日本管内での異動で済むのであれば、全国転勤の貨物より好条件の職場として、希望する人もいるかもしれない。

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民主 JR不採用解決案を了承

2010-03-03 21:55:31 | 鉄道・公共交通/交通政策
民主 JR不採用解決案を了承(NHKニュース)

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民主党は、役員会で、昭和62年の国鉄の分割民営化の際に、労働組合の組合員などがJRに採用されなかった問題で、1世帯当たりおよそ1600万円の和解金を支払うことを盛り込んだ、与党3党と公明党の担当者による解決案を了承しました。

昭和62年に国鉄が分割民営化された際、民営化に反対した労働組合の組合員など1000人余りがJRに採用されなかった問題をめぐって、民主党、社民党、国民新党の与党3党と公明党の担当者は、先週、4党としての解決案を取りまとめました。解決案では、国鉄の業務を引き継いだ、独立行政法人「鉄道・運輸機構」が、採用されなかった組合員に対し、1世帯当たりおよそ1600万円の和解金を支払うことや、JR各社や関連会社への組合員の採用の確保を求めることなどが盛り込まれており、民主党は、1日の役員会でこの解決案を了承しました。これを受けて、与党3党と公明党は、近く、この解決案を国土交通省など政府側に示し、調整を行うことにしています。
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先日来、当ブログで取り上げているJR不採用問題で、与党3党と公明党が取りまとめた政治解決案を民主党役員会が了承した。与党第1党の了承により、少なくとも党側では完全に解決案がクリアされたことになる。今後は、与党3党プラス公明党がこの案を政府(国土交通省)に持ち込み、解決を迫る、という段取りになる。

今後は、政府側でこの解決案を叩き台に、解決が模索されることになるが、解決に反対する勢力は与党内になく、また民主党役員会の了承を得た案ということで、政府側がこの解決水準を切り下げることは困難だろう。

なお、公明党の名誉のために一言付け加えておくが、公明党は、下野したことによる人気取りなどのために解決案を提示したのではない。旧自公政権時代から、被解雇者を中心とした「4者・4団体」と解決へ向けた定期協議を行ってきた。自公政権時代に解決ができなかったのは、ひとえに自民党の責任である。有り体に言えば、23年前、彼らの解雇を実行したのは自民党であり、またその解雇を今も正しかったと考え総括もしていない自民党に、彼らの雇用問題を解決する意志がないことは明らかだろう。

これに比べ、公明党は23年前、彼らが解雇された当時与党ではなかった。国鉄改革関連法案に野党として賛成したという側面はあるものの、この問題を解決する資格がないとまでは言い切れないと思う。

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