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メタ認知:頭の働きを自分で監視し統制する

2019-08-21 | Weblog
メタ認知:頭の働きを自分で監視し統制する

******ポイント
1)頭の中にいるもう一人の自分を鍛える
2)内省する習慣を作る
3)心の動きを文章にしてみる。
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●頭の中にもう一人の自分がいる  
自分の頭の中にもう一人の自分がいるという感覚は、誰しもが持っているはずである。たとえば、  
・少し注意が散漫になっている(今現在の  自分の頭の働きについての認知)  
・この問題は自分では解けそうもない(自  分の能力についての認知)  
・この人の電話番号は知らない(自分の持  っている知識についての認知)  
・こうすればうまくいくはずだ(頭の働か  せ方についての認知)  
いずれも、自分の頭の働きについてもう一人の自分(ホモンクルス;頭の中の小人)が監視しているからこその感覚である。これを、認知(頭の働き)についての認知ということでメタ認知という。なお、メタ(meta)とは、「あとから」「越えて」を意味する接頭語である。

●メタ認知はこのよう働いている  
メタ認知は、頭が順調に働いているときにはほとんど働かない。認知に過剰な負荷がかかりそうなときや、うまく働かなくなると、メタ認知の出番となる。  
たとえば、車の運転。「狭い道なので危ないから速度を落とそう」も「疲れてきたから休もう」もメタ認知が働いた結果起こった自己コントロールである。あるいは、問題を解くとき。「やや難しい問題だが、時間をかけて頑張れば自分だけで解けそう」という見通しをつけられるのもメタ認知のおかげである。  
メタ認知が必要なときに機能しない/させないと、エラーが発生したり、無駄な試みをしてしまうことになる。  なお、メタ認知が過剰に働いてしまうのも問題である。それだけ頭に過剰に負担がかかったり不具合が発生している状況に置かれているからである。あまり長期間そうした状態が続くような認知生活の点検が必要だし、場合によっては休息かカウンセリングが必要である。

●メタ認知力をつける  
メタ認知力は、心の成熟とともに自然に身についてくる。したがって、それをあえて訓練してまで身につけるほどのことはないとも言える。ただ、せっかく持っているはずのその力を発揮しないままになっていることが多い。そこで、次のようなことを心がけることをすすめたい。  
一つは、内省する習慣を作ること。  
仕事に没頭していたり、順調に頭が働いているときこそ、ちょっと一服、あるいは就寝前などに自分の心を覗いてみるように心がける。  
二つは、心の動きを文章にしてみること。  
それも日々の出来事の記録ではなく、そのときの自分の心がどうであったのかに焦点を当てて書いてみる。そのとき、心理学の知識があると質の高い記録ができる。  

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