学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

メールよりも手紙で

2018-12-16 21:37:22 | 仕事
今日も青空が広がる1日となりました。冬の澄んだ空気によって、我が家から遥か向こうの山々がくっきりと見えるようになり、山頂付近は雪で覆われているのが見えました。どうりで寒いわけですね。

世の中に電子メールが普及してからずいぶん経ちます。電子メールはいつでも気軽に送ることができ、電話と違って先方に時間を取らせませんし、先方の都合のいいときに返信をいただくことができます。私はプライベートでも仕事でも電子メールを多用しますが、もはや一般的に広く利用されているツールであり、現代社会を生活するうえではなくてはならないものになっていますね。

ただ、こういう時代だからこそ、手書きの文章を書く、ということは自分の気持ちを伝えるうえで大切になっています。私は美術館での仕事、とりわけ、先方に何かを依頼させていただくとき、あるいは依頼していたことが終わったときの御礼には、必ずすぐに手書きで御礼状を書くことにしています。私は恥ずかしながら字がきれいではありませんが、精一杯の感謝の気持ちを込めて一文字、一文字と丁寧に書きます。また、すぐに書く、ということも大切なことで、1週間後に御礼状を書くようでは、先方に感謝の気持ちが伝わりにくくなってしまいます。

どんな仕事でもそうですが、すべては人と人とのつながりから成り立ちます。一つの仕事が終わったから、その人との関係が終わるわけではありません。特に学芸員はそれぞれ専門を持っているがゆえに、専門外のことは多くの学芸員や先生方から教わることが多く、また、展覧会を企画するうえで作家との関係も大切になってきます。誰にでも感謝の気持ちを持つこと。仕事をしていくうえで心に常に留めておきたいことです。

また、逆に私が御礼状を頂く場合もあって、それらは私にとってかけがえのないものになっています。仕事に失敗したとき、疲れたとき、弱気になったとき、先方から頂いた御礼状を読み返すと、不思議に気持ちが高揚し、元気が湧いてきます。御礼状の効用といったところでしょうか。

今宵もだいぶ更けてきました。これから温かいお風呂に浸かって、ゆっくり休むことにします。それでは、おやすみなさい。