学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

内村鑑三『デンマルク国の話』

2018-12-29 17:57:07 | 読書感想
今日も日中は暖かい日和で、とても過ごしやすい1日でした。午前中はショッピングを楽しみましたが、雑貨店に行きますと、「江戸帖」なる来年の手帳が売っており、思わず手にとりました。江戸風の千代紙らしいデザインの表紙に、なかは江戸の豆知識が満載。今はいろいろな個性的な手帳がでているのですね。

引き続き、内村鑑三の『デンマルク国の話』を読みました。とても短い文章です。ドイツとオーストラリアとの戦いに敗れたデンマークがいかに国を再生させたのかを述べたものです。内村は、国民の精神、国土の改良、信仰心が、再生のために必要なことであったと説きます。本書が岩波文庫で刊行されたのは、昭和21年のことで、つまり太平洋戦争が終結してから1年後のことですね。内村のメッセージは、明治時代のものですが、予言的な要素を含んでおり、岩波書店は内村の言葉を借りて、敗戦で意気消沈した日本国民へのメッセージ性を込めたのかもしれません。

年末の暮れ近くなり、街の中はだいぶゆったりとした雰囲気になりました。いつもせかせかした街が、ときどきこのように余裕のある雰囲気に変わります。いいものですね。明日もどうか晴れますように。