学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

やきものをつかう生活

2018-12-15 21:01:10 | その他
引き続き、今日も青空が広がる1日となりました。今日は吹く風が特に冷たくて、肩を縮こませながらの出勤でした。もうすっかり冬ですね。

先日まで、岡山県の岡山城と備中松山城をご紹介してきました。2つのお城は岡山を代表する観光スポットとなっているわけですが、やきものが好きな方であれば、もちろん備前焼を挙げられることでしょう。岡山県備前市は、古来より作陶で有名な土地柄です。

私は日々やきものを使う生活をして過ごしています。伊賀焼の土鍋でご飯を炊きますし、笠間焼の急須でお茶をつくって、備前焼の湯呑に注いで飲みます。自分の目で見て、好きなやきものを少し買い、それらと共に暮らす生活は、私にとってかけがえのない時間です。なぜなら、やきものを使うとき、作り手が心を込めて器を作ったように、私も心を込めて料理を作ろうと思うためです。また、器は使い込めば使い込むほど味が出て、親しみがわいてくるところにも魅力がありますよね。

近頃、私は若手の作家を応援したくて、彼・彼女らのやきものを進んで買っています。若手作家の作品なら何でもいいというわけではもちろんなく、柳宗悦風にいえば「正直な仕事」をしている作品を選びます。素朴で美しいもの。さらに、自分の手に取ってしっくりくるもの、そして花や料理を映えさせてくれるもの。あくまで日々使うことを目的としたお気に入りの器を探すために、時間をかけてじっくりと選んでいきます。

師走に入ると、前述した伊賀焼の土鍋が大活躍してくれます。昨夜もおでんを作りました。体の芯からぽかぽかと温まって、気持ちまで温かくなってきます。やきものには人の心を温かくする、そんな効用もあるようです。

寒さ厳しい日が続きますが、みなさまも温かいものを食べ、風邪などひかれませんよう、お過ごしくださいね。