学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

今年の仕事の進め方

2018-12-24 21:47:39 | 仕事
昨日の願いが叶ったのか、今日はとても良い天気となりました。いまは夜空に綺麗な星が浮かんでいます。寒い時期にも関わらず、この3連休にはたくさんお客様にお越しいただくことができました。本当にありがたいことです。

今日の午前中は収蔵庫整理をし、午後は来年度の展覧会の準備をしていました。集中してこなしていたせいか、あっという間に時間は過ぎていき、今日の仕事も無事に終了。

振り返ってみれば、今年は仕事の仕方、というよりも心構えを変えた1年でした。これまで仕事の進め方について、私は新人のときからビジネス書を読んで、効率的なやり方を模索して来ました。限られた時間の中で、どうやって高い効果を上げられるのか。私はグズグズしてのろまな性分ですので、それは大きな課題でした。それから、ビジネス書のやり方は少しずつ効果を上げて、年齢を重ねていくにつれて、仕事をさくさくこなせるようになりました。でも、こまったことが出て来ました。それは、だんだん館内のスタッフにも自分のような仕事の速さを要求するようになってしまい、相手の仕事が遅いと苛立つようになってしまったことです。もちろん、怒鳴り声をあげるようなことはしませんでしたが、ともに美術館を盛り上げていこうと協力する仲間たちに対して、あってはならない考えでした。

このような考えはいけない、と感じた今年の秋、私はビジネス書を読むのをやめ、ただ2つのことだけを念頭に置くようにしました。それは、仕事をひとつひとつ心を込めて丁寧にこなしていくこと。もうひとつは、どんなときも笑顔で仕事をすること、です。誰のために美術館で仕事をするのか。自分自身のため、ではなく、お客様のためです。お客様に美術館を喜んでいただくには、展覧会の内容はもちろんのこと、お迎えする美術館のスタッフの雰囲気も良くないといけないでしょう。それで以上の2つを実践することにしたのです。それから、不思議なことに、とても美術館にとって良いことばかりが起こるようになり、考えを改めて良かったと思っています。ビジネス書が決して悪いわけではないのですが、ある程度の数を読みこなしたら、それを土台に自分の頭で考えて、自分にあった理想的な仕事の方法を考え出すと良いのかもしれませんね。

この歳になっても、まだまだ社会人として勉強することが山ほどあります。今年も仕事を通して多くのことを学びました。今年の出勤日も残すところ、あと少しとなりました。今年も最後までしっかり仕事をこなしていきたいと思います。