保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

お盆に七夕? 堀川の「京の七夕」へ行ってきました。

2010-08-21 21:33:56 | 京都情報
本当に暑かった今年のお盆。

保津川下りは今年も盛況で、心身ともにハードなお盆となりましたが、
何はともあれ、無事に終えられたことを安堵するとともに、この暑い最中、
保津川までお越し下さった皆さまに感謝申しあげます。

さてさて、そんなハードなお盆シーズンを過ごしていた私ですが、
京都ではこのシーズンにあわせて、新旧入り混じった様々なイベントが
開催されていました。

新たな京の夏の風物詩として今年から開催されてのが「京の七夕」です。
期間は8月6日から15日までの10日間。

8月のお盆に七夕?と思われる方も多いことと思いますが、実は旧暦では
この時期が「七夕」にあたるそうです。

さあ、それを活かさない手はない!と祭イベントを作り上げてしまうところが
京都伝統のパーワの凄さと奥深さです。
祇園祭から五山の送り火までの間、静かになる京都を盛り上げる為、
行政はもちろん、産業、宗教、学術界から地域住民までの
「オール京都」体制で始まった「真夏の光りイベント」、それが京の七夕なのです。

会場となるのは二条城前を流れる「堀川」とご存知「鴨川」の2会場。

私は先頃「清流」が復活した「堀川会場」へ行って参りました。


開始時刻30分前である18時30分前に堀川に着いた頃には、もうライトアップを待つ
人たちで川辺の遊歩道はごった返していました。


あたりが薄暗くなってきた19時ジャストにライトアップが開始されると
多くの観光客から大きな歓声が上がりました。
川の両岸に飾られた「願い七夕」の笹飾りが灯りに照らされて黄金色に輝き、
子どもたちが書いた願いの短冊も眩しく光り輝きます。


歩行者は堀川を上流へ向かう北行き一方通行で進みます。
笹飾りを抜けると「竹と光のアート」が展示されていました。
テーマを決め全国から募集した作品集は、作家及び市内芸術系の学生により製作されました。


日が落ち、あたりがすっかり暗くなると堀川の清流にLEDを内蔵した「いのり星」という
球体が無数、放流されて川に光りの流れが演出されます。


西陣織の産業地である上京区を流れる堀川では、過って「友禅流し」も盛んであったことから、
同イベントでは「七色の光り」による「友禅流し」が出現し、時間差で様々の色に変化し
鮮やかで彩り豊かな演出で、訪れた人の目を楽しませていました。


そして京の七夕・堀川会場のメイン、「光りの天の川」です。

堀川の流れを竹による巨大なアーチで囲い、LEDにより光り輝く「天の川」が出現しました!
川の水面には青く光る「いのり玉」が流れ、私たちを「光り」の幻想空間へと誘います。
見上げるアーチのモニュメントに浮かび上がる「天の川」は彦星と織姫が一年一度、出会うことが
できるロマンチックな伝説を際立たせ、想像力をかき立てるに十分な演習がされていました。

日本最古の人工河川である堀川は平安京造営時は資材運搬に重要な役割を果たし、中世には保津川を流れてきた
材木を洛中の材木市まで運ぶ運河として多彩な機能を有していた川だったが、近年、都市化の波を受け、
水源を絶たれて「枯れ川」になっており、また主要道路整備の為、暗渠化するなど、京都では「忘れられた川」
となっていました。

その堀川に再び清流を甦らせ、この様なビックイベントの会場として観光活用し、
都市部ど真ん中を流れる川を親水性の高い水辺空間としてにぎわいまで取り戻し
演出してしまうとは、まさに「京都、恐るべし!」です。

自然環境に恵まれながらも、その水辺空間を活かしきれていない保津川も、
川とのふれあいに対する住民の情熱や活かす発想などなど、見習うべき要素が、
この堀川にはたくさんあるのではないか?
そんなことを強く感じながら、蒸し暑い京都の夜を堪能してきた次第であります。


堀川は陰陽師・安部清明が十二神将の化身・式神を隠していた「一条戻り橋」
が架かっている川として有名でもあります。




7月1日、今日から嵐山の鵜飼が始まりました!

2010-07-01 21:40:00 | 京都情報
京都・嵐山の夏の風物詩「嵐山の鵜飼」が今年も今日7月1日から始まりました。

「鵜飼」といえば岐阜の長良川や京都・宇治川が有名ですが、この嵐山・大堰川の「鵜飼」は
1000年の昔、平安時代にまでさかのぼり、清和天皇が宮廷鵜飼とご覧になったことから
始まったといわれ、その後、後宇多天皇など平安貴族に親しまれた由緒正しき「鵜飼」なのです。

今年も鵜匠や船頭が白装束に扮する「平安王朝・宮廷鵜飼」の再現も
行われ、源氏物語から飛び出したような平安貴族の雅な舟遊びを体験する事ができます。

「鵜飼」は‘かがり火’を焚き、鳥帽子に腰ミノという古式ゆかしい鵜匠スタイルで、
舟のから海鵜を操り、鮎など川魚を獲る古式の漁法で、つながれた6羽の鵜が
船子(かじこ)のかいの音に反応して、身を上下に暴れながら水の中に潜って
鮎など川魚を捕まえ、そのくわえたところで、鵜匠が手綱を引き寄せ、
喉をつまむみ、白く光る鮎を吐き出させて頂戴する漁法です。

鵜飼を川の上から間近に見ることができるのが、嵐山通船の屋形舟。

屋形舟では鵜飼見学だけでなく、料亭の料理を運び込んで「お料理船」として
一艘チャターして「鵜飼」を見物するのが‘京都通’の遊び!
以前、私達夫妻と某俳優さんご家族、某観光列車社長さん、某エリアショッププランナーの方と
舟を一艘貸切った時は、保津川下りの売店船でお馴染みの嵐山琴ヶ瀬茶屋のすき焼きを頂きました。
とても美味しくて皆さん大満足!

嵐山琴ヶ瀬茶屋の細川さんのサービスで「大車輪花火」も登場し、盛りあがったな~

とにかく、暗い水面に、火が演出する幻想的で古のムードをたっぷりな
嵐山の鵜飼、川の魅力を思う存分、堪能できることでしょう。


☆「嵐山の鵜飼」
期間:7月1日~9月15日
時間:7/1~8/31 19:00~21:00
   9/1~9/15 18:30~20:30
   大雨・増水・強風の場合は欠航致します。

乗 合 船 : 出船時間/午後7時 及び8時 (7月1日~8月31日)
             午後6時半及び7時半(9月1日~9月15日)
        乗船時間1時間以内・食事持込不可
        大人/1,700円  子供(4歳~12歳)/850円
        浴衣着用の方に限り 大人/1,500円に割引致します。

貸 切 船 : 乗船時間2時間以内(予約制)・食事持込可
        10人乗り・・・40,000円
        14人乗り・・・48,000円
        20人乗り・・・70,000円

注目!宮 廷 鵜 飼 :源氏物語千年紀記念 
        「 平安王朝 復元宮廷鵜飼 」
        出船時間/午後8時 (7月1日~8月31日)
             午後7時半(9月1日~9月15日)
        乗船時間1時間以内・食事持込不可
        大人/2,000円  子供(4歳~12歳)/1,000円
        乗船人数に限りがございますので事前にお問い合わせください。
        協力:京都市観光協会・嵐山保勝会
        
        
食事付き鵜飼見物船(貸切) :
        お一人様6,500円  
        お食事+船料金(鵜飼見物)、消費税込み、飲物別途(持込OK)
        予約のお申し込みは、10名様以上で、5日前まで。
        団体割引なし。料理の内容が変わることがあり。
        鵜飼中止の場合は、食事の内容及び場所の変更になります。
        大雨・増水・強風の場合は欠航。


京都の毎月21日は東寺の弘法さん(こうぼうさん)。

2010-05-21 22:31:49 | 京都情報
京都で毎月21日といえば東寺の「弘法さん」です。

東寺ゆかりの弘法大師空海の命日3月21日に基づき、毎月21日に開かれる
「弘法市」のことを京都では親しみを込めて「こうぼうさん」と呼びます。

境内一面に広がる露天の数はなんと、1300店舗、約20万人が訪れるという大規模な露天市です!

店舗も飲食系はもちろん、骨董品や古着から和雑貨のアーチストまでと幅広い分野の店が出店しており、
露天主とお客さんのやり取りも面白く、活気あふれる市なのです。


訪れる人も京都市民だけではなく、最近は修学旅行生や海外からの観光客も多く、国際的にも認知されている
京都いや日本の恒例イベントのようです。

日本人に負けじと海外の方も、露天主に値引き交渉を持ちかけ、上手に買い物をされているようでした。

今日の京都は真夏日を思わせる暑い一日でした。
ガラス細工の風鈴が、ときより吹き抜けるそよかぜに揺れ、心地いい音色を奏でていました。
まさに「日本の夏」がここには現存していると感じられる場所でもあります。


弘法大師といえば四国のお遍路さんの関係を抜きには語れませんね。

大師は青年期に出身地・讃岐の国(香川県)から四国・山中海岸、太龍岳、室戸岬、石鎚山などで山道修行を行い、
「虚空蔵求聞持法」の智恵を得たとされることから、後進の僧らが悟りを求め、各地より大師ゆかりの遺跡や霊場に
修行・参拝に訪れたことがお遍路の始まりとされています。
お遍路に欠かせないもの・・・それは‘杖’です。さすがは弘法市。今もしっかり‘杖’を売っていました。


まだまだ、紹介したい店や品物が多くあるのですが、全部を載せられないのが残念です・・・

時の経つのを忘れるほど、面白いもの、楽しいふれあいがいっぱいある「東寺の弘法さん」

毎月21日に京都へお越しなることがあれば、是非、訪れてほしい京都伝統の庶民のまつり、それが弘法さんです。



東寺は8世紀末に真言宗総本山の寺院として建立され「教王護国寺」とも呼ばれています。
平安建都の際、都の南玄関として羅城門の東に建てられました。
後に弘法大師・空海が賜り、密教の根本道場(こんぽんどうじょう)として今に至っています。
五重塔(国宝)は高さ57メートルの日本最高の塔で、寛永20年(1643年)に徳川家光が再建奉納したもの。
講堂(重要文化財)には、わが国現存最古の密教彫刻の一群や金堂(国宝)、大師堂(国宝)、蓮花門(国宝)など
納められており、世界遺産にも登録されています。

弘法さんは、『一服一銭』という茶を振舞うお茶屋さんが出たのが始まりといわれ、江戸時代から植木屋や薬屋など
も出店され、これが現在の「弘法さん」の起源だと言われています。


伊勢丹催事場の「九州うまかもん市」に行ってきました。

2010-05-17 10:07:52 | 京都情報
今、JR京都伊勢丹催事場で「九州うまかもん市」が開催されています。


がっつりとしたパンチのある食べ物がたくさんある九州の特産食の祭典とあって、
おなかを空かして行って参りました。

無類のラーメン好きを自認する私が最初に目指したのはやはり「ラーメン店」です。

九州は各ご当地ごとに、とんこつやちゃんぽんなど独自の系統を確立したラーメン文化が
受け継がれている地ですが、今回のうまかもん市に出店されていたのは、みそラーメンの「みそや・堂」!

みそラーメンといえば北海道が思い浮かびますが、鹿児島は薩摩産のみそラーメンの登場です。
極みラーメンと名づけられたラーメンは、とんこつと鶏がらのダシに味噌を加え、
24種類の食材を組み合わせ、煮込んだコクのあるスープ。
5日間、寝かしたコシのある特製麺を絡めて深い味わいのラーメンに仕上がっています。

ラーメンに舌鼓を打った後も‘うまかもん’を求めて会場を回ります。


まず目に留まったのは、福岡の「警固(けいご)ヤキトン」の骨付きスペアリブことヤキトン。
ジューシーな食感と熟成されたタレの香ばしいさに誘われて思わず2個買ってしまいした。


隣に目をやると大分は「吉野とりめし保存会」の吉野とりめしおにぎり(3個)を販売しているではないですか!
漫画「おいしんぼう」の中でも紹介され、絶賛されていた‘とりめし’。
江戸時代の末期、この地域の猟師の手で生み出されたそうです。
鶏肉とごぼうというシンプルな食材で炊かれたご飯ですが、口の中で鶏肉の甘みが広がり味わい深いおにぎりでした。

もう、おなかがいっぱい!となったところに、見つけたのは宮崎の「肉だわら総本店」の肉だわら。
地元産の豚ロースと米を使った「肉巻きおにぎり」。
見た目の怪しさと香りの香ばしさに惹かれ、思わず購入!

しょうゆ味と塩味の二種類どちらでも美味しいしっかり派のおにぎりでした。
濃い味付けと歯ごたえに九州らしさを感じました。

その後も、うに豆腐やベーコン、黒にんにくなど九州独特の特産品を大量に買い込んで
帰ることになったわけですが、ここ数日の晩ご飯のお供が豊富になったので
幸せ気分に浸っている私なのです。

このJR伊勢丹の「九州うまかもん市」は今日17日まで開催されています。


平安絵巻の再現!明日は嵐山で三船祭が催されます

2010-05-15 23:42:25 | 京都情報
明日16日(日)に、京都嵐山・大堰川(保津川)一帯で、平安時代の舟遊びを
再現した祭である「三船祭」が催されます。

三船祭は平安時代(898)宇多法皇が嵐山大堰川に竜頭の船を浮かべて
詩歌管弦を興じたことに由来する祭で、毎年5月の第3日曜日に
祭神である車折神社の延長神事として催されています。

当日は、渡月橋上流の水面に竜頭、鵜首などの美しい飾りを施した華やかな舟が
多数浮かび、その舟上で平安時代の衣装に扮した人達が詩歌、管絃、舞楽など
平安時代の遊びに興じます。

まるで平安絵巻から飛び出した様な風雅な風景を見ようと、毎年、渡月橋周辺には
約10万人の拝観者が訪れる嵐山恒例‘水’の祭りです。

私達もお客さんが降船した後、水辺を行き交う飾り舟の間を縫うようにして横切っていきます。

祭の奉納行事の一つ、舟からの‘扇流し’に遭遇すれば、雅やかな扇を掬い上げ、
戴くこともできるので、楽しみにしています。

この扇流しは、足利将軍が天龍寺へ参詣の際、お供の童子が誤って川に落した扇の流れる姿に優美さを感じ、
始めてもので、天龍寺参詣の度にお供の人々が競って扇を川に流したという故事に由来しているそうです。

「花の御所」に象徴される室町文化、京雅が華やかなりし時代。
なんとも優雅な美意識ですね。


この華やかなで雅な三船祭に、保津川下りの舟で遭遇したい方は、正午頃に亀岡を出航する舟に
ご乗船いただくと、祭舟を舟上にて間近にご覧になれますよ!

是非、この機会に三船祭と保津川下りをダブルで楽しんでみてはいかがでしょう。
お徳感満載ですよ!

三船祭は、たびたびの大洪水で毎年のように大きな被害が出た大堰川(保津川)の
復旧工事に当たっていた車折神社・祭神の清原頼業(よりなり)公の子孫一族が
車折神社の境内に「水の神様」を祭り治水を祈願したという由来を受け
昭和3年(1928)より始められました。


☆「三船祭」スケジュール
 
 正午    車折神社において「おでまし式」
  
 午後1時   神幸行列神社御出門、三条通を西へ向い渡月橋を
         渡って嵐山中の島公園剣先に到着。
  
 午後1時40分 中の島公園剣先において神儀が御座船に御乗船。
  
 午後2時頃  御座船を先頭に龍頭船、鵜首船以下各供奉船が
         順次発船、この間御座船に対して龍頭船を先頭に
         各供奉船は奉納行事を行いつつ、
         大堰川(おおいかわ)を舟遊します。
 午後4時頃  神儀が北のりば付近に御上陸の後、車折神社
         嵐山頓宮に入御、祭事を了えます。



明日、京都・下鴨神社で「流鏑馬神事」が行われます。

2010-05-02 17:28:45 | 京都情報
新緑が目に沁みる5月のGW。

京都では明日3日(月)に左京区ある世界遺産・下鴨神社で恒例の「流鏑馬(やぶさめ)神事」が行われます。
流鏑馬行事とは、京都三大祭のひとつ「葵祭」(5月15日)の前儀として行われる神事で、
京都御所から出発する葵祭の行列が、平穏無事に到着するよう清めの神事として行われます。

平安時代の装束に身を包んだ武者が、疾走する馬上から的に鏑矢(かぶらや)を射る、
日本の伝統的な騎射の技術を再現した儀式です。

下鴨神社の境内にあるまっすぐに伸びる馬場・約350m間に3ヶ所の的を設け、次々と射手が射抜いていく様は
勇壮で迫力があり、約50cm四方の的板が「パン!」割れる度、儀式を見守る約2万人の観客から拍手と歓声が沸き起こります。

流鏑馬の歴史は古く、飛鳥時代にはすでに行われたいたという記録が残っています。
下鴨神社では流鏑馬の原型となった「騎射」(きしゃ)と長く呼ばれ、源頼朝以後の武士系の流鏑馬でなく、
公家系の流鏑馬なのが特長。明治初期の一時期、中断されていたが、1973年に古式の作法で
呼び名も騎射から流鏑馬と改め100数年ぶりに復活しました。

天気予報では明日も晴天に恵まれる様です。

おそらく下鴨神社も流鏑馬見物に大勢の人が訪れることでしょう。

流鏑馬神事は午後1時から始まり、有料席もありますが早いもん勝ち。また、無料で比較的よい場所での
見学を希望される方は早めに場所取り(3時間前とも?)をされる方がいいと思います。
席を確保すれば出入り自由で、境内の見学や神事も見れることでしょう。



下鴨神社は上賀茂神社とともに古代の賀茂氏の氏神「賀茂別雷神社」を祀る神社であり、
賀茂神社(賀茂社)と総称され、京都では両社をあわせて一つの「社」ともいわれています。

境内には賀茂川と高野川に挟まれたデルタ地帯に鎮座し、古代京都の原風景が残るといわれる「糺の森」がある。


☆下鴨神社
市バス「下鴨神社前」下車、徒歩3分。
京阪・叡電「出町柳駅」下車、徒歩10分。

保津川下り乗船場前に夏目漱石の清遊記念碑を建立

2010-03-27 18:09:04 | 京都情報
かの文豪・夏目漱石が明治40年に保津川下りをされたことを記念した「漱石 明治40年保津川清遊記念碑」が
このほど、保津川遊船企業組合・乗船場前の畔に建立されました。

これは夏目漱石の「人となりと作品」を研究・顕彰されている
「京都漱石の会」の方々が建立して下さったもの。

漱石は保津川下りの乗船体験を、自身が職業作家となって最初の執筆した
小説「虞美人草」で紹介されています。

それが約100年の歳月を経て「記念碑」としてお目見えした訳ですが、
私的には、なぜ、今までなかったのか?不思議なくらいです。

このたび、漱石の会の皆さまの手により、この様に素晴らしい記念碑が
建立されたことは、市内外へ向かい、保津川の歴史・文化的な蓄積を
目に見える形でアピールするものとなり、保津川を仕事場し、その価値の
掘り起こし活動に取り組んでいる者として、心から感謝申し上げる次第です。


この記念碑は、現在、建築中である新社屋を移転する今年いっぱい、この場所に
仮建立され、社屋と乗船場が移転が完了する、来年度に本建立を行う予定です。

明日から保津川下りは運航を再開します。

新たに建立された、文豪・夏目漱石の碑をご覧下さり、文学の香りが漂う川景色に
触れてみてはいかがでしょうか?


「京都漱石の会」は平成19年(2007年)に発足しました。

亀岡が生んだ偉大な教育者・中川小十郎さん。

2010-03-14 21:21:24 | 京都情報
みなさんは「中川小十郎」という人物をご存知でしょうか?

答え・・・京都にある立命館大学の創設者にして、京都帝国大学(京都大学)の設立に
尽力した近代日本教育界の礎を築いた人物です。
この中川小十郎さんの生誕地こそ、我が地元・亀岡市なのです。

中川小十郎さんは、戊辰戦争から公家・西園寺公望に仕えた丹波郷士(弓ぜん組)の家系で、
今の亀岡市馬路町(馬路大納言の産地)に生まれました。

小十郎14歳の頃、叔父で東京女子高等師範学校長(お茶の水女子大学)であった中川謙二郎の
勧めで上京、東京帝国大学予備門(旧第一高等学校の前身)に入学されます。
この時の同級生には夏目漱石や正岡子規、南方熊楠、芳賀矢一、山田美沙などの錚々たる
学友がおり、ともに机を並べて青雲の志を燃え上がらせる青年時代を過ごされました。
特に漱石と子規とは仲がよかったそうで、夏目漱石初期作品の「虞美人草」に
保津川下りをした記述があるのも、小十郎さんとの付き合いを思うと、面白さもあります。

東京帝国大学法科を卒業後、文部省へ入省、当時の文部大臣であった西園寺公望と出会い、
戊辰戦争時の縁もあり筆頭秘書官に就任し、その後、終生、行動をともにされるのです。
また、西園寺公望の最大の事業といわれる、京都帝国大学設立の事業化を
実質的に指揮し(事務局長)、国つくりに必要なリーダー的人材の育成にも努められました。

西園寺の文部大臣辞任に殉じ、省を退官後は、実業界に転進し、銀行など金融機関の設立に尽くし、
関西経済界に大きな業績を残され、また、貴族議員として政治家としても活躍される一面も。
しかし、小十郎さんが終生、情熱を注がれていたのはやはり‘教育’でした。
京都帝国大学が旧制第三高等学校の卒業生しか入学できない京都帝国大学のあり方に、
西園寺並びに自身の教育理念でもある「能力と意欲のある若者に教育の機会を与える」
との乖離を感じ、私学の必要性を説き、自らも私学・京都法政学校(立命館大学の前身)を
創設されたのです。

自身の徹底した実学志向は‘夜学’という制度を導入した姿勢にも表れています。
経済的に貧しく、勤労を余儀なくされる家庭環境の子弟にも「学びたい!」という、
強い志を抱く若者(女子も含む)は大勢いた時代です。
「高等学校へ行かなくても教育を受けられる機会を与えたい」という理念を
具現化されたのが京都法政学校だったのです。

今の政権が議論している「お金を支援する」というやり方とは全く異なる理念です。

その後、同校が幾多の多士を輩出した実績をみれば、小十郎さんの理念や行動の正しさがわかります。
後に、西園寺が京都御所内の私邸に設立していた「私塾・立命館」の名称を継承し、1912年に「財団法人・立命館」を設置。
大学2校、中高4校、小学校1校を有する現在の「学校法人・立命館」の隆盛へと導いていくのです。

このような近代国家の形成に欠かすことができない‘教育’に生涯を賭け、の偉大な業績を残された小十郎さんですが、
学祖・西園寺や招聘した優秀な教授陣(石原莞爾氏や末川博氏)の陰日向となり、
自らはけして目立つことなく、謙虚な姿勢を貫かれました。

立身出世が栄誉とされる時代にあって、自身のこの姿に、真の教育者像を感じるのです。

偉大な教育者でありながら、その性格からか、生誕地である地元・亀岡でも小十郎さんの知名度は今ひとつ。
生誕地であることすら知らない人が多いのです。
しかも、立命館卒業者やゆかりの人たちが多く住居を構える亀岡の地で、今まで
小十郎さんを「顕彰しよう!」という動きすらなかったことは、誠に不思議というしかありません。

そこで、この度、立命館大学校友会のご助力を頂き「立命館・亀岡校友会」を設立すべく
準備が進められ、正式に今月28日、ガレリアかめおかで創立総会を開催致します。

将来的には「立命館」という一学校の会だけではなく、地元・亀岡が生んだ
日本の偉人として市民・一般の方々と「中川小十郎顕彰会」という組織設立への準備にも
掛かりたいと思いを持っております。

中川小十郎さんを顕彰することで、自然と歴史、文化の香り漂うこの亀岡が、これからも、
さまざまな活きた人材を輩出する環境を築き「教育先進都市」として注目される街になれば、素晴らしいことだと思います。

亀岡にお住まいの立命館出身者の方々はもちろんのこと、
市民の皆様のご協力をよろしくお願い申し上げる次第です。

☆立命館大学校友会 亀岡校友会設立総会および記念講演会
 日時:2010年3月28日(日)午前9時30分から
    校友会設立総会。
           
    午後1時30分から記念講演会(市民参加)
    参加費 1000円

明日から「京都・東山花灯路2010」が開催されます。

2010-03-12 18:50:02 | 京都情報
京都の早春恒例行事「京都・東山花灯路2010」が、明日13日(土)から22日(日)までの10日間、東山の山麓に連らなる街道で行なわれます。

花灯路は、東山山麓の北は青蓮院から知恩院から円山公園・八坂神社を通って、南は清水寺までの散策路約5キロ間で
行なわれるもので、北山杉磨丸太や京焼・清水焼、京銘竹、京石工芸、金属工芸など
7種類の路地行灯を約2400基設置し‘光の街道’を演出します。
恒例の寺院・神社特別拝観・ライトアップも行われます。

明日から開催される花灯路のオープニングイベントとして、NHK大河ドラマ「龍馬伝」に
千葉定吉役に出演されている、ご存知・我らが黄門様・里見浩太朗さんによるトークショーが開催されます!
知恩院三門で行われるトークショーには、NHK大河ドラマチーフプロデューサー鈴木圭さんも交えて、龍馬役の福山雅治さんや出演者の撮影秘話など、楽しいトークを繰りひろげます。
日時 3月13日(土) 17:45~会場 知恩院三門

また、各華道流派のいけばな作品と一輪挿しの花をライトアップで展示する「いけばなプロムナード」も健在。
‘灯り’と‘花’のコラボで優雅な古都情緒溢れる路地街道が姿をあらわします。

「京都東山花灯路」のイベントはまだまだあります。
円山公園内を流れる「吉水小川」の水面に、約500本の青竹の灯篭を設置し
‘灯りの川’を出現させる人気の「竹灯り・幽玄の川』も出現します。

その他、京都の芸術系大学・短期大学の学生による「伝統の灯り展」や地元小学生による「火の用心・お囃子組」
謎の行列「きつねの嫁入り」も同時開催されるなど京都東山の夜は賑やかな光りに包まれます。


今年で7年目という京都の春を演出する恒例行事となった「東山花灯路」ですが、毎年100万人以上の人出で賑わう人気イベントとしてすっかり定着してきました。
今年は知恩院法然上人800年大遠忌記念行事や「龍馬伝」関連行事が霊山護国神社及び
霊山歴史館で開催されるなどさらに協賛行事満載の東山花灯路。

もちろん保津川遊船も協賛企業として協力し盛り上げてます。

古都ならではのはんなりした癒しの光と賑やかなイベントで、ロマンチックな‘京都の夜’を是非、体験してみて下さいね。

☆「京都・東山花灯路2010」」
 平成22年3月13日(土)~22日(月・祝)
 点火時間 午後6時~午後9時30分
 問い合わせ 高台寺公園総合案内所 ℡075(525)3300

*花灯路で使用する電気は全て京都市民参加型太陽光発電施設
 「おひさま発電所」で発電されたものでまかなってます。

嵯峨野・トロッコ列車、明日1日から運行開始!今年も保津峡の春が始まる!

2010-02-28 20:33:18 | 京都情報
先週からの暖かな陽気に春の訪れる足音を感じる今日この頃。

保津峡ではいよいよ明日3月1日(月)から、「嵯峨野観光鉄道・トロッコ列車」
が‘冬眠’から目覚め、通常運行を開始されます。

トロッコ列車は、JR嵯峨嵐山駅に隣接するトロッコ嵯峨駅から保津峡を抜けトロッコ亀岡駅までの
7.3キロ間を、1時間に1往復しながら、走る観光列車。

保津峡に、このトロッコ列車が走り出すと京都・嵯峨野の‘春’は
一気に華やかさを増し、盛り上りをみせます。

四季折々の美しい保津峡の景色を、車窓から眺める列車の旅は、嵐山・嵯峨野はもちろん、
今や京都の人気観光スポットとして、世界にその名を轟かしています。

保津峡の雄大なパノラマに抱かれ、渓谷を渡る、爽やかな春風と新鮮な空気を
胸いっぱい吸い込み、寒さで硬く縮んだ体と心をやさしく和ませてくれるでしょう。

列車内では、記念写真のサービス(有料)やマスコットのトロッキーや酒呑童子など
オリジナルキャラクターも登場して、観光客を最高に楽しい気分にさせてくれます。

また、駅構内には、昔懐かしいSLが収納されているカフェラウンジやフードコート、
オフィシャルショップなども充実しており、旅の思い出を運んでくれます。

谷間を縫うように流れる保津川を眼下に見て、自然を満喫しながら、
古きよき鉄道の歴史に思いを馳せる‘列車の旅’を是非、ご堪能下さい。

通常運行便は一日往復8本。(GWや秋の紅葉シーズンは臨時便一本増便)
午前9時台~17時台まで往復運行します。
定休日は水曜日但し祝日は例外。

☆3月13日以降はJRダイヤ改正により変更します。

そして忘れてはいけないのが、トロッコ列車ほ保津川下りのセットコース!
京都嵯峨野からトロッコ列車で亀岡まで来て帰りは保津川下り!という、
列車と船をセットした贅沢な旅もよろしくお願い致します。

保津川下りは3月9日まで、冬使用の‘ポカポカ暖房船’なので、
少し寒い日でも安心!一足早い「保津川の春」をお楽しみください。