保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

晩秋の川作は・・・

2004-11-29 23:21:09 | 船頭
今日は運の悪いことに川作隊の任命に預かり、
霧の立ち込める晩秋の保津川に浸かって来ました。

川作隊とは?・・前からこのページをご覧になっている
方はすでにご存知だと思いますが、知らない人の
為に説明させてもらうと、台風などの大水で河川が氾濫した
後の荒れた川底整備のことです。

この作業は季節に関係なく川底が変化する度に
行なうもので、安全な航路の確保に欠かせない、
船頭の重要な作業の一つです。

この川作が最も厳しいものになってくるのが、
晩秋から冬にかけてです。

その晩秋の川作にはっちんは当たってしまったのです。

川作隊を乗せた船は一番船より早い朝7時半には出航します。
昨晩の今の時期、辺りは昨夜の放射冷却で出来た深い霧が立ち込めています。
ジャンパーを着て船に乗っていても寒くて身震いがするのに、
これから数分後のはダイバースーツに着替えて、霧が湯気のように上がっている
川に飛び込み作業にかからねばならないのです。

着替えは船の中か、岸につけて河原で着替えます。
服を一枚づつ脱いでいく後とに、身体が冷えて行くのが分かります。
最後は下着一枚。ここまで来ると全身の神経をわざと停止させます。
霧から降り注ぐミスト状の水滴と山に吸い上げられる様な寒風を
感じ無い様に、息止めて着替えるのです。

しかしこの時期の川作では、こんなのはほんの序の口です。
これからが本番、川の中に飛び込み作業開始!

川に飛び込むと神経の停止など通用しません。
全身の神経が飛び起きてしまいます。

川の水は寒さなどという言葉すら生易しいほどの
もので全身に痛さすら感じてきます。
そこへ渓谷から吹き上げる霧と寒風が水面から出ている顔を襲います。
数分で骨のズイまで冷えていくのが確かに分かります。
その姿はまるで高野山の修業僧のようです。
とはいえ、私達船頭はただ川に浸かって修業していればいいと
いうものではなく、その状況下で川底の整備という
荒仕事をしなくてならないです。

作業に出ている皆は「寒い~寒い~」と口々に一人語を
繰り返しながら、淡々と作業をこなすしていくのです。

この作業は大体夕方4時過ぎまで続けられます。

家に帰る頃には精も根も尽き果ててしまいました。

また今日は夜から空手の稽古日です。
一息入れる間もなく道場に一直線!

正直今はこのブログを書く事すらきついです。
しかし、毎日私のブログを見て頂いている
約400件の方の為、頑張りました。押忍!

*写真にはまたまた登場の川作コンビ
 俣野君と高木君が腰まで川に浸かり
 頑張っているところです。




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