保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

未来の保津峡を花で飾ろう!サクラの植樹を実施。

2008-12-12 12:05:06 | 保津川エコ・グリーン委員会
「未来の保津峡を花いっぱいに彩ろう!」
を合言葉に昨年から始められた
保津川遊船エコ・グリーン委員会による
「さくらの植樹プロジェクト」が昨日11日、
保津峡の清水(しみず)右岸で実施されました。

我々遊船の同委員会では昨年の女淵右岸のサクラの植樹
に続き2度目の植樹作業となります。

当日は早朝7時30分に同委員会メンバー8名にヘルプメンバー
4名が加わり計12名が乗船場に集合、一日掛けて
20本のサクラと1本のイチョウを植樹を行いました。

前日に用意しておいた‘サクラの苗’や鹿防護ネット、
肥料などを船に積み込み、現場となる清水を目指します。
出航してから約40分ほどで現場である‘清水’に到着。
対岸には京都の銘木‘北山杉’が植林されている美しい所。

船を接岸し、勾配厳しい植樹現場までサクラの苗など
を手分けして運びます。


荒れ放題となっている植樹予定地。まずは草刈機で雑木や草
を刈り、植え込みし易いよう整備からはじめます。

とはいえ、今回の植樹メンバーの殆どが昨年も参加した
者達で構成されているので、草刈り後は、スコップで
サクラの根を埋める穴を掘る者、肥料バーグを植樹ポイント
に置く者、川の水をバケツ汲み上げる者など、実に段取りよく
分業がなされ、効率よく順々にサクラが植えられていきました。


サクラの植樹作業は根を埋める穴掘りから立木までのハード面が
終わってからが、実は手間の掛かる作業が多くあります。

鹿や猿に若木の皮を剥されないように、防護用ネットを
張る作業や植え付けた木が風などで倒れないように
添え木を組まなくてはなりません。
これが実はテクニックがいる細かい作業で時間がかかるのです。

この時期、渓谷の日暮れが早まるので植樹は時間との勝負です。
船で渓谷深い場所に来ている我々は日が暮れるまでに
渓谷内を抜け嵐山まで下ってなくてはならないわけですが、
今回の植樹作業もメンバーの手際のよさに、土壌のやわらかさ
という好条件も手伝って、スムーズな工程で植樹を終えることが
できました。


全ての作業を終え、恒例の‘みんなで記念写真’!
このみんなの‘笑顔’が、歴史ある保津峡の自然に
「自分達の手で計画し、植えたんだ!」という
‘足跡’が残せた喜びと達成感が伺えます。

1200年という水運の歴史を誇り、遊船となっても
100年以上の歴史がある保津川。
その間、多くの先輩諸氏によって守られてきた渓谷の自然。
我々はその遺産により今、四季の花に彩られた美しい渓谷
保津川を満喫することができます。

この歴史の遺産と思いを次の世代の人達に受け継ぐのは
今に生きる我々の世代の使命でもあります。
美しい保津峡を未来へ引き継いでいく為には
我々の植樹はまだ‘ほんの小さな一歩’かもしれません。
が、メンバーの気持ちが‘未来’という、夢と希望
へ向かって行動できたことは我々保津川遊船としては
大きな前進への‘一歩’であったと確信します。

私達保津川遊船企業組合エコ・グリーン委員会によって
「保津峡サクラ植樹事業」が二年に渡り実施できたことは
関係団体及び組合員皆様のご協力の賜物と感謝する次第です。


私個人としては同委員会の委員長任期が最後の年でした。

3年前に始まった保津川開削400年記念事業から
一貫して保津峡・保津川に籠もってきた魅力の再発見と
景観再生を目指し、微力ながら懸命に取り組んできましたが、
今回の任期満了をもって、自分の中では一つの区切りが
付いた気がしております。

時が経て、このサクラが花開き、艶やかに保津峡を彩る。
それを観る乗船客が歓声をあげながら下る姿を
想像するのなんとも楽しくロマンチックなこと。

‘人間は生きた証として 何を残すのか?’

今、自分は何かを残せたような気がしています。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿