ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2014.7.25 酷暑お見舞い申し上げます~臭くても美味しい食べ物って?

2014-07-25 19:40:47 | 日記
 それにしても暑い。こう暑いと、ふと日本はいつから熱帯になったのだろう、と思ってしまう。

 そこで思い出すのが、南国のあの強烈な匂いの果物の王様“ドリアン”である。
 何故にあれが果物の王様なのか・・・わからない。果物は概ね何でも好きだけれど、ことこの王様はどうしても頂けない。果物の女王“マンゴスチン”の方が数段好きである。
 方や夫はドリアンが大好き。結婚してまもなくの頃、マレーシア・ペナン島を訪れた時が初めての出会いだ。ちょうどツアーが2人だけ、という恵まれた環境だったので、ドライバー+ガイド+私たち夫婦の4人で1台のセダンを乗り回すという贅沢な数日間だった。
 その時、フィリピン系の小柄なガイド嬢が、訪れた市場でちゃっかり自宅用にドリアンを買い込んでトランクに入れたから、さぁ大変!一般にドリアンを公共の乗り物や建物に持ち込むことは出来ない筈。が、まぁ、このお気楽そうな夫婦なら食べさせてもやれば文句は言うまい、大丈夫だろう、と思ったのかどうか。
 
 夫は果敢に挑戦(そもそも食べることが仕事のような人である。)、だが、私はどうしても口に入れられなかった。何よりあの暑さの中、あの腐敗臭ともいえる匂い・・・である。夫はすっかりドリアンの味の虜になり、隣国のタイをはじめ南国を旅するごとに、あれば必ず嬉しそうに食していた。
 一方、息子も私と同様ダメなクチだった。夫から無理に食べされられそうになって、涙で抗議していたのも懐かしい思い出だ。

 それはクサヤも同じ。クサヤなるものも、私は就職するまで全く未知なる食べ物だった。30年前の当時、古き良き時代だった頃のこと。もう時効だと思うので白状するのだけれど、退庁時間が過ぎると、どこからともなく得も言われぬ凄い匂いが立ち込めてきたのである。びっくりした私は思わず、「どこかで汚物が漏れているのではないでしょうか!?」と叫んだ記憶がある。そう、七輪でクサヤをあぶって、酒の肴を準備していたのだ。
 今も島のお土産等で頂戴することはあるが、鼻をつまもうが、目を瞑ろうが、何をしようが、どうしても口元まで持っていけない。当時から、おじさまたちに「鼻をつまんで食べてしまえば、こんなに美味なものはないんだ。もったいない!」と言われ続けたのだけれど、やはり無理なものは、無理である。
 かつては密封しているから大丈夫、と瓶入りのものをパッと開けて、口に放り込んではすぐにまた瓶のふたを閉じながら、いじましく食していた夫も、余りに私が嫌がるので自宅まで持ち帰ることはなくなっている。

 さて、ドリアンに話を戻す。
 朝日新聞ネット記事の連載“地球を食べる”「ドリアン 無臭パッケージの開発も(バンコク=大野良祐2014年7月24日)」によれば、「無臭パッケージング」の開発がタイ・タマサート大学科学技術学部で進んでいるそうだ。活性炭を応用した新素材の開発に成功し、におわないだけでなく、果肉が発するにおいのもとのチオールの量で熟れ具合を色表示できる機能性包装技術を確立したという。この技術で今年4月のジュネーブ国際発明展の金賞を獲得。これで、においを気にせず、世界中にタイのおいしいドリアンを届けることができる、らしい。果物の輸出を手がける企業がこの包装を採用し、工場を建設中。来年からパックドリアンの輸出が始まる予定だという。狙うのは香港、上海、シンガポール、ブルネイ、米国西海岸などの所得水準の高いプレミアムマーケット。果肉だけのパッケージなので輸送効率がよく、十分採算がとれるという。
 次に開発を目指しているのは、タイの香料植物を利用した、消臭スプレーだという。小さいスプレーをドリアンパックに1本入れて、食後に口内と指に一吹きすることで、完全にドリアン臭を消し去るのだという。
 この「無臭ドリアン」が開発されれば、私も晴れて果物の王様を口に入れることが出来るだろうか・・・。この暑さの中、きわめて難しい問題である。
(夫にこの話をしたところ、「臭いの無いドリアンやクサヤなんて不味そうで食べたいとは思わない」というのがその感想であった・・・・。ちっ!)
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする