三陸鉄道 車内補充券

2011年3月11日14時46分18秒に発生しました東日本大震災から、きょうで1年が経過しました。


100年に1度と言われる未曾有の痛ましい大災害は、地震や津波による自然災害と原発事故という人的災害という大きな被害をもたらし、1年経った今でも御被災された多くの方々の生活を脅かしています。
一方では、復興をネタにしたビジネスも横行しているという事実は、大変忌々しきことであり、考えさせられます。


1日でも早い復興と、決して簡単に元に戻れるものではありませんが、御被災された方々の生活が少しでも取り戻せますよう、心よりお祈り申し上げます。



さて、本日は先の大震災で甚大な被害を受けた三陸鉄道の車内補充券です。



   



現在部分運休中の北リアス線(久慈~宮古間)と全線運休中の南リアス線(釜石~盛間)および連絡するJR線の駅が記載された駅名式券で、三陸鉄道自社地紋の券です。JR区間は連絡運輸が行われている仙台市内および東京都区内の表記もあります。



発行箇所名は「三陸鉄道株式会社」発行となっており、近年の地方私鉄の補充券類に見られる、どこの箇所でも使用できる記載となっています。



現在では全線が一葉でまとめられている様式となっていますが、約25年前に訪問した際には各線ごとに券が分かれておりました。



   



こちらが北リアス線用のもので、久慈乗務員発行となっております。三陸鉄道自社地紋は現行のものと同じですが、左下には北リアス線を示す「〇北」の表記があるのが特徴です。


記載されている駅名を見ますと、現行券とは逆で宮古駅から久慈駅に向かって記載されており、同じ会社であるはずの南リアス線関連の駅についての記載は全くありません。



   



こちらは南リアス線用の券で、大船渡乗務員発行となっております。北リアス線用と同様に、左下には南リアス線を示す「〇南」の表記があるのが特徴です。


双方とも、自社線内の駅が特に分かりやすく囲まれているわけではなく、ある意味大変見づらい券です。



なお、南リアス線は大船渡駅までは達していませんので「大船渡乗務員」というのは不思議な感じがしますが、以前、現在の南リアス線運行本部が大船渡鉄道事務所という名称であったため、そのような表記とされていたものと思われます。



現在も一部不通区間のある北リアス線と全線不通の南リアス線を擁する三陸鉄道は、懸命な復旧作業が進められています。一日も早い全線復旧ができることを祈ります。

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西荻窪駅発行 平泉駅ゆき 補充片道乗車券

国鉄発足前の運輸省時代の昭和23年8月に中央本線西荻窪駅で発行された、平泉ゆきの補充片道乗車券です。



   



桃色GJRてつだうしゃう地紋のB型硬券が原型と思われ、右側の一部が報告片として切り取られたものです。真ん中に「二割」と押印されていますので、学割等の割引運賃にて発売されたものと思われます。



戦時末期から戦後の混乱期おける物資の欠乏時、貴重な紙資源を節約するため、鉄道乗車券は様々な倹約に対する工夫が凝らされました。この券はそのような中で誕生した様式で、従来D型硬券を使用していた補充片道乗車券のサイズをB型まで切り詰めて作成されたものです。



御覧の通り、必要事項を記入したらいっぱいになるような券面で、経由欄には殆ど記載するスペースが与えられていません。
また、運賃欄もぎりぎりに印刷されており、入鋏を入れれば記載事項が切り落とされてしまうような状況です。
報告片に至っては、残された片から察しますと約1.4cm幅しかありませんので、記載するには相当大変であったことが想像できます。


このような様式では、経由欄の記載は現在のように詳細に記載することはかなり至難であり、御紹介の券のように、比較的簡易に記載されていたものが大多数であると思われます。



経由は「仙台」とのみ記載されており、考えようによっては様々な経路で旅行することが可能であったと思われますが、まだ食べることさえ満足でなかったこの時代ですので、「呑気」に旅行をするような状況ではなかったことでしょう。

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京王電鉄 特別補充券の新券 (その4)

京王電鉄についての特別補充券考察の最終回です。

 

    (新券)


    (従来券)


    (旧地紋券)


上から、新券・従来券・旧地紋券と並んでいます。


記載されている御案内文の内容に変化は見られませんが、明らかに活字の様式が異なります。

 

   


横に並べてみると、よくわかります。
やはり、新券はオフセット印刷になっていますが、従来券および旧地紋券は活版印刷となっているようです。


このような現象は京王電鉄だけではなく、東急電鉄や西武鉄道、東武鉄道などの他社でも見られる現象となっており、印刷物の印刷方法の変遷という意味で実に奥の深いものとなっています。

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京王電鉄 特別補充券の新券 (その3)

前回のエントリーであることに気付いた、と書きましたが、そのことについて触れたいと思います。



   



京王電鉄の前身、京王帝都電鉄時代の特別補充券です。
京王旧地紋の券となっております。



じつは、京王新地紋の従来券は、京王帝都電鉄時代の活版が引き継がれていることに気付きました。
社名表記が差し替えられているのは勿論ですが、その他、券番の入れ方および新地紋券右上にある券片名を表す「(甲)」および「旅客」の部分に相違がありますが、その他はそのままとなっているのです。



   
   



まずは事由欄です。地紋は違っておりますが、活字そのものは同一であることがわかるかと思います。



   
   



次に原券欄です。やはり活字は同一と思われます。



   
   



入鋏・途中下車印欄です。明らかに異なっていた「〇往」および「〇複」の活字も同一です。



どうやら、従来券は旧地紋券からの活版をそのまま引き継いでおり、近年になって、活版からオフセット印刷へ、印刷方法の変更によって様式に変化が出てきたものと推測されます。



では、次回、裏面を見てみましょう。

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京王電鉄 特別補充券の新券 (その2)

前回エントリーより引き続き、京王電鉄の特別補充券について、新旧比較してみましょう。



前回、京王電鉄には従来様式と新様式があることについて御紹介いたしました。では、もう少し部分的に見てみましょう。



まずは「事由」欄です。



   
   



上が新券で、下が従来券です。明らかに活字のフォントと間隔が違います。



   
   



次に、原券欄です。
上が新券で、下が従来券です。これは分かりにくいですが、活字のフォントに違いが見られます。



   
   



次は、入鋏・途中下車印欄です。
上が新券で、下が従来券です。「〇往」および「〇複」のフォントが、新券はゴシック体ですが、従来券は明朝体です。



ここまで見てみると、あることに気付きました。
それは次回へ…



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京王電鉄 特別補充券の新券

先日京王電鉄の某駅にて、券売機で購入できない区間の乗車券を購入した際に発券された特別補充券です。



   



何となく今まで知っていた券と雰囲気が違っておりましたので、以前購入した券と比べてみました。



次に御紹介する券が従来券です。



   



こちらが従来の券です。



どちらもKEIO新地紋ですが、印刷の状態によるのかもしれませんが、まず、色目が違います。
そして、活字の雰囲気が違います。


地紋部分と活字の雰囲気の違いが分かるよう、ヘッドの部分を拡大してみましょう。



   
   



地紋部分の拡大です。


上が新券で、下が従来券です。
地紋の色や雰囲気の違いがお分かりでしょうか?また、「(京王)」の文字も違っています。



では、その他の違いについては、次回研究いたしましょう。
よろしければ、どの辺が違うか、見比べてみてください。

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