2022年3月14日(月)
ソメイヨシノばかりがサクラではない、バラ科サクラ亜科サクラ属には実に多様な種があり品種がある…などと知ったかぶりはヤメにして、わが茅屋の庭に自生する別種のサクラを親バカ気分で紹介しておく。
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ソメイヨシノは樹木全体を一様に桜色の花弁が覆い、それが魅力の一つでもあろう。こちらは枝先に房状に開花し、これはこれで可愛らしい。無数のぼんぼりが灯ったようでもある。一見、花房がむくむくして八重か何かのように見えるが、そうではない。
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この通り個々の花は五弁である。ただ、たくさんの雄蕊が白く長く密生して花弁を覆い隠すほどに伸び、それがぬいぐるみの毛羽立ちのような輪郭をつくり出している。
この時期にはスズメやらヒヨドリやら大小の鳥が訪れては、しきりについばむ仕草をする。花の何を食べているのかよく見えないが、この雄蕊ではあるまいかと思っている。
庭のサクラのもう一つの自慢は、ひと月余り後にはたくさんのサクランボを実らすことである。小粒だが自然な甘みは市販のものに引けをとらない。収穫できれば立派に食卓を飾れるだろうが、ここでも手強いライバルは鳥たちである。食べ頃を知っているうえ朝の出足が早いから、おこぼれにあずかるのが精一杯である。
「空の鳥を見よ、まくことも、刈ることもせず、倉に取りいれることもしない。それだのに、あなたがたの天の父は彼らを養っていてくださる。」
(マタイ 6:26)
宜(むべ)なるかな、そしてサクランボに関する限り、こちらもまた撒きもしなければ刈りもしない。ただ養われること、空の鳥と同じである。
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