散日拾遺

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「若輩者」は御勘弁

2025-01-13 20:25:10 | 日記
2025年1月13日(月・祝)
 「輩」という字は「ともがら」「やから」といった読みが辞書に見える通り、それ自体が「人」を表わす。
 従って「若輩者」は明らかな誤用で「若輩」が正しい…などと理屈をこねなくとも、「先輩者/後輩者」などと誰一人言わないことを思えば、感覚的に分かるはずである。せっかくいい感じに滑り出した今年の大河、こんなところでボロを出すのは何とももったいない。

 ついでに「輩出」という言葉、これは「続々と現れる」意の自動詞であり、「生み出す」という他動詞ではない。「伊豫松山からは多くの俳人が輩出した」が正しく、「伊豫松山は多くの俳人を輩出した」は誤り。おおかた「排出」という同音語に引っ張られるのだろうとは某教授の説、まるで排泄物みたいだねとカラカラ笑っておられた。
 考査担当者も「差別語」の揚げ足とりなんかより、こうした誤用の修正にこそ力と時間を注いだらいいのにな。
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