散日拾遺

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アメリカ大統領選開票結果

2024-11-07 09:24:23 | 日記
2024年11月7日(木)
 昨日は一日、この件で落ち着かなかった。落ち着かなさが数日続くことも覚悟していたが、蓋を開ければその日のうちにあっけなく決着した。
 2000年の大統領選では当初ゴアの勝勢が伝えられ、それを前提に記事を日本に書き送って床に就いたところ、朝起きたらブッシュが勝っていて大慌てで記事を差し替えたという逸話をベテランのテレビ記者が語っていた。同じことが起きないかと、一抹の期待も虚しく終わる。
 民主党の政策やハリス候補を評価するものではないが、トランプ氏が当選するようでは何も語れないし、今後に向けて不安と恐怖しか浮かんでこない、そればかりはどうぞ御勘弁というところだった。

 中東で終わりの見えない人道危機に関連して、アラブ系市民の票がトランプ氏に流れているという直前の新聞報道が、ことの一面を説明する。
 この人々が2017年のできごとを忘れているとは思えないし、思いたくない。同年5月、当時のトランプ大統領は在イスラエル米国大使館をテルアビブからエルサレムに移し、12月にはエルサレムをイスラエルの首都として正式に承認した。親イスラエル的なアメリカの歴代政権が、中東の歴史と現実を慮って手を出さずにいた火中の栗を、この大統領は躊躇なく拾ったのである。当時ロイター通信はこの決断が「悲惨な代償を招くことになる」と警告した。まさしくその通りで、現在のガザの惨状については他ならぬトランプ氏自身が小さからぬ責任を負っている。
 そうと分かっていても、大量殺戮に資する武器兵器の供与を止めようとしない民主党政権は、現時点でよりさし迫った目に見える敵なのである。この選挙でNO を突きつけることは当然の反応だが、トランプ氏の任期が始まってこれらの人々が安心できるかと言えば、おそらく現実は逆の方向に動くだろう。
 
 日中は都内で用事があり、居合わせた婦人たちに開票結果が気になってと話したところ、即座の反応が「そうなんですか、よくわからないし関心もないので」というものだった。人生経験も教養も豊かに備え、社会奉仕に淡々と携わる人の言葉だけに驚いた。意識や見識がどうこうというのではない、我々の生活に直接影響を与えかねない事柄であり、生活防衛を考えるなら聞き耳を立てずにはいられないこと、のはずなのだが。

 夜、E君からメールあり:
> かつてヒトラーとスターリンが秘密協定でヨーロッパを二分しようとしたように、トランプとプーチンと習近平が世界を三つに分ける暗黙の合意を結ぶことになりそうですね。ジョージ・オーウェルの予言が現実となるわけです。
 「悪の支配する世界でどう生きていくべきなんでしょう」とメールが結ばれている。「終わりの始まり」という言葉が頭上にちらつく。

 いつの時代にも多くの人々がそのように感じ、それにも関わらず歴史は続き人類は生き延びてきたのだと、努めて考えながら一日を始める。

Ω

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