壱岐移動運用メモ
[長崎県壱岐市]
壱岐は佐賀県伊万里市の北方にある大きな島です。全域が壱岐市になっており、人口は2.9万人ほどです。数年前に壱岐郡全体が合併し壱岐市になりましたが、今でも旧町名で言った方が通りやすいそうです。
対馬海流のおかげで日本最北限のサンゴが広がるなど比較的温暖で、長崎県でも有数の面積を誇る肥沃な平野があることからウニを中心とした漁業と稲作を中心とした農業が島の主産業です。麦焼酎の故郷としても知られています。
魏志倭人伝には「一大国(一支国の誤記とされる)」として登場し、古くから人が定住していたと考えられています。
この壱岐がなぜ長崎県なのかですが、これは中近世に壱岐で内乱があり、それに乗じた肥前松浦の軍勢が壱岐を支配したことに由来するそうです。肥前が長崎県と佐賀県になったときも長崎県に属することになりました。しかしながら現在は航路のある福岡市との経済的な結びつきが強いようです。
ちなみに対馬が長崎県であるのは壱岐が長崎県に属したため、他県に属すると飛び地になってしまうからだったと言われています。
なお、壱岐には「永田触」など「触」のつく地名が非常に多くあります。これは「ふれ」と呼び、文字通り御触書を配布した単位のようです。この他壱岐には大島・長島などいくつかの属島があり、市営フェリーで行くことができます。
アマチュア無線では対馬ほど多くはありませんが7MHzを中心に固定局が何局かおられます。一方で移動運用はあまり多くなく、固定局がQRVしないバンドはレアになっている場合もあります。
[島内での運用]
V/UHFは島の最高所でもある郷ノ浦の岳ノ辻展望台がいいでしょう。海上伝搬でかなり飛ぶと思います。
HFでは島内各所から運用できそうです。
[島へのアクセス]
福岡市の博多ふ頭から九州郵船のフェリーとジェット船があります。ジェット船は博多から約70分で到着し本数も多いことから日帰りでも行くことができます。フェリーは2時間20分前後かかるようです。
博多からの船は島の南西にある郷ノ浦港か北東にある芦辺港のいずれかに発着します。発着港は時刻表で明記されていますから確認をして利用してください。どちらも良港のため就航率は高いようです。
このほか佐賀県の唐津東港から印通寺港までフェリーが、長崎空港からオリエンタルエアブリッジの空路があります。唐津からのフェリーは航海時間が短いため、博多港から乗らず福岡前原道路経由で唐津からフェリーに乗る方法もあります。船賃も博多発着より安いです。
[島内でのアクセス]
路線バス・タクシー・レンタカーなど。
島内の路線バスは壱岐交通が運行しています。郷ノ浦本町にバスターミナルがありますが港からは離れており、郷ノ浦港-ターミナル間は船の発着にあわせて運行するそうです。接続便はバスターミナル到着後そのまま他の路線に乗り入れることもありますので詳細は壱岐交通または運転手に確認してください。
大島・長島等への発着所は郷ノ浦にありますが、九州郵船のターミナルとは異なります。時間に余裕を持って利用してください。
[宿泊施設]
観光ホテルから民宿まで多数あります。観光協会にお問い合わせ下さい。
[島内の店]
意外にもダイエーが芦辺にあるなど食堂や商店は揃っています。郷ノ浦や芦辺など旧町村の中心地であればまず問題ありません。
名物はウニで、ウニ丼が本土より安く食べられるそうです。この他島で上がった魚を使った料理を出す店は多いですし、チャンポンなど軽食を出す店も多くあります。
銀行や郵便局も主要集落にあります。
[おみやげ]
特産品は塩漬けのウニ、魚のひもの、麦焼酎など。お菓子ではどら焼きの原型とも言われる「かす巻き」が有名です。船のターミナルなどで扱っています。
壱岐の焼酎は麦で、スコッチウイスキーや球磨焼酎、琉球泡盛などと並んで地理的表示が保護されており、「壱岐焼酎」を名乗るには壱岐の地下水を使用し壱岐で蒸留しなければならないそうです。現在7軒の蔵元があります。