12/30(金)に岡山県瀬戸内市(JCC 3114)前島に移動運用に行ってきましたのでご報告します。
JIAが終了しますので今年最後の移動運用に行ってみましょう。場所は岡山県瀬戸内市の前島にしました。瀬戸内市は人口約3.7万人。旧邑久郡の邑久町・長船町・牛窓町が合併してできた市です。大正ロマンの象徴的存在である竹久夢二の出身地です。
前島は牛窓港の沖1kmにある人口110人の島です。牛窓港から30~60分毎にフェリーが出ています。漁業や畑作が行われており、小規模ながら宿泊施設やキャンプ場もあります。前島からは今回が初めてです。
牛窓港へはJR西大寺駅からの東備バスかJR邑久駅からの瀬戸内市営バスがあります。約1時間毎で所要20~30分、フェリーとの接続は考慮していないようで、日生諸島に比べるとアクセスに難がありこれまで行っていませんでした。最後なのでまぁいいやと行ってみましょう。
始発の新快速では昼過ぎになるので、それより早い電車で出発です。姫路まで快速、そこから赤穂線で播州赤穂に向かいます。
播州赤穂からは総社行きに接続です。
おい、こんな古いシートまだ残っていたのか・・・調べてみたら1975年製で当初は中央本線、国鉄民営化直前に岡山に来て一旦京阪神の快速に転じたもののまた岡山に戻ってきた47年の大ベテランです。
ようやく西大寺駅に到着です。西大寺は1967年までは西大寺市でしたが岡山市に合併され、以来人が岡山市内中心部に吸い上げられ衰退しました。岡山市の政令市移行により東区となっています。いま売り出し中の俳優・鈴鹿央士さんは西大寺の出身だそうです。
赤穂線では大きな駅ですが、改札は無人です。みどりの窓口も閉鎖され券売機になっています。
西大寺からは東備バスの牛窓南線があります。南線は県道28号を神崎経由でトレースする路線で、今年まで牛窓北線がありましたがこちらは瀬戸内市営バスに移管されました。
牛窓行きが来ました。これは両備バスの源流であった西大寺鉄道の気動車に似せたバスだそうです。西大寺鉄道が下津井電鉄と出資して作ったのが両備バスで、のち資本分離で西大寺鉄道系となり、最終的には親会社の西大寺鉄道を吸収合併しています。
このバス、ご覧の通り座席が横向きになるため不評だったようで子会社の東備バスに押しつけられてしまったのでしょう。乗客4人では文句も出ないでしょう。
30分で終点の牛窓に到着。目の前が牛窓港です。牛窓港は前島が天然の防波堤の役目を果たしていて参勤交代の船も立ち寄っていました。しかしながら手狭で船が大型化すると役目を果たせなくなり、宇野港などに役割を譲りました。
その後オリーブの栽培が行われるなど「日本のエーゲ海」として売り出されましたが、その後のベネッセによるアートによる観光開発には選ばれず施設の老朽化で衰退しています。瀬戸内市となった旧邑久町・旧長船町には赤穂線の駅がありますが、牛窓町にはバスしかなく不便で、人口減少が著しくなっています。
#高校時代の同級生に牛窓町から通学していた人がいました。岡山の県立高校は学区制を敷いており、牛窓は学区外であったので特例枠での入学で、東大に進学した優秀な人でした。
船が前島からやってきました。前島フェリーは
瀬戸内緑の杜公社が運航しており、船は「第七からこと」です。1993年に神原造船で建造された197t・航海速力8ノットの双頭型フェリーです。0.9kmしかないのでいちいち船を回頭させる手間のない双頭型を採用しているようです。なのでたった5分で到着できます。
乗船券は船に入ってすぐの券売所往復分の運賃を払って購入します。帰りは乗船券を提示すればOKとのこと。乗降が終わるとすぐ出航です。
この「第七からこと」、年末年始の輸送を終える1/6で引退することになっており客室内も疲れた感じです。
早くも前島に近づいてきました。最後の松飾りが映り込んでいますね。
前島に到着。早速設営を始めましょう。google mapでは港近くにジャングルジムがあったのですが撤去されていました。何とか工夫して設営完了。11時35分にスタートです。西風があるので防波堤で風よけしながらになります。
ややノイズがあるものの2~6エリアが中心。1エリアもそこそこ強いです。スタートから比較的コンスタントに呼ばれます。とりわけ2エリアは出てきたら非常に強く入ってきています。
今年最後ですから季節のご挨拶込みになりいつもよりはペースが落ちますがそれはそれですよね。
実は今回まだ決めていないことがあります。それは終了時刻。牛窓発の東備バスは西大寺行きが14時5分発、邑久駅行き市営バスが毎時0分です。前島フェリーの時刻は13時、14時、14時30分発で所要5分です。邑久駅行きは55分待たないと乗れません。東備バスは牛窓での下車時に運転手に聞いたら「フェリーとの接続は特には取っていない」とのことでした。
なので
(1)13時発の船に乗り14時発の邑久駅行きに乗る
(2)14時発の船に乗り14時5分発の西大寺行きに乗る
(3)14時30分発の船に乗り15時発の邑久駅行きに乗る
と3つの選択肢があります。時間効率を考えると(2)がベストですが秒単位での賭けになります。出航や到着が少しでも遅れたら間に合いません。(3)は在島時間が最長になりますし、牛窓での待ち時間も25分で済みます。ただし邑久駅で播州赤穂行きまで58分待たされます。
さてどうしましょう。幸い港にいるので1km弱先の牛窓港の様子はQRVしながらでも確認できます。12時発・13時発の船の様子を見て決めることにしました。
12時発の船は所定の5分よりやや遅れて牛窓に到着。13時の船は5分より僅かに短い時間で着いています。可能性はゼロではないので(2)に賭けてみましょう。このため片付け時間を考慮し13時30分終了としました。
そうと決まればラストスパート。Condexが落ち気味ですが頑張りましょう。13時30分過ぎで終了しました。
待合所には丸々した猫がいました。14時発の船に乗り込みましょう。
幸い14時ちょうどに出航。可能性はありそうです。間もなく到着のアナウンスがあったので車両甲板に降りてゲートが開くのを待ちます。ゲートが開いたら即ダッシュ。既にバスのドアが閉まっていましたが、幸い運転手さんが気付いてくれて乗せてもらえました。14時5分のバスに0秒乗り換えの成功です。
西大寺駅からは30分弱の乗り継ぎで15時13分発の播州赤穂行きに乗り換えです。この電車、日生15時51分発で何のことはない24日の帰り便の電車でした。おかげで姫路でたこ焼きを食べても19時前には帰ることができました。
本日はちょうど100局でした。ありがとうございました。これにて本年の移動運用・JIA対応の移動運用は終了です。JIA最後のQRVは前島となりました。前島までの離島移動のQSLは1月に発送を完了させる予定です。
JIAがなくなる来年からどうするかは正月中に考えたいと思っています。それでは良いお年を。