8/24(土)に福井県南条郡南越前町(JCG 29008)今庄に移動運用に行ってきましたのでご報告します。

今回は初の9エリアからのQRVです。実は2011年3月に起きた東日本大震災の直前に福井県からの移動予告を出したのですが震災による津波警報が出て断念、それ以来の再挑戦です。
場所は南条郡南越前町です。南越前町は2005年に南条郡今庄町・南条町・河野村が合併してできた町で人口は約1万人です。そばの栽培やカニの水揚げなどが主産業です。
福井県を語る上で避けて通れないのが「
嶺南」「
嶺北」です。福井県のお天気は関西の各局が放映する天気予報でも表示されますが昔から「嶺南」「嶺北」という呼び方がされています(滋賀県や奈良県、京都府などは「北部」「南部」)。

お互いを分けているのが木ノ芽峠・栃ノ木峠・山中峠の3つの険しい峠で、これらの峠に連なる嶺の北側が福井市を中心とした「嶺北」、南側が敦賀市を中心とした「嶺南」となります。江戸時代までは冬になると峠は雪が積もり通行困難になっていました。
1896年に山中峠沿いに北陸本線の敦賀-福井間が開通しようやく通年での行き来ができるようになりましたがトンネルや急な坂を連ね2時間近くかかる難所で、戦後になっても福井と敦賀の行き来は非常に少なかったようです。1962年に木ノ芽峠の直下を貫く北陸本線の北陸トンネルが開通、電車で45分と近くなりようやく嶺南と嶺北とが簡単に行き来できるようになりました。
南越前町はこの嶺北側の最南端、日本海に面した旧河野村を除けば豪雪地帯にあります。県境を接した隣の県への道路は全て冬季閉鎖になる「どん詰まり」の位置にあります。
朝早く行くには近江今津8時14分発の福井行きが便利です。大阪からですと朝2本目の快速に乗って京都で近江今津行きに乗り換えればこの電車に接続しています。

何年か前にダイヤ改正があってからは福井駅で40分待てば金沢行きに接続するようになり青春18切符で金沢に行こうとする乗客がどっと乗るようになりました。ただ前にも触れたと思いますがこの電車を使っても金沢に着くのは正午前後。敦賀からの帰りの最終新快速に間に合うためには金沢の滞在時間は3時間しか取れません。観光客でごった返す近江町市場でお昼を食べていたら兼六園を回る余裕すらほとんどなく帰りの電車に乗る必要があります。
青春18切符で金沢日帰りは事実上無理で止めた方がいいですが、そんなの考えてなくただ「人気だから」で金沢を目指すの客が多いようです。でもって近江今津発車時点で席は埋まり、さらに近江塩津で米原方面からのお客を乗せて一杯になりました。
敦賀からは長さ13.9kmの北陸トンネルに入ります。「敦賀トンネル」でも「木の芽トンネル」でもなく「北陸トンネル」というこれ以上ないトンネル名なんですね。JRの在来線では一番長いトンネルにふさわしい名前が付けられています。
今庄駅に到着しました。北陸トンネルができるまでは今庄-敦賀間は難所で補助の蒸気機関車を連結して1時間かけてようやく通れる状態でした。このため今庄駅は多くの線路が残されています。

駅に当時のジオラマがあり、賑やかだった当時の今庄を伝えています。駅弁や名物今庄そばの販売があり、電報も打つことができる駅だったようです。今は福井行きや敦賀行きが1時間に1本程度停車するだけです。
今庄は峠越えを控えた北陸道の宿場町で、今も何軒かの蔵元が日本酒を造っています。雪が深いため気温が安定しますし雪解け水も得られて良い酒ができるそうです。

これは「白駒」の蔵元白駒酒造 です。今もお酒を造っています。
日野川を渡って今庄の集落の対岸へ。河川敷に広場がありますのでここから出てみます。

こんな感じで山々が迫りどん詰まりの地であることがよく分かります。
予定の場所ではお年寄りがグラウンドゴルフをやっていました。「片付けながらやってるからあと少しで終わるよ」とのこと。待ってみましょう。
・・・年寄りなんで動きが遅くなかなか終わりません。とうとう1時間近くかかってようやく終わりました。
やっとこさアンテナを張りスタートできたのはなんと10時45分。ようやくです。
早速1局QSOできて幸先が良かったもののノイズが高くなり全然呼ばれません。どうもこうもならず低いの周波数にQSY。ようやく少し呼ばれるようになりました。QSYを伴いながらも1~5エリアが開いているようです。
朝方は曇っており25度を切って快適でしたが快晴になって暑くなってきました。帰りの電車は12時48分。暑いのでこれ以上は無理で12時10分で終了します。短時間で終わってしまいました。
今庄駅は町が駅の業務を受託しており観光案内所やお土産屋さんを併設しています。観光案内所のスタッフが切符の発売も行っています。

キヨスクがセブンイレブンに変わって味気なくなりましたが、こちらは業務委託先の観光協会がやっているので品物は地場の名産が多いです。駅にはこういう店が欲しいんですよ。
今回買ったのは今庄の
高野由平商店謹製「紅梅液」。高野由平商店は小浜藩主から伝えられたという梅の実を砂糖漬けにし壺で寝かせた梅肉の「甘露梅肉」を長年造っており、その際に出る副産物の液も別の壺で寝かせて梅シロップ「紅梅液」として販売しています。これを炭酸水で割れば美味しいそうですので試しに買ってみました。甲類焼酎をこれで割っても良さそうですね。
お会計を済ませたら「今電車が遅れていまして」とのこと。10分後に今庄を出るはずの敦賀行きはまだ福井駅停車中だそうです。「ご案内しますので待っててくださいね」とのことで待合室でお昼の「なつぞら」を見ますが見終わってようやく「電車が福井駅を発車しました」とのこと。
見る気のない「いだてん」をぼーっと見ていたらようやく「13時38分頃到着予定」とのことでした。
再び北陸トンネルを通って敦賀に到着。

敦賀は人口約6.4万人。福井県第二の都市で天然の良港があり、北前船やロシア航路などの発着地として賑わいました。
お昼がまだですのでヨーロッパ軒の駅前店に行ってみましょう。ヨーロッパ軒(パ軒)は福井市に総本店を構える大衆洋食店で「ソースカツ丼」であまりにも有名です。が「当分の間事情により14時~16時30分まで休みます」とのこと。何しに敦賀に立ち寄ったのかねぇ・・・がっくりです。
アルプラザの1階に「スガキヤ」があったはずと思って向かったら撤退しており、6階のフードコートでようやくお昼にありつけました。

ソースカツ丼です。パ軒と比べないことにしましょう。ありつけたのですから。
敦賀からは大阪方面への新快速が1時間に1本あります。昼間は湖西線経由で約2時間で大阪に着きます。これは便利。もっとも途中の近江舞子までは全ての駅に止まるのであまり早くはないです。
スーパーで買ったハイボールでも飲みながら帰りましょうか。
本日は32局でした。ありがとうございました。何かかみ合わないまま終わってしまいました。残念。