少し間があいてしまいましたが東海汽船案内の3回目は片航路(大島航路)について掘り下げてご紹介したいと思います。
この航路の特徴は以下の通りです。
(A)大島の利用客と就航率が飛び抜けて高い。大島欠航なら他島も欠航。
(B)就航は高い順に大島、式根島、神津島、新島、利島。
(C)大島・新島・神津島は使用港の確認が必要。
(D)就航率は高い順に大型客船、神新汽船、ジェット船。特に利島は大型客船の利用が基本。
(E)大島では熱海便、大島以外では神新汽船の利用も頭に入れておくとベター。
片航路での大型客船の就航状況を航海の安定度順に並べるとこんな感じです。竹芝出発時にこのパターンで判断してください。
(1)全島就航 夏の時期にしかないラッキーなパターンです。利島も安心です。
(2)利島のみ条件 これが通常のパターン。利島は少なくとも往復どちらかで接岸できそうです。
(3)利島+新島or神津島条件 新島・神津島は接岸する可能性が高いです。利島は片道のみ接岸かも。
(4)大島以外条件 神津島まで行けても帰りは大島まで通過の可能性あり。大島以南は揺れます。
(5)大島以外欠航 東京湾を出るとかなり揺れます。
[大島の注意点]
朝の東京発下り夜行客船のみ岡田港発着と固定されています。これは大島到着が早朝のため確実に入港できる岡田港に接岸した方が受け入れ態勢を整えやすいからです。宿の出迎えやレンタカーも岡田港で待ってくれています。
その他の船は元町港が使用可能なら元町港、ダメなら岡田港です。最近は元町港よりも岡田港からの発着となることが多いようです。発着港は電話で確認できますから怠らないようにしてください。なお、島内を走る大島バスで「出港地」の行き先表示をした便は出航する方の港に送ってくれますからこの場合は港を気にせず利用できます。
大島は最も利用客が多いため満席になることもあります。満席の際はすいている熱海発着のジェット船を利用することも検討してみてください。
[利島の注意点]
大型客船の場合は上記の(1)~(3)でしたら乗船して下さい。(4)の場合は微妙です。(4)で利島が条件付きの場合は宿泊予定の宿に電話を入れて相談されることをお勧めします。
客船ですら就航率が低いのでジェット船の就航は期待できません。当日竹芝を出発する時点で就航が決まっているのなら乗ってもいいと思いますが基本は大型客船の利用です。帰りの東京行きでお急ぎの方は大島まで大型客船、大島からジェット船という方法もあります。
利島に限り乗船30分前までに利島港で乗船手続きが必要です。利島は乗船客が少なく、利用がない場合は利島を通過させるためです。
[新島の注意点]
基本は前浜港(黒根港)ですが、波の影響を受けやすいためジェット船は若郷の渡浮根港発着になる場合があります。近年は同じ日でも大型客船と神新汽船は前浜、ジェット船は渡浮根というケースが増えています。渡浮根港は新島の本村地区から離れており、待合所等はありません。なお本村と若郷の間にあるトンネルは歩行者通行禁止ですからご注意下さい。乗船手続きなど詳しくは東海汽船の新島代理店に確認してください。前浜港にジェット船が寄港する場合、停泊中にかなり揺れることがあります。
また、隣の式根島より就航率が低く、新島欠航・式根島就航というケースがあります。この場合は村営連絡船の「にしき」で式根島に渡ってから乗船する方法もあります。にしきの発着場所は東海汽船の発着場所よりも波の影響を受けないため、にしきの就航率は意外に高いようです。
かめりあ丸の場合に限り、冬になるとごくまれに島の反対側にある羽伏浦発着となる場合があります。
[式根島の注意点]
野伏港は就航率の高い港ですので特に問題はないと思います。東海汽船の待合所にはお土産や弁当等の店がないので集落で購入を。
[神津島の注意点]
前浜(神津島)港の使用が優先されますが、現在は海況がよくないと使用されません。島の反対側にある多幸湾からの発着が多いです。こちらはお店はおろか人家もほとんどないのでご注意下さい。そのかわり良質の天然水がわいているので一度ご賞味を。
[神新汽船の注意点]
神新汽船は下田からの片道航路です。どの島も1日1回しか寄港しません。「あぜりあ丸」はジェット船よりも就航率が高いのですが、大型客船とくらべ横揺れ防止の機能が簡略化されており、揺れる可能性が高いです。和室で横になっておきましょう。船酔いに弱いようでしたら酔い止めの薬を飲んで乗船を。
船内設備も簡素ですが、事務長は親切なので何かあったら案内所で相談してみるといいでしょう。