[マルエーフェリーが東京-沖縄航路の旅客営業を廃止]
東京-沖縄間のフェリーを運航しているマルエーフェリーが新船への置き換えに伴い12月7日で旅客営業を廃止することになりました。トレーラーの荷台部分のみを輸送するRO-RO船「琉球エキスプレス2」に交替し、マイカーの沖縄への輸送ができなくなりますのでご注意ください。
この航路は昭和48年に開設され、近年は「フェリーありあけ」が活躍していましたが、2009年11月に三重県沖で横転座礁事故を起こして廃船となり、代船として有村産業破産後係留されたままになっていた「クルーズフェリー飛龍21」を購入し運航してきました。
しかしながら成田-那覇間のLCCが多数運航されオフシーズンには運賃が1万円以下に値崩れし、フェリーを利用する旅客がほとんどいなくなりました。長距離トラックも荷台のみを船に積み込み運転手やヘッド部分は切り離して運んでいましたから、実態に合わせて新造のRO-RO船に変更するようです。旅客営業を廃止することで客室を廃止でき、案内所やレストランなどの設備や要員も省くことができます。
「クルーズフェリー飛龍21」は9,225tの大型船で、元々は有村産業が1995年に東京-沖縄-台湾間の国際航路に投入したフェリーでした。ところが有村は2007年に経営が行き詰まり破産、その後引き取り手が現れないまま係留されようやくマルエーで復帰を果たした船です。フェリーとしては大きすぎるため海外で買い手が見つかるか微妙なところです。
那覇行きでマイカーを載せることができるのはマルエーの大阪-那覇、鹿児島-那覇航路のみとなります。特に東日本の方で沖縄にマイカーを持ち込んでQRVしたいと考えている方はご注意ください。
[JALエクスプレスが消滅]
JAL系でボーイング737型機の運航を行っていたJALエクスプレス(JEX)が10/1付けでJAL本体に吸収されて消滅することになりました。
JEXは元々大阪空港(伊丹)発着の737型機運航路線をローコストで担うために発足し、大阪空港に本社がありました。大阪からの九州方面は737が中心になって運航してきましたが、JALの経営難から機材の小型化が進められ大阪発の九州路線はJ-AIRによるCRJ200やE70での運航に変更されました。このためJ-AIR本社の大阪移転と入れ替わるように羽田に本社を移転し近年は羽田発着の路線を中心に運航してきました。
このため羽田発着の737はJAL直轄とJEXとが混在することになり、効率化のためJAL本体に吸収され消滅することになったようです。
[宮古島の路線バス再編案まとまる]
来年1月末に宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋が開通し両島を結ぶ航路が全廃されるのに合わせ宮古島市内における路線バス網の再編が市役所で検討されていましたが、案がまとまったようです。
それによると、
・バスターミナルの新設は費用面から断念し、伊良部航路廃止で用途を失う
平良港の船客ターミナルを活用する。
・平良港ターミナルの駐車場にバス停を設置し、に路線バス3社(宮古協栄・八千代・共和)の
バスを乗り入れさせ相互に乗り継ぎができるようにする。ターミナルの待合所は路線バスの
待合所としてそのまま活用する。
・これに合わせて3社はダイヤや路線を再編する。
とのことです。
この内容で注目すべきは「路線バス3社」となっている点で、これにより伊良部島で路線バス事業を行っている共和バスが宮古島に乗り入れることを示唆しています。これまで宮古協栄バスが伊良部島への乗り入れに積極的な姿勢を見せていましたが共和バスとの相互乗り入れになるのか伊良部への乗り入れが退けられたのかは現時点では不明です。
「お金がないのでとりあえずこうしました」的な安易さがぬぐえませんが、3社のバスが相互に
乗り継ぎできるだけでも大きな進歩だろうと思います。
[奄美群島での航空運賃引き下げ社会実験がスタート]
鹿児島県の奄美群島において、航空運賃を安くして人の移動を活発にしようとの狙いから航空運賃の引き下げ社会実験が実施されます。同様の社会実験は沖縄の離島でも既に実施され、観光客が増えるなどの経済効果が出ています。
対象となるのは奄美大島・徳之島・喜界島・沖永良部島・与論島で、これらの島からの鹿児島・福岡・大阪・東京行きの運賃が引き下げられます。なお、奄美大島に就航しているLCCのバニラエアは対象外です。
奄美群島は沖縄同様に亜熱帯の豊かな自然が魅力ですが、近年人気の高い沖縄や屋久島などに観光客を奪われており、「西の新島」などとも言われた与論島も寂しい状態のようです。航空会社同士の競争が激しい本土-那覇間に比べると航空運賃が割高なことも原因と指摘されていました。
加えて奄美群島では高齢化と人口減少が進み、主産業であるサトウキビの栽培も価格が低迷し経済が停滞しています。このような奄美群島を何とか活性化したいと「奄美シマ博覧会」というイベントを開くなど頑張っており、今回の社会実験をきっかけにさらに観光客が増えるといいと思います。