5/2(水)松山市内→八幡浜→臼杵→津久見
本日は安居島からQRVする予定でしたが、1日中雨の予報ですから断念し早めに津久見まで行きたいと思います。御朱印帳を預かっていれば石手寺などにお参りできるのでしょうけど荷物が重いので預かっていませんでした。
安居島は特定の日しか本土側からの日帰りができないため簡単に訪れることはできません。来年以降曜日を見て再挑戦を計画したいと思います。
大分に向かう前に道後温泉へ。朝風呂にします。
商店街が営業を始める前ですとお客が少なくのんびり入れます。小雨も降っており客足はさらに鈍るでしょうね。宿を引き払い路面電車でJR松山駅に向かいます。
JR松山駅は人口50万人の松山市の玄関口とは思えないほど小さなものです。県外からの来訪客の多くは飛行機や高速バスを利用しますし、近郊の交通も伊予鉄が握っているため利用客が少ない事情があります。そもそも1927年開業とJRの県庁所在地の駅としては最後にできた駅で、それだけ需要がなかったと言えます。四国初の鉄道の駅である伊予鉄の市駅とは全く対照的です。
松山駅のみどりの窓口で八幡浜までの乗車券と特急券を買いました。次は10時14分発の「宇和海」だそうです。予定が前倒しになったので時刻表を借りて船の時間を調べておきました。
松山駅では駅弁業者の鈴木弁当店が4月に倒産し営業を停止、駅弁の販売がなくなってしまいました。高松も元からの業者「高松駅弁」が2014年に解散、徳島も壊滅し四国では駅弁が風前の灯火になっています。JR四国は今や高速バスの会社と言った方がいい状態なので関連産業の駅弁もこの状態なのでしょうね。
セブンイレブンで小型の弁当を買い、あわせて駅のじゃこ天屋さんでじゃこ天とじゃこカツを買っておきました。駅で揚げているようです。
ホームで待っていましょう。松山駅のホームは3番線までしかありません。特急は1番線が使われ、岡山からの「しおかぜ」と宇和島からの「宇和海」が同じホームで縦に並んで停車します。以前は岡山発宇和島行きの特急もありましたが、松山から先の利用が少ないので系統を分けています。
「宇和海」に乗りました。4両で持て余すほどのお客しか乗っていません。車内でじゃこ天を1枚つまんでみます。魚を骨や皮ごとすり身にするため噛めば噛むほど味が出てきて美味しいです。
11時に八幡浜駅到着。じゃこ天で有名な港町です。次のフェリーは11時45分発。小雨が降っていてどうしようかと思っていたら伊方行きの伊予鉄バスが来ました。運転手に聞いたら「港に行きますよ」とのことで乗ることにしました。これはラッキーでした。
車窓から町を見ていたらなかなか面白そうな町です。じっくり歩いてみたいのですがいつかそのチャンスがあるでしょうか?
八幡浜のフェリーターミナルに到着。なかなか古そうな建物です。
窓口で乗船券を買い、11時45分に出る宇和島運輸フェリーの「あけぼの丸」に乗ります。
宇和島運輸フェリーは八幡浜と臼杵・別府を結ぶフェリー航路を運航しています。元は社名の通り宇和島に本社を置き宇和島発着の航路がありましたが、距離の短い八幡浜発着に統一され宇和島からの航路は廃止、本社も八幡浜に移転しています。臼杵航路・別府航路とも現在の船は全て内海造船瀬戸田で建造されたものです。別府に行くのも楽しいでしょうが次の船は13時の出航なので大人しく臼杵にします。
八幡浜-臼杵航路は宇和島運輸フェリーと九四オレンジフェリーの2社が運航しており、深夜も運航されています。臼杵までは2時間半かかります。
あけぼの丸は2017年12月に就航したばかりの2,700t・航海速力19.5ノットのフェリーです。2等は雑魚寝のほかこのように簡単な仕切りのある区画もあります。低反発で寝るには快適そうです。
船内でお昼にします。じゃこカツはじゃこ天のすり身にタマネギなどを加え衣を付け油で揚げたものです。本気で美味しかったです。
食べたので横になって寝ておきます。これは快適です。この航路は愛媛側は佐田岬半島、大分側は佐賀関半島があって北側からの風に強く、揺れやすいのは豊予海峡の僅かな区間だけのようです。
定刻より10分早く臼杵港到着。大分に上陸です。臼杵市は人口3.7万人。小室哲哉さんの奥さんKEIKOさんの出身地で、ご実家は有名なふぐ料理店だそうです。造船や
フンドーキン醤油をはじめとした醤油の醸造が主な産業です。
津久見に向かいましょう。駅まで約1.5km徒歩になります。
途中には
臼杵造船所があります。大分県下では2位の造船所で久米商船の「フェリー琉球」、野母商船の「太古」などいい船を造っていたのですが、主力のケミカルタンカーの競争が激しくこの4月に同業の
福岡造船に買収されました。福岡造船は渡嘉敷村の「フェリーとかしき」、伊豆諸島開発の「ははじま丸」などの建造実績がある長崎の
渡辺造船所も今年買収しており、一気に事業を拡大しています。
雨が本降りになってきました。傘を差して重い荷物を担いでいるため途中の臼杵郵便局で風景印を貰う気力もなく臼杵駅に向かいます。人通りが少なく寂しく感じました。
臼杵駅に到着。キヨスクだったところを観光案内所兼特産品売り場にしていますが、名物は臼杵煎餅くらいのようで目を引くものがありません。店番のおばちゃんも暇そうにしていました。
このあたりは列車の本数が少なく、特急は1時間に1本、普通は2時間に1本くらいしかありません。10km近く離れているとはいえ隣の津久見駅まで特急に乗るしかありません。300円を追加で払って特急で津久見に向かうことにしました。
これで「うすき」と読ませたいのでしょうねhi 10分近く特急に乗ってようやく津久見に到着です。
津久見市は人口1.7万人。ミカンの栽培が盛んなほか、
太平洋セメントの大きな工場があり石灰石やセメント製品の生産が主産業です。元プロボクサーの薬師寺保栄さん、シンガーソングライターの伊勢正三さんなどの出身地で、伊勢さんが作詞作曲したフォークの名曲「なごり雪」は津久見駅がモデルだとされています。
駅には「なごり雪」の歌碑があります。「東京で見る雪はこれが最後」じゃないんですね。
津久見は近年人口が大きく減っており、臼杵市との合併が模索されたもののまとまらず断念、単独で市を維持することが難しくなりつつあります。追い打ちをかけるように昨年9月の台風による豪雨で市街地が水浸しとなる大きな被害を受けました。
宿は港近くの
ホテルAZにしました。ホテルAZは福岡の宿不足ネタの際によく取り上げている格安ホテルです。税別4,800円と安いです。ちなみに室内はこんな感じ。
ロードサイドの宿のため電車での利用が難しい立地が多いのですが津久見は駅から徒歩圏なので有り難いです。港にも近く翌朝も便利。駅からホテルまでの道はメインストリートとも言える道なのに営業しているお店の方が少ない状態で、歩いている人も見かけませんでした。
荷物を整理し隣のスーパー「
マルショク」でお茶などを買っておきます。福岡のサンリブが経営しており、大分の店舗はサンリブではなくマルショクとなっているようです。サンリブの「L」をイメージした緑の部分がハッチングされているのがサンリブで、されていないのがマルショクです。
マルショクの裏が保戸島・無垢島への定期船の乗り場です。聞いてみたら無垢島行きは乗船券を船内で買う形とのことでした。ちょうど船が無垢島から着いたところで、少し波が高かったものの就航したようですね。
雨が上がってきたようです。この先まとまった雨雲はかからないようなのでQRVしてみましょう。ホテルの窓から見えた公園に行ってみます。
登り口を探すのに少々時間がかかりましたが上がれました。大友公園です。豊後の戦国大名大友宗麟の墓が津久見にあるそうで、宗麟から名付けられたのでしょうね。
ここから見れば津久見の市街地のコンパクトさが分かって頂けると思います。
7MHzでQRVしてみましょう。16時50分にスタートです。
一応1~3エリアから呼ばれますがあまり多くはありません。散発になります。
少し雨がパラパラしてきましたし、日暮れが近くなりましたので撤収します。今日は無理だと思っていた移動運用が少しだけでもできたのでよかったとしたいと思います。
昨年市内が水浸しとなった原因となった津久見川です。水量は僅かでとても氾濫する川には見えませんよね。でも橋脚には今も木が引っかかり、洪水の恐ろしさを伝えています。
夕食はAZの2Fに入っているファミレスの
ジョイフルで。津久見は飲食店も少ないためジョイフルがあるのは有り難いです。
ホテルAZは一時ジョイフルと同じ会社が経営していたそうで、セットで出店しているケースがあります。ロードサイドで他の飲食店がないような場所でもジョイフルを一緒に出店すれば宿泊客が食事をしてくれますよね。また津久見のようにホテル単独では採算が厳しくてもジョイフルには地元のお客さんも来ますから採算が改善できるのでしょう。よく考えられた商売ですし、徳之島の
西川グループが奄美群島でのジョイフルのフランチャイズになっており、同じようにホテルのレクストンと同じ建物で展開しているのを思い出しました。
#奄美のジョイフルでは同じ西川グループの酒造会社が造った黒糖焼酎「島のナポレオン」を出していますから一石三鳥の商売ですよね。
テレビで天気予報をチェックしたら明日は晴れるようです。本日は9局でした。ありがとうございました。