20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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赤い実

2008年11月16日 | Weblog
 秋になると、こころが赤い実になります。
 道を歩いていても、目に入るのは赤い実ばかり。
 いまが盛りの菊には申し訳ないですが、菊なんてまるっきり興味がありません。
 いつも赤い実・実・実・・・です。
 なぜこんなに赤い実に惹かれるかといいますと、もうずいぶん昔の秋の日。
 ツル梅もどきが友人のお宅のリビングに無造作に、けれどなんともセンスよく生けてあるのを見てからです。
 ざっくりしたような花器にだったと思います。
 なぜかその風情に、一瞬こころがふるえました。
 
 私は急いで、ツル梅もどきをお花屋さんで買ってくると、見よう見まねでそれを生けてみました。
 秋のやわらかな日差しの差し込む和室に、それは何とも言えない風情を醸し出していました。
 
 それ以来です。
 私は、秋になると毎年、お花屋さんでツル梅もどきを買ってきます。そして、やはりその昔、その友人におねだりして連れていってもらった青山の草月会館で買った花器に投げ入れるのです。
 お花屋さんで手に入らないときは、道ばたに見つけた赤い実を、花ばさみでももっていって切りとって持ち帰りたくなります。
 
 今年もお花屋さんに入って探しましたがツル梅もどきが見つからず、別の赤い実を買ってきて、花器に入れました。
 この作業を一年にいちどしないと、私にとっての秋の行事は終わらないのです。
 そんなわけで今年も和室に秋を迎え入れることができ、私はにたにたしながら毎日、赤い実を眺め、秋を楽しんでいるところです。
コメント
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