二冊の本を並行的に読む。
並行的にだから、一緒にではない、二時間 「つぶやき」 を読んだら
「ひとたば」 に代える。 それも数ページで閉じて、「つぶやき」の続
きに目を移す。
二冊とも俳句を中心にした内容だから、蕎麦とカレーライスを交互
に食べるのとは違う。 ざるとたぬきを並べて食べるくらいの感じ。
こうして読んでいると、二人の筆達者の奏でるハーモニーが脳内で
渾然一体となって、論理的な筋はまるでつかめないが、越し方の俳
句的世界がわが身のなかに醸し出される。
要するになにがなんだか分からないが分かったような気分になる。
そんな気分でいたところに 「お山の杉の子」 の歌詞が目に入った。
『ひとたばの手紙から』 で宇多さんが紹介している。 宇多さんは
kaeruより二つ年上になる。 今でもkaeruも一番の歌詞を歌える。
今日午後、いとこ会がある。この歌を知っている最後の世代、親の
世代のことを語り合うことで、八月的世界をお互いの脳内に醸しだ
そう。