「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」による報告書が発刊
されました。
今日11日は東日本大震災1年6カ月、いまなお34万人が避難生活を余儀
なくされています。 一方、原発の現場では1~3号機原子炉圧力容器への注
水量が突然低下したり、圧力容器や格納容器の温度計が次々と壊れている
など今も危険が続いている状況のもと、報告書のもつ意味は私たちにとって大
変重要なものになっています。
衆議院・参議院の両議長から任命された委員によって構成された委員会は
東京電力・事故当事者や政府(行政府)・事故関係者から独立した組織として
国家の三権の一つである国会の下で調査を行なったものであり、憲政史上初
めてのことでした。
報告書は、「福島原子力発電所事故は終わっていない」という一行から
はじまっています。 「事故は継続しており、被災後の福島第一原発の建物と
設備の脆弱性及び被害を受けた住民への対応は急務である」とし、「この事
故報告書が提出されることで、事故が過去のものとされてしまうことに強い
危惧を覚える」としています。
政府が「事故収束宣言」をしたのは昨年の12月で、去る7月には大飯原発
が再稼働されました。
国会の事故報告書に先行して発刊された事故報告書に『福島原発事故独
立検証委員会 調査・検証報告書』があります。この書が「原子力ムラ」の形成
過程を分析したあと、「原子力ムラの外部」=「一般国民【私たちのこと】」が「無
知・無関心」で貫かれ、その中に「安全神話」を築く土壌が作られてきた、と述べ
ています。
現在私たちのなかに起きている「脱原発への運動」は、現実の生命への危険
と「無知・無関心」への反省からきています。
「原発推進勢力」と対峙しつつ、運動をすすめるうえでこの二つの報告書は知
識・知恵の拠り所になります。
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