葉山の四季

葉山の四季をお伝えしたいと思います。

「マルクスのことは明日に……」 の今日になって。

2022-09-04 22:24:25 | kaeruの『資本論』

「お帰り寅さん」と関連させて、「お帰りマルクス」とか「お帰り『資本論』」的なことを「つぶやき」ましょう、と考えていたのですが、今日この本を手にして「お帰りマルクス」と言う前に「マルクスは生きている」ことに言及しておかねば、と思ったわけです。

まずはこの本、

文字通り「マルクス生存証明書」なのです。寅さんの場合は「寅さんが生き返った」ことを証明する必要はないでしょう。マルクスの場合はそれが必要な理由を不破さんが、この本の「はじめに」でこう書かれています。

なお、本の発行されたのは2009年5月です。

はじめに

十八年前にソ連が崩壊したとき (一九九一年)、 「マルクスは死んだ。 資本主義万歳!」と、 勝ちどきをあげた人たちが一部にいました。

それから八年たった一九九九年、イギリスのBBC放送が、国内と海外の視聴者を対象 に、 「過去千年間で、もっとも偉大な思想家は誰だと思うか」というアンケート調査をおこないました。調査の結果は、カール・マルクスが圧倒的な第一位でした。 第二位はアイン シュタイン、 第三位はニュートン、第四位はダーウィンと、三人の自然科学者がそれに続き、資本主義をほめたたえた思想家は、一人も上位には現れませんでした。

そしていまです。さらに十年たった二〇〇九年、貧困と格差、金融と経済の危機など、 体制の根底をゆるがす暴風が資本主義の世界で荒れ狂っています。日本でも世界でも、「資本主義の限界」が実感され、「この世界の前途をどう見るのか。マルクスの意見を聞きたい」という声が広がっています。

マルクスは、 十九世紀に生き、活動した思想家です。 そのマルクスの意見が、なぜいま求められるのか。これまでにも、「マルクスは死んだ」という声が聞かれた時期は、現代の世界の歴史のなかで何回もあったことですが、マルクスは、そのたびによみがえりました。 なぜ、マルクスはいつもよみがえり、世界からその声が求められるのか。

その答えを見出す道は、マルクスの思想と活動をたずねる以外にはありません。この本は、その問題意識から、マルクスの真実の姿を読者に紹介しようとして書いたものです。マルクスはその思想も活動もたいへん多面的な人物ですが、私は、そこからマルクスの三つの顔をとりだしたいと思います。

それは、

唯物論の思想家・マルクス

資本主義の病理学者・マルクス

未来社会の開拓者・マルクス

この三つの顔です。さっそく、マルクスを紹介し、その目で現代の世界を見る仕事を、「唯物論の思想家・マルクス」の紹介から始めましょう。

(以下略)


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2 コメント

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マルクス (屋根裏人のワイコマです)
2022-09-05 11:41:47
その 思想や理論は 揺るぎない世界一のものであっても
どんな世界にも 支配階級と 労働者は 存在する
今 マルクスを学んで理解して個人の能力を高めて
も 支配階級にはなれないしなるつもりもない。
世界の中で圧倒的な支持を受けるマルクスが なぜ
未だに社会統一が出来ないのだろうか
私には 難しい問題で 理解できません。 
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新版 マルクス (カエル)
2022-09-09 15:49:29
『新版 資本論』は発行されていますが、『新版 マルクス』という本はありません。でもマルクスの主著『資本論』が新版となったことは、マルクス理解の従来のものが見直しされていることでもあります。ソ連が世界初の社会主義国を目指し発足、世界の労働者はじめ諸国民に大きな期待を抱かせましたが、レーニン時代からスターリン指導に移り独裁主義に脱してしまいました。中国においても同様の政治姿勢を見せ、マルクス・エンゲルスが到達した多数者革命を展望したものとは全く反したものになっています。
21世紀の社会主義への展望は20世紀の世界史的経験のうえに立って、理論的再構築をすすめる先にあります。その点で日本の位置は決定的だと思います。
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