小学校の頃理科の時間に万華鏡を作ったことがありました。面白かったけれど、それほどの感動はなかった気がします。現代の万華鏡には人の心に響く不思議さと驚き、目が離せなくなる色の饗宴があります。初めて現代万華鏡に出会った頃、どうしてこんな映像が見えるのか不思議でたまらなかったのが、デヴィッド・スーギッチというアメリカの作家の作品でした。覗くと目の前に立体的にせまってくる映像が本当に不思議で、どんな仕組みになっているか分解して見てみたいと思いました。今はどのように鏡を組めばどのように見えるかということが以前よりは分かるようになりましたが、それでもまだまだ万華鏡は Wonder(驚きとか不思議さ)に満ちあふれています。デヴィッド・スーギッチはステンドガラスの万華鏡作家で、ご紹介したようなタイプのほか、オイルワンドを先端に置くタイプの万華鏡を数多く作り、日本でも人気があります。日本では、ステンドグラスを学んで万華鏡製作に進む方が多いので、彼の作品に触発された作家さんも多いのではないでしょうか。ワンドとは「棒」という意味ですが、オイルで充填したアクリル製の棒状の容器の中に細かいオブジェクトが浮かんでいるものです。また次の機会にこのタイプのご紹介をしましょう。
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