万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

菱形フォーミラーシステムの万華鏡

2007-01-03 23:45:31 | 万華鏡ブログ
あけましておめでとうございます。
今年も万華鏡に関するあれこれを書き綴っていきたいと思っております。
今日はふたつの曼荼羅映像の写真です。
4枚の鏡をうすい菱形に組んだミラーシステムの先にその厚みと同等のワンドをオブジェクトとする万華鏡があります。日本に伝えた貢献者は、デイビッド・スーギッチさんです。ワンドを使う万華鏡に関しては誰よりも研究をしたというスーギッチさんの作品は、アメリカからアート万華鏡が日本へも入ってきた1990年代、そのユニークな映像が多くの日本人に驚きをもたらし、万華鏡の専門店やギャラリーで沢山売られました。彼の作品Yin Yangとは「陰陽」のことですが、浮き上がる曼荼羅イメージと沈み込む曼荼羅イメージが並んで一度に見られるところからつけた名前です。日本でもいくつかあるミラーシステムのひとつとして、2ミラーや3ミラーと同じように紹介されたこと、そして分かりやすい造りだったことで多くの人がこのミラーシステムを取り入れるようになったという背景があったそうです。
ところでこのひし形ミラーシステムを最初にワンド万華鏡として考案した人はカレイドスコープルネッサンスの初期、ショーティー・チェイスという作家さんだったと言われています。ワンドを見るアイディアはコージー・ベーカーさんが1988年に考案し、後にワイルドウッド社と考案した「イリュージョン」というアクリル製のプロダクションタイプのワンドスコープになりました。そのアイディアをひし形ミラーシステムで作品にしたのがチェイスさんなのです。そして、スーギッチさんも以前に彼女の作品にインスピレーションを得て、自分のオリジナリティーを出しつつ、買いやすい価格ということも視野に入れて、様々なサイズやガラスの色のバラエティーを揃えて、ザ・ブリュースターソサエティーのコンベンションで発表したところ、大変注目され、特に日本のギャラリーから多くの引き合いがあったそうです。
今ではよく見られるこのスタイルの万華鏡にも、考案した人の思いやその後の歴史があって、さらに新しい要素が加わったりして、引き継がれていくのだなあと思いました。

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