
久しぶりの投稿となりました。今日ご紹介するのは、高林千稔(たかばやしちとし)さんの新作万華鏡「East meets West」です。木工によるボディデザイン、アクリルを美しく整え丸みを帯びたオブジェクトセル、白のオブジェクトが生み出すニュアンスへのこだわり、覗きやすさを考慮した機能面でのこだわりなどを独自の表現で形にしています。
数種類の木材を層にして組み、緩やかなカーブをつけて削ることで、それぞれの層が現れてくるというボディの模様は、木目の現れ方が部分ごとに違っていてユニークなデザインになります。木肌は手に持っても心地よく、また先端部のオブジェクトセルはベアリングを組み込むことで滑らかに回転するので、気持ちよく映像の変化を見ることができます。
今回ご紹介する2点のアクリルのオブジェクトセルの背景は、それぞれ青と白になっています。青の映像からご紹介します。
白の陰影の向こう側に広がる青が背景の色を映しこんでいる部分です。
高林さんの万華鏡制作のコンセプトのひとつである白いオブジェクトと、シェリー・ナップさんから学んだガラスオブジェクトが組み合わされているところから「East meets West」というタイトルがつきました。ナップ夫妻の工房で学んだ時のことがブリュースター・カレイドスコープソサエティのニュースレターで記事となり、その時のタイトルが 「East meets West」だったので、そのタイトルを使うことにしたそうです。
またこの限定版万華鏡シリーズは、昨年万華鏡制作から引退したナップ夫妻へのオマージュでもあります。ナップ夫妻の工房で、シェリーさんから学んで作ったガラスオブジェクトを取り入れ、自分らしいオブジェクトと組み合わせました。
白の陰影が美しいですね。
次はオブジェクトセルの背景が白の作品の映像をご紹介します。
こちらは背景が白いので、そこに重なる白いオブジェクトがさらに表情豊かな陰影となり、シェリーさんのガラスオブジェクトがアクセントになっています。
白のオブジェクトと一言でいっても、実際は形状、薄さ、異なる白さにまでこだわっているので、重なりあって生まれた一瞬が鏡の反射で曼荼羅模様となった時に、ニュアンスのある映像表現になるのだと思います。
2次元の映像ながら深みがあり、静かだけれどリズム感が感じられる映像になりました。
背景が黒のものも含めて3種類の限定版だそうですが、これからナップ夫妻にもこの限定版作品を贈る予定と伺いました。
木工はランディさん、ガラスオブジェクトはシェリーさん、そして万華鏡そのものをお二人から学んだDNAが今後高林さんの手と心を通して受け継がれつつ、独自のデザインを生み出していくことでしょう。
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