
ギャラリー・ヴィヴァンさんの「魅惑の大万華鏡展」で拝見したシェリー・モザーさんの万華鏡「The Ins and Outs」 です。最近は万華鏡を製作なさらないので、作品を拝見する機会が少ないのがとても残念に思っておりましたら、久しぶりにこの作品が目にとまりましたので、撮影をさせていただきました。
美しいガラスオブジェクトの入ったセル、サンドブラストによる模様、随所に見られる装飾はんだに、シェリーさんらしさが見えます。そしてシェリーさんらしいテイパードの3ミラーシステムがなんと二つ入っている作品です。
シェリーさんらしいというのは、1991年に製作された画期的な作品「The Journey」が、テイパードミラーシステムによって宇宙を表現し、ブリュースターソサエティーの創造的作品賞を受賞した、先駆け的な作品となり、その後もユニークな立体的な映像表現を試みてきた作家さんだからです。
(テイパードというのは、先の細くなったミラーを組み合わせて三角錐のように組んだミラーシステムで、広い方から覗くと、球状の立体的な映像が特徴です。)
万華鏡の覗き口は底の部分でとても大きいことがお分かりでしょう。この万華鏡の右側と左側に背中合わせに2つのミラーシステムが入っています。シェリーさんのガラスオブジェクトがたっぷり入ったセルを回転させて映像の変化を楽しみますが、この作品の醍醐味は、ミラーのカットによるユニークな映像です。
金平糖のようにとんがった部分が飛び出すように見える映像と
内側に向かっている映像がそれぞれ見られるのです。それでタイトルもThe Ins and Outs(中へ、そして外へ)です。
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