
今回のコンベンションで、スティーブン・グレイさんの凄い作品を見ることができました。
この映像、びっくりしませんか?
この作品は1992年に製作されたEspy from Within という作品です。 内側から遠くを見るというような意味でしょうか。
ピラミッドに丸い筒を組み合わせたようなデザインもユニークですが、何といってもこの映像には驚きました。 中央のアイホールは横に広く、どこまでも深く続く映像を見ていると、自分自身がその空間に入り込み、奥底に吸い込まれていくようです。
構造的にも私の理解の範囲を超えていますが、オブジェクトセルはふたつあって、筒の両脇に付いています。
光を当てると、白い背景に細かいガラスオブジェクトが見えています。 セルを回すとガラスの動く音とともに、映像にも動きが出ます・
今回、新作発表はありませんでしたが、スティーブンさんのテーブルには、この傑作を含め、最近2年の受賞作(大型)が2点、独創的なハンドヘルドが数種ならび、さらに今まさに製作途中のPegascopetylus という作品まで並んでいます。 スティーブンさんの横にある作品です。
金属と木材とたくさんのギアが生み出すのはどんな作品なのでしょうか? 部品の一つ一つが美しくて、ペガサスを思い起こさせるそのデザインも印象的でした。 スティーブさんの頭の中には、もうその完成した姿があるようです。 楽しみですね。
次は昨年の受賞作Phantom の映像です。 これもユニークですね。
木工と鏡の両方をデザインし、独自のアートを創り続ける作家さんです。
その素晴らしい作品の数々をまとめて、コレクターのヴィンス・キアンフィチさんが本にしました。
初期の作品から、最新作まで、たくさんの写真を使って説明したこの本は、今回のコンベンションでも販売されました。
初めて著者のヴィンスさんと会いましたが、スティーブンさんの作品に、またスティーブンさん自身に、深い敬意をもっていて、そしてそのことを表現したい思いでこの本を書かれたことがよくわかりました。
ヴィンスさんはコレクターとして有名な方なので、名前は存じ上げていましたが、実際お会いしてみると思ったより若くて楽しい方で、日本の万華鏡も熱心に見ていらっしゃいました。
この本の序文にキテルソン夫妻が彼との出会いについて文章を書いています。
「私たちがスティーブに会ったのは30年ぐらい前のこと。 ミネソタ・ルネッサンスフェスティバルで私たちは万華鏡ではなく、ステンドガラスパネルやフューズドガラスの作品を、彼は木工作品とハンドヘルドの万華鏡を売っていました。 ある晩、私たちの展示場に彼はワインを持ってやってきて、彼の万華鏡のためにガラスをフュージングしてホイールをデザインしてくれないかと頼んだのです。一緒にワインを飲みながら、ガラスのホイールを創ることを約束し、それ以来の長い付き合いをしています。 それ以上にその出会いは私たちの人生を劇的に変えることになりました。 このことがきっかけで、私たちは万華鏡作家となったのです。」
(キテルソン夫妻とスティーブさんとの出会いがあって、よかった・・・)
この本を持っていって、スティーブンさんにサインしてもらいました。
元気でいること、よく笑うこと と書いてありました。 分かり易い・・・
スティーブン・グレイという人の凄さ、その凄さを認め本にしたコレクターの熱意もまた凄いなあと感じたことでした。
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