
チャールズ・カラディモスといえば、2ミラーのドライタイプにこだわり、複雑で変化の大きい、完ぺきなシンメトリーの映像を生み出すことで有名です。1978年から万華鏡を作り始め、さまざまなミラーシステムに挑戦し、たくさんの作品を創ってきましたが、やはり落ち着く先は、基本のマンダラ映像でしょうか。スランピングという技法で筒の半分ずつを窯で焼き、磨いたり削ったりして、2つを合わせるという作り方のスタイルも変わりません。この「ハンドホールド」という万華鏡は、ちょうど手に持ったときの指のあたる部分に起伏があり、手で掴んだ跡のようにくぼんでいるところが特徴です。横からの写真ですが、くぼみのラインが見えるでしょうか。使っているガラスが美しく、この抜けるような青空みたいな色もあれば、モノトーンがお洒落なパターンもあります。異なったアートガラスの表情を楽しめるデザインの万華鏡です。中の映像が外のガラスの色とよく響き合うように、一つ一つのオブジェクトを丁寧に創り、選んでいます。2ミラー・10ポイントの映像の背景は白っぽい不透明なガラスになっていますが、よく光を通し、明るい映像を展開します。先端のオブジェクトチェンバーを回すと、オブジェクトがぶつかり合うカシャカシャという音が聞こえ、心地良い響きです。繊細なオブジェクトがぶつかり合っても壊れない工夫がしてあるのだと思います。内部映像はまた次回に。
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