万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

コーキー・ウィークスの万華鏡(2)

2006-02-18 19:58:24 | 万華鏡ブログ
コーキー・ウィークスはステンドガラスや繊維を使ったアートに15年間携わった後、1983年から万華鏡の製作を始めました。初期の頃は真鍮製の作品が多かったのですが、その後、様々な素材を使った魅力的な作品を作り続けています。
ミラーシステムも多様で、1986年には「初めてひとつの万華鏡に2つのミラーシステムを使った」という斬新なアイディアが評価され、ザ・ブリュースターソサエティーの創造的作品賞の第1回目の受賞者となりました。
本人も覚えていないほど多種類の万華鏡を作りましたが、それぞれテーマに即した内部映像が本当にきれいで多くのファンがいます。このウェブログの初日の映像写真は実は彼女の作品のものです。今日ご紹介する作品は見るからにお洒落な万華鏡ですね。マスクの作家さんとのコラボレーションで、いくつかのパターンがあります。この「レイラニ」は黒いマスクと銀色のエクステリア、飾りのビーズが落ち着いた華やかさを演出します。過去の作品にこだわらず、どんどん新作を生み出していく方なので、これからの作品も本当に楽しみです。
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万華鏡のファーストレディー、コージー・ベーカーの本

2006-02-17 19:48:08 | 万華鏡ブログ
コージー・ベーカーさんのことをもう少し。彼女は万華鏡に魅せられ、いろいろ調べようと図書館に行って本を探したそうです。驚いたことに万華鏡(Kaleidoscope)という言葉がついた本はたくさんあったのに、万華鏡そのものについて書いてある本がひとつもなかったのです。そこで自分で書こう!と思ったそうです。
彼女は万華鏡の本を全部で6冊出版しました。初期の本は万華鏡の歴史やルネッサンスの初期の頃の作家の作品と解説、万華鏡のさまざまな側面からの記事などが含まれ、包括的な内容になっています。最近は全カラーページの美しい写真がたくさん載っている本を2冊出版しました。彼女の熱意、万華鏡への思いが伝わってくる本です。たくさんの美しい万華鏡を集めるのは大変ですが、その代わりに、コーヒーテーブルに1冊いかがですか。
万華鏡は手にとって覗いてこそ楽しめるもの・・・それは十分承知した上で、万華鏡の世界を広げるお手伝いをしてくれる本のご紹介をします。(初期のものは手に入れにくいです)
Through the Kaleidoscope
Through the Kaleidoscope and beyond
Kaleidorama
Kaleidoscope Renaissance
Kaleidoscopes:Wonders of Wonder(発売中)
Kaleidoscope Artistry(発売中)
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カレイドスコープルネッサンス

2006-02-16 23:23:15 | 万華鏡ブログ
ヨーロッパで200年前に生まれた万華鏡は当時の人々に驚きと楽しさをもたらしました。たくさんの万華鏡が作られ、アメリカや日本にも伝えられました。ヨーロッパではその後この人気も衰え、万華鏡は忘れ去られたかのようでした。アメリカや日本では子供のおもちゃとして万華鏡は作られ続けました。私たちが懐かしさを感じる紙筒の万華鏡です。
1970年代アメリカで、昔の万華鏡の魅力を見直し、工芸作品として生み出そうとする作家たちが出てきました。ステンドガラスや木、金属、アクリルなどを使った新しい個性的な万華鏡が作られ始めたのです。
これらの動きを大きなうねりに変えたのが先日ご紹介したコージー・ベーカーさんです。最愛の息子を事故で失い、失意の中で出会った万華鏡が、彼女に生きる力を与えたといいます。アメリカ中を探して万華鏡を売る店を訪ね、作家を探し、コレクターを訪ねながら、万華鏡に関る人々のネットワークを作りました。まだコンピューターやインターネットなどが一般的でないこの時代に、アナログ的に自分の足でネットワークを立ち上げ、それが万華鏡愛好家のグループ「ザ・ブリュースター・ソサエティー」となりました。そして世界で初の万華鏡展を主催し、すばらしい万華鏡の世界を世の中に知らしめました。新しいアートとしての万華鏡は人々の心をとらえ、作家やコレクターも増え、扱う店も増えてきました。すばらしい作品に啓発された作家は、さらに努力を重ね、進化します。万華鏡の魅力が再発見され進化する大きなうねりとなったことを「カレイドスコープルネッサンス」とよびます。そのリーダーとなったコージー・ベーカーさんは万華鏡界を長い間率いて活動してきましたが、今では隠退し名誉会長として後進の活動を暖かく見守っています。
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万華鏡はインスピレーションの泉

2006-02-15 22:42:31 | 万華鏡ブログ
万華鏡というアートからインスピレーションを得て、違った分野ですばらしい作品を作り上げるアーティストがいます。たとえばキルト、絵画、写真などです。ここにご紹介するのは昨年、アメリカで最初の万華鏡展(1985年)が開かれてから20周年を記念する展覧会が開かれたときに出品されたキルトの作品(コニー・モリソン製作)です。万華鏡の映像の一瞬を切り取り、布地で再現し、一針一針キルティングしたもの。万華鏡を覗きながらデザインしたのでしょうか。万華鏡の発明者デヴィッド・ブリュースター郷は、彼の考案した仕組みがカーテンやじゅうたんの模様、庭園のデザインなどに役立つだろうと考えたそうですが、このような作品が生まれることになるとは思わなかったでしょう。それ以上に21世紀を迎えたこの時代に、多種多様に進化した万華鏡が存在することを彼が知ったら、きっと驚き、おおいに喜んだと思います。手前にあるのはマーク・ティックル&スーザン・ランドグレン夫妻の「ダーウィン」(左)で万華鏡部門で第1位に選ばれた作品です。
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外でも万華鏡

2006-02-14 21:00:03 | 万華鏡ブログ
アウトドアで楽しむ万華鏡はいかがでしょうか。筒の先には大きなボウルにいっぱいにサボテンが入っています。このボウルは手で回転させることができ、その動きを鏡の筒を通してみるという作品。外部はスティール製で雨にも負けない造りになっています。鏡の組み方もきちんとしていて映りこむ映像はくっきりとカラフルでした。サボテンの代わりに季節の花々や草木などを置いてみれば、また違った映像を楽しむことができます。アウトドアデッキの片隅に何気なく置かれた優れものの万華鏡です。
アメリカで最も有名な万華鏡コレクターであり、国際的な万華鏡協会「ザ・ブリュースターソサエティー」の創立者であるコージー・ベーカーさんのお宅でのひとこま。生活の中にこんな風に取り入れて楽しむ万華鏡も素敵ですね。
ロバート・アンダーソンの「ガーデンスコープ」という作品です。
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ハートの万華鏡映像

2006-02-13 17:29:20 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介したハートがいっぱいの万華鏡の内部映像です。アイホール(覗き口)もハート型にカットされていることに気付かれたでしょうか。そのアイホールから覗くとこんな映像が見えます。もちろん同じ映像が出てくる可能性は非常に少ないですが、それもまた魅力です。これはドライタイプといって、オブジェクトケースには小さなガラス片やガラス細工などがざくっと入っています。これに対してオイルタイプというのがありますが、オブジェクトケースにオイル(グリセリンや鉱物油など)を満たし、そこにオブジェクトが浮遊するものです。オイルタイプは映像がゆっくりと流れるように変化するもので最近とても人気があります。でもドライタイプがやっぱり好き!という愛好家も結構います。(かく言う私もその一人)。ドライタイプの楽しさは、回すたびにガラスの動く音が心地よい響きを奏でるところ。気に入った映像のところで止めてじっくりと眺めることができるところです。そして、何よりもシャープな映像が期待できます。万華鏡がきれいに見えるためには光が欠かせませんが、この万華鏡はオブジェクトケースの先端部分から自然光を取り入れて明るい映像が見えます。ガラスの透明感がさわやかだと思いませんか。
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ヴァレンタインデイにぴったりな万華鏡

2006-02-12 16:27:02 | 万華鏡ブログ
セントヴァレンタインデイが近づいてきましたのでハートをテーマにした万華鏡をご紹介します。アメリカのハワード&エリザベス・スミス夫妻の作品『ハート オブ ヴァーモント』で、木製の万華鏡の筒がハート型に加工されているのがとてもユニーク。このボディーは地元のメープル材とレッドシーダー材を組み合わせ、ハワードが自ら開発した機械で加工します。そして先端のオブジェクトケースにはエリザベスがバーナーワークでひとつひとつ作ったガラスオブジェクトが入っています。その中にもハートが!それらを入れるために、ハワードが木とガラスでオブジェクトケースを手作りします。美しい木目と、木材ならではのぬくもりが感じられる作品です。そして何よりも心を暖かくしてくれるもうひとつのエピソードがあります。この万華鏡は数年前にハワードがエリザベスへのヴァレンタインプレゼントとして作ったのが第1号だそうです。素敵ですね。内部映像は明日ご紹介します。お楽しみに!
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万華鏡の3D映像

2006-02-11 21:19:55 | 万華鏡ブログ
小学校の頃理科の時間に万華鏡を作ったことがありました。面白かったけれど、それほどの感動はなかった気がします。現代の万華鏡には人の心に響く不思議さと驚き、目が離せなくなる色の饗宴があります。初めて現代万華鏡に出会った頃、どうしてこんな映像が見えるのか不思議でたまらなかったのが、デヴィッド・スーギッチというアメリカの作家の作品でした。覗くと目の前に立体的にせまってくる映像が本当に不思議で、どんな仕組みになっているか分解して見てみたいと思いました。今はどのように鏡を組めばどのように見えるかということが以前よりは分かるようになりましたが、それでもまだまだ万華鏡は Wonder(驚きとか不思議さ)に満ちあふれています。デヴィッド・スーギッチはステンドガラスの万華鏡作家で、ご紹介したようなタイプのほか、オイルワンドを先端に置くタイプの万華鏡を数多く作り、日本でも人気があります。日本では、ステンドグラスを学んで万華鏡製作に進む方が多いので、彼の作品に触発された作家さんも多いのではないでしょうか。ワンドとは「棒」という意味ですが、オイルで充填したアクリル製の棒状の容器の中に細かいオブジェクトが浮かんでいるものです。また次の機会にこのタイプのご紹介をしましょう。
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コーキー・ウィークスの万華鏡(1)

2006-02-10 19:00:45 | 万華鏡ブログ
どこから素敵な万華鏡の紹介をしていこうか迷うところですが、今日はアメリカの万華鏡作家の中でも初期の頃から長い間活躍してきたコーキー・ウィークスという人の作品を紹介します。手に持って回しながら覗く一般的な筒状の万華鏡とは大きく違って、これはテーブルの上に置いて覗き込み、先端部を回転させて映像の変化を楽しむもので、卓上型あるいはパーラータイプと呼ばれるものです。万華鏡は見る人が参加して楽しむアートですが、あまり重すぎたり大きすぎたりすると手で持って回すのは大変です。変化し続ける美しい映像を心地よく覗くために大型の作品は持ち上げずとも楽しめるように作られているのです。それにしてもこの姿は美しいですね。コーキー・ウィークスの作品は素材、デザインとも多岐にわたり、(ご本人はかなりの高齢と見受けられますが・・・失礼!)現役としてどんどん新しいものを創り出していくヴァイタリティーには脱帽です。他の作家さんに万華鏡創作の技術を惜しげもなく伝授し、万華鏡界を引っ張ってきたパイオニアのひとりです。内部映像はここではご紹介できませんが、とっても美しい! 2005年アメリカで開かれた万華鏡展出品作品です。
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万華鏡が生まれたのはスコットランド

2006-02-09 23:09:03 | 万華鏡ブログ
万華鏡という言葉、よく考えてみると本当に良くできた言葉です。誰が考え出したのか、私にはわかりませんが、その響きといい、漢字の意味といい、最高のネーミングだと思います。このノスタルジックな響きを持つ万華鏡という名前から、日本で生まれたものと思っていらっしゃる方も多いようです。しかし発明したのはスコットランドの光学研究者で、光学の研究、百科事典の編纂など学者として一生を過ごし、その功績により、サーの称号を国王から与えられたデヴィッド・ブリュースター郷というかたです。今から200年ほど前のことです。灯台の光を遠くまで届かせる研究の途中で思いついたという万華鏡。発明者自身は、アーティストではありませんでしたが、この発明が装飾芸術の分野で役に立つだろうと考えたようです。でもこの魅力的な道具は多くの人の心を捕らえ、ヨーロッパ中のブームとなりました。
この新しい道具を、彼はギリシャ語のkalos(美しい) Eidos(形) Scopio(見ること) からKaleidoscope という名前をつけました。英語らしからぬ綴りはこのためです。語源を聞けば納得するネーミングですが、万華鏡という呼び名の方がずっとロマンを感じてしまう私です。
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