橋長戯言

Bluegrass Music lover, sometimes fly-fishing addict.
橋長です。

山崎蒸留所

2008年10月01日 | Liquors

200809281515000サントリー山崎蒸留所に行ってきました 濃密な原酒が静かに眠っていました ウイスキー 焼酎やワインなどと比較しても非常にコストパーフォーマンスが高いと思うのですが 消費は最盛期の1/5ほどではないか とのこと 私は贔屓にしたいと思います さて山崎蒸留所 例によってフィルム式カメラで撮影しましたのでまたいずれ 

この日は曇り雨 以前サントリーのHPでこんな文があったことを思い出す雨の蒸留所でした

「これからは水の外側も見てごらん。」「水の外側?一体何のことなんだ。」

蒸留所から帰ろうとすると、突然雨が降り出して、あたりの竹林がざわめきはじめた。

「その時、はっとしたんです。まるで、大きな命が生の営みを開始したようでした。」

20071118153450 この写真は去年の秋 オマケについていたミニボトル 今回の見学で仕入れた原酒についてはいずれまた

同行したKanpaiさんもブログで書いてはりますが ウイスキーと言えばこのフレーズが頭に浮かびます

If the river was whiskey, And I was a duck. I'd dive to the bottom, And I'd never come up.

以下2002年に私が書いた文章です

今年(2002)のグラミー賞は私にとって嬉しいものでした 私の音楽のフェイバリットであるブルーグラスがクローズアップされたのです  年間最優秀アルバムを受賞した『O Brother, Where Art Thou?』はアメリカ の古い音楽がいっぱい入っています その中でも特にカントリー男性ヴォーカル賞を受賞したラルフ・スタンレーが 1人でアカペラで歌う"O Death"なんかは日本の民謡(商業的ではないワーク ソング的な)と同じパワーを感じます ちかごろの日本の歌(子供が聞いているヒップホップ調)は歌詞の内容が清く 美しすぎるものが多い様に思います 韻を踏んでいる関係もあるのでしょうが 「虫も殺したことの無い人が自然保護を訴えている」様でどうにも落ち着きません

アメリカの古いブルースやトラディショナル(民謡)には汚くて投げやりな 言葉が多用さる時もあり「清々しさ」とは対極の世界があります

If the river was whiskey, And I was a duck.
I'd dive to the bottom, And I'd never come up.

というフレーズは複数の歌に共通して使われています なんともダメ男の現実逃避の歌詞なのですが それは「叫び」でありそこにも のすごいパワーを感じます

私の読書のフェイバリットである
南方熊楠は知人からの「酒を控えた方がいい ですよ」という親切な忠告に対して以下の様な返事の手紙を書いています

小生に酒をつつしめ云々と有之(これあり)。小生は親や兄弟が言うても酒を つつしまず。又、たとえ慎むべしと約束した処が、酒をつつしむ男に無之候 (これなくそうろう)。小生、従来名を挙げ事を成したるは、みな酒の被護に て候。其許は酒を飲まず。故に常に腰弱く・・・・酒がいやなら自分謹んで可 なり。人に勧むるに及ばず。・・・・小生酒を飲んでも其許の損に成らず。 其許は酒を飲まぬが、非常に小生及び当地方の多人数の迷惑を起こし居る也。 ・・・・体や酒の事は其許等の世話にならず。

ここまで言いきることにパワーとある種の感動を覚えるのは私だけでしょうか
  LS HAGAKI Vol.42(2002.3.19)より